- 特集 「学テB問題」に正対する実力づくりのポイント
- 〈巻頭特集論文〉資料を読解する基本を,普段の授業の中できちんと扱っていることが大切だ
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- 実は読めていなかったのだ
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- 向山学級の指導に学ぼう!
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- どのような能力が必要になるのか
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- 計算単元での学テB問題対応授業の型
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- ポイントは「文字数」と「条件付け」である
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- 「条件」を抽出する力をつける
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- 向山型で授業していれば,難しい問題ではない
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- ミニ特集 「研究授業」を成功させるワンポイントアドバイス
- 我流を廃する努力を積む
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- 系統性を踏まえていますか?―教科書会社独特の系統もある!―
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- 基本はD表で,そして「時間マネジメント」を徹底させる
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- 授業の始まり15秒でつかむ
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- ノートを用意して,校内検討会に臨む
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 大切なことはささやかな中にかくれている
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巻頭論文
算数授業へのこだわり
大切なことはささやかな中にかくれている
向山 洋一
「神は底部(又は細部)に宿り給ふ」という。
大切なことは,一見するとささいなことの中に,かくれているということだ。
「挑戦95」(8月号)では,時刻表が取り上げられ,時間の計算の学習が示された。
まずは,「教材」についての「自分の考え」を確立しなければならない。
「この教材は,いかなる意味があるのか」
「この教材は,子どもたちの何を育てるのか」
「この教材は,よい教材か悪い教材か」
「この教材のポイントは何か」
「この教材は,補う必要があるのではないか」
あれこれと考えるのである。
山口の桑原先生,大切な分類をしている。この教材は,「二つのこと」が交じっている。
しかし,桑原先生の分析は浅い。
この見開き2ページでは,2つのことができることをねらいとする。
1 電車の時刻表を読める
2 時間の計算ができる
読解力から表現力(立式)というパターンは,学力テストB問題を彷彿とさせる。まずは,きちんと表が読めるようにさせることが大前提となる。
ところが,このページに取り上げられた時刻表は,本物そのままであり,素材としては情報が多すぎる。いらない情報を隠すという作業が必要であるし,3年生にしては読めない漢字,記号もあるので,そこを補う工夫が必要である。
岩手の皆川先生の分析。このくらいはほしい。私が評価するのは「定規を当てたり」だ。
1.このページは時刻と時間について,生活の中で実際に使える場面として,時刻表が取り上げられていると考えた。
2.時刻表の読み方は教える部分である。横に見て,例えば東京駅を発車する新幹線の発車時刻はいついつであるか,という読み方。縦に見て,例えば東京発8時52分の「はやて7」は八戸に到着するのは12時4分である,という読み方。
3.練習問題・・で使う「時刻(後)−時刻(前)=時間」のやり方は,時と分を分けて筆算で計算することと,ひけないときは繰り下がりをすることを教える。
4.練習問題・・で使うのは「時刻(前)+時間=時刻(後)」のやり方である。時刻表を見れば時刻がのっているのだから,計算で求める必然性に欠ける練習問題である。執筆者の都合としては,繰り上がりをここで指導したいということなのだろう。子どもは,時刻と時間のたし算に抵抗を持つと思われる。時計模型で,針が3時間分回ることができ,時刻は3だけ増えるのを見せて,たし算してよいのだ,と,納得させたい。
5.子どもにとっては,時刻表そのものが,見づらい物である。気が散るようなよけいな情報もいっぱいである。見たい情報をぱっと探して読み取るためには,表を縦横にまっすぐにたどったり,そのために定規を当てたり,赤鉛筆で印をつけたりすることが必要となる。このページでは,はじめに,時刻表の読み方について,一斉指導でいろいろ扱ってから,練習問題に入る。
「やまびこ185」とある。この読み方にこだわったのは宮崎京子先生ただ一人。
間違って読んだ人も多いだろう。
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- 明治図書