- 特集 発問が集団思考を促しているか
- 提言・学習集団の理解―授業が成立する基盤づくり
- 教師のP・Mリーダーシップがきめて
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- 目標・内容・活動・評価の明確化をめざそう
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- 古い教授学遺産をどうのりこえるか?
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- 子どもを学習主体へ解放する学習集団
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- 授業における集団思考過程の理解
- 異なる情報や考えを教師の発問と指示によって整理する過程
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- かくすこと・かくしかた
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- 集団思考の過程は討論に行きつく
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- 発問と集団思考はどうかかわるか
- 問われてこそ見えてくる―発問は集団思考の起爆剤―
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- 教材の特質をふまえた発問で教材を吟味する集団思考を
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- 発問は食材であり、授業はコース料理である
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- 魅力ある発問が授業を活性化させる
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- 発問が集団思考を促しているか―国語科授業の検証
- 基本の学習+優れた発問+討論=集団思考の授業
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- 思考を要する発問で子どもをまきこむ
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- 集団思考を促し充実感・達成感のある授業作りの要件
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- 小さな枠組みからの脱却を目ざす
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- 発問が集団思考を促しているか―社会科授業の検証
- まずは全員を授業に参加させること
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- 優れた発問指示、活動、対応、そして褒め言葉 これらが融合され、授業での集団思考は高まっていく
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- もう一歩の詰めが集団思考を促す
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- 事実と既有の知識をつなぎ、人物の思いに迫る思考へ
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- 楽しいクラスをみんなで創る
- 子どもたちにとって居心地の良い空間を作る
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- 教師修業への助言
- あなたが伸びるために必要なこと
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- 規範意識を育てる (第3回)
- 「決まりを守る」ことは、学級作りの基礎的・基本的な技能である
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- 「理科離れ」を防ぐ (第3回)
- 「腕をピンと伸ばして手のひらの甲を机に押しつけてみなさい!」
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- 〜四年「ヒトの体とつくり」〜
- 学級見直し、立て直し (第3回)
- 授業が成立しづらくなっている背景とその方策 ―その1―
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- 〜教師の威厳を確立する!〜
- ミス退治運動の呼びかけ (第3回)
- ミスを生かせば、自学ノートが山になる
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- 学級の統率力を磨く (第3回)
- 万引きに対する対応―学級と学校の立ち位置
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- 教師修業への道 (第3回)
- 学び続ける努力を
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- 編集後記
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編集後記
授業における集団思考について、吉本均氏(故人・広島大)は次のように説明されています。「子どものなかに内部矛盾をつくりだし、必要ならば、いっそう激化させ、そうすることで、子どもの発達の自己運動=自己活動をたくみにひきおこしていくこと、それこそが教師の指導の課題である」と(『集団思考と学力形成』から)。
集団思考は、グループ学習の一形態を指すのではなく、一人でわかること、みんなでわかることの統一をめざすものではないでしょうか。
集団思考は、学級の中で授業をすれば自然に成立するわけではないでしょう。集団思考を成立させるためには、次の二つのことが要求されると、『授業研究 重要用語三〇〇の基礎知識』では述べられています。
「第一は、現実の学級をすぐれた学習集団に育てることで、学級の中に自主的で共同的な学習のスタイルをつくることである。授業への全員参加・授業内容の構成過程への関与、授業進行へのストップ発言や討論の仕方など学習規律を育てていかなくてはならない。
第二は発問を研究することである。一つの課題をめぐって多様な意見が子どもの間で出てくるような発問を準備することである。一問一答型の発問では、集団思考は成立しない」と。
学習集団が「教育力」を持つということは、これまでの多くの実践から経験的によく知られていることでしょう。集団が集団としてまとまって活動している時には、教科指導であろうと教科外指導であろうと「集団の教育力」が何らかの形で働いているという吉本均氏の指摘を今回改めて考えてみたいと思います。本号はそのための実践検討の特集号です。
(江部 満)
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