向山型算数教え方教室 2007年10月号
「学テB問題」に正対する実力づくりのポイント

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向山型算数教え方教室 2007年10月号「学テB問題」に正対する実力づくりのポイント

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2007年9月6日
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「学テB問題」に正対する実力づくりのポイント
〈巻頭特集論文〉資料を読解する基本を,普段の授業の中できちんと扱っていることが大切だ
谷 和樹
実は読めていなかったのだ
八和田 清秀
向山学級の指導に学ぼう!
小林 幸雄
どのような能力が必要になるのか
根本 直樹
計算単元での学テB問題対応授業の型
戸村 隆之
ポイントは「文字数」と「条件付け」である
小田 哲也
「条件」を抽出する力をつける
宮澤 宏祐
向山型で授業していれば,難しい問題ではない
月安 裕美
ミニ特集 「研究授業」を成功させるワンポイントアドバイス
我流を廃する努力を積む
星野 裕二
系統性を踏まえていますか?―教科書会社独特の系統もある!―
木村 孝康
基本はD表で,そして「時間マネジメント」を徹底させる
雨宮 久
原典・素直・練習・メモ
田村 治男
授業の始まり15秒でつかむ
野崎 史雄
ノートを用意して,校内検討会に臨む
山口 浩彦
グラビア
教科書を使わないのは違法である
村田 斎
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
視点の移動
小倉 郁美
向山型算数キーワード
読解のプロセス
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
大切なことはささやかな中にかくれている
向山 洋一
学年別10月教材こう授業する
1年・ふえたりへったり
例題の「基本型」
竹内 淑香
「練習問題・スキル」と教材教具
楢原 八重美
2年・かけ算
例題の「基本型」
平松 孝治郎
「練習問題・スキル」と教材教具
岩本 友子
3年・あまりのあるわり算
例題の「基本型」
溝端 達也
「練習問題・スキル」と教材教具
花田 伸一
4年・分数
例題の「基本型」
木村 正章
「練習問題・スキル」と教材教具
北倉 邦信
5年・小数のわり算
例題の「基本型」
中野 慎也
「練習問題・スキル」と教材教具
杉原 進
6年・分数のわり算
例題の「基本型」
行實 克彦
「練習問題・スキル」と教材教具
吉谷 亮
中学難教材こう授業する
3年/式の計算の利用
渡邉 酷
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第91回)
力のある教材・教具は未熟な授業の腕を補う
井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第95回)
子どもの活動をとり入れる
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第97回)
文章題を作って解く学習システム(下)
木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第91回)
学力テストB問題(2)を解く力をどのような授業でつけていくか
赤石 賢司
向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
どの子にも優しい算数の授業を目指して
白井 朱美
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
算数の問題解決学習では学習の技能が育たない
村上 元
出世したかったら問題解決学習
須賀 巧作
〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
目指す向山型算数へ―授業を評定する,子どもの事実―
井上 和紀
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第97回)
低学年
越智 鈴穂
中学年
佐藤 志保
高学年
佐藤 宣久
ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
1年/百玉そろばんは河原木式で!
長澤 和博
2年/保護者から感謝される「向山型算数」
山本 学
3年/「3けたの数の計算」授業のポイント
小田 哲也
4年/定義はしっかりとおさえる
岩田 貴典
5年/子どもたちの「板書」のゆるみに対応する
山田 仁
6年/ノートスキル指導の翌日を意識する
田中 公男
“若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第31回)
子どもたちの姿をしっかり見ながら自分を変えていく
浅川 剛
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
TOSSの先生方にエールを送り続ける!
宮野 水和
向山型算数セミナー
2008年1月箱根合宿とPISA
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
一人の子どもの笑顔を知った
高橋 優
算数は「わかる」から楽しい!
本宮 淳平
特別支援教育こそ百玉そろばん!
本多 崇敏
論文ランキング
7月号
木村 重夫
実物ノートと指導のポイント
教師自身がノートを書くと見えてきたもの
溝端 久輝子
読者のページ
PISA型算数読解力への攻め込み
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第97回)
向山 洋一

巻頭論文

算数授業へのこだわり

大切なことはささやかな中にかくれている

向山 洋一


 「神は底部(又は細部)に宿り給ふ」という。

 大切なことは,一見するとささいなことの中に,かくれているということだ。

 「挑戦95」(8月号)では,時刻表が取り上げられ,時間の計算の学習が示された。

 まずは,「教材」についての「自分の考え」を確立しなければならない。

 「この教材は,いかなる意味があるのか」

 「この教材は,子どもたちの何を育てるのか」

 「この教材は,よい教材か悪い教材か」

 「この教材のポイントは何か」

 「この教材は,補う必要があるのではないか」

 あれこれと考えるのである。

 山口の桑原先生,大切な分類をしている。この教材は,「二つのこと」が交じっている。

 しかし,桑原先生の分析は浅い。

 この見開き2ページでは,2つのことができることをねらいとする。

1 電車の時刻表を読める

2 時間の計算ができる


 読解力から表現力(立式)というパターンは,学力テストB問題を彷彿とさせる。まずは,きちんと表が読めるようにさせることが大前提となる。

 ところが,このページに取り上げられた時刻表は,本物そのままであり,素材としては情報が多すぎる。いらない情報を隠すという作業が必要であるし,3年生にしては読めない漢字,記号もあるので,そこを補う工夫が必要である。

 岩手の皆川先生の分析。このくらいはほしい。私が評価するのは「定規を当てたり」だ。

1.このページは時刻と時間について,生活の中で実際に使える場面として,時刻表が取り上げられていると考えた。

2.時刻表の読み方は教える部分である。横に見て,例えば東京駅を発車する新幹線の発車時刻はいついつであるか,という読み方。縦に見て,例えば東京発8時52分の「はやて7」は八戸に到着するのは12時4分である,という読み方。

3.練習問題・・で使う「時刻(後)−時刻(前)=時間」のやり方は,時と分を分けて筆算で計算することと,ひけないときは繰り下がりをすることを教える。

4.練習問題・・で使うのは「時刻(前)+時間=時刻(後)」のやり方である。時刻表を見れば時刻がのっているのだから,計算で求める必然性に欠ける練習問題である。執筆者の都合としては,繰り上がりをここで指導したいということなのだろう。子どもは,時刻と時間のたし算に抵抗を持つと思われる。時計模型で,針が3時間分回ることができ,時刻は3だけ増えるのを見せて,たし算してよいのだ,と,納得させたい。

5.子どもにとっては,時刻表そのものが,見づらい物である。気が散るようなよけいな情報もいっぱいである。見たい情報をぱっと探して読み取るためには,表を縦横にまっすぐにたどったり,そのために定規を当てたり,赤鉛筆で印をつけたりすることが必要となる。このページでは,はじめに,時刻表の読み方について,一斉指導でいろいろ扱ってから,練習問題に入る。

 「やまびこ185」とある。この読み方にこだわったのは宮崎京子先生ただ一人。

 間違って読んだ人も多いだろう。

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      明治図書

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