- 特集 算数重要キーワード=定着度UP大作戦
- 〈巻頭特集論文〉用語や定義を教えるプロの「定石」と「詰め」―全員の子どもに定着させる技と組み立て―
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- [1年]具体的な場面で具体物の操作を通して身につける
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- [2年]定義の往復とゆさぶりが定着のポイント
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- [3年]図形の用語は,毎時間,授業はじめに覚えさせる
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- [4年]ポイントは脳科学の知見
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- [5年]無理なく繰り返し,重要用語を定着させる
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- [6年]作業の過程を「見える化」することで定着度を高める
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- [中学校]教師の意識と行動が,定着度を左右する
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- ミニ特集 専門医が強調!特別支援対応のNG
- 障害の特性を学び,エラーレス・ラーニングを実現する
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- 日常的に使ってしまう言葉行為を見直す
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- ドクターが言う授業中のNG言葉がけ。なぜできないか原因を探り,教え方を工夫する。向山型算数ならNG言葉がけは出てこない
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- つまずきを抑え,教えてほめるを徹底
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- 「怒る」・「長い説明」を排除し,ほめて短い作業指示で授業をつくる!
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- 解けた問題は,繰り返しさせなくてよい
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- 表紙のイラスト (第42回)
- 問題:右の写真は、(あ)、(い)、(う)、(え)のどのカメラで撮ったのでしょう。
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- グラビア
- 圧倒的な技量! 高段者の講座,授業,そしてQA!
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- 〜向山型算数セミナーIN東京 2014.4.6〜
- マンガ向山型算数教室 (第6回)
- 教科書の問題全てをクリアーさせるのは教師の責任である! 教科書チェックのノウハウ
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- イラスト競演!向山型算数ハイライトシーン (第18回)
- 授業開始1分間で巻き込むフラッシュカード
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- クラス全員が算数ができるようになった事実
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- 教えてほめて算数好きを急増させる学年別教科書の教え方 (第5回)
- 1年/「どちらがながい」
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- 1年/「どちらがおおい(かさくらべ)」
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- 2年/「計算のくふう」
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- 2年/「たし算とひき算の筆算」
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- 3年/「大きい数のしくみ」
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- 3年/「10倍した数と10でわった数」
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- 4年/「小数のしくみ」
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- 4年/「小数のたし算とひき算」
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- 5年/「倍数と約数」
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- 5年/「小数のわり算」
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- 6年/「拡大図と縮図」
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- 6年/「速さ」
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- 算数授業力UP奮戦記 (第6回)
- 授業力向上に必要な努力の方向性
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- 〜優れた教育技術の共有から教育システムの共有の時代へ〜
- 奇跡の向山実践を追う (第6回)
- 生まれて初めて100点を取った!
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- 算数教科書教材に挑戦/論文審査 (第178回)
- シンプルにシステムが示されている授業が向山型である
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- 向山型算数実力急増講座 (第180回)
- 世紀の超難問への挑戦
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- 〜数学者たちの計算リレー〜
- 向山型算数WEBサロン (第174回)
- 「作図活動」を繰り返しながら作図ができるようになり,図形の性質がわかる
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- 甲本が斬る!授業力“有段”への道 (第6回)
- 視野と教師の技量は比例する。技量を向上させ,視野を広くする。高段への道である
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- 河田が創る!“指導法の工夫”で平均90点突破 (第6回)
- 教えて考えさせるための原理・原則
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- 発達障害への林ドクター教育コーチ!ここが気になる学校の指導Q&A (第66回)
- お手本や解答を示さない指導法への疑問
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- <子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第54回)
- 低学年/「一→十→百チャレラン」
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- 中学年/「かけざんあみだチャレラン」
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- 高学年/「小数あみだチャレラン」
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- 教室・サークルからの発信
- 特別支援の算数授業 (第6回)
- 学習量の少ない子どもへの対応は,あかねこ計算スキルで授業する
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- 算数教材ユースウェア (第6回)
- TOSSかけ算九九計算尺での「かけ算」導入,4つのステップ
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- サークルで教師修業 (第6回)
- 1年を通して貫く指導
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- 新型学級崩壊への対応 (第6回)
- 多様な考えという名の「誤学習」
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- 子どものつまずき分析 (第6回)
- 子どもがイメージしやすい組み立てが大切
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- 子どもが熱中した算数 (第6回)
- 時間差を埋めるシステムをつくり,挑戦するための励ましを続ける
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- 「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第66回)
- 百玉そろばん,計算スキルで算数が大好きに
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- すきま時間に子ども熱中!すぐに使える“わくわく問題” (第42回)
- 解いた先にもおもしろさがある問題
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- プロが解説!教材研究「基本用語」事典 (第18回)
- キーワード「計算の意味の拡張」
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- 向山型算数を知る前と後―子どもの事実と教師の手応え!
- 新卒教師の出発点向山型算数
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- 2ヶ月で子どもを変えた赤鉛筆指導
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- 向山型算数セミナー
- 討論の授業は第1級のテーマ
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- TOSS最新情報
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- 算数教室最前線 (第6回)
- 向山型算数を埼玉の小学校から発信する
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- 編集後記
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- 「子ども算数検定」に挑戦! (第18回)
- 9月
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- 算数教科書教材に挑戦/指定教材 (第180回)
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり クラス全員が算数ができるようになった事実
/向山 洋一
向山型算数の「授業のやり方」を習得すれば,奇跡のような事実が次々と生まれる。
次の報告もその1つである。
◆向山型算数で驚異の事実が生まれる
石川県の石坂学級(4年)では,向山型算数によって,驚異の事実が生まれている。
私のクラス3年31名においても,向山型算数によって驚異の事実が生まれている。
3年生1学期,算数の市販テストを6枚した。クラス平均は,すべて90点以上だった。
今日,調べ直してみた。
九九の表とかけ算 97.6点
わり算 96.6点
円と球 96.3点
たし算とひき算の筆算 96.6点
1学期のまとめ 92.9点
一億までの数 95.3点
(S社ワークテスト)
ここまで調べてみて,気になったことがあった。31名1人1人の1学期の算数平均点はそれぞれ何点なのか,ということである。
算数を苦手としていた子ができるようになっていなければ話にならないからである。Excelでデータ化をした。市販テスト6枚の平均を100点満点で換算した。
98点以上……8名
96〜98点……12名
94〜96点……1名
92〜94点……8名
90〜92点……1名
88〜90点……1名
88点以下……0名
数字を見て驚いた。
このような好結果になったのは,明らかに向山型算数のおかげである。
向山型算数では,授業の最初のほうで基本型をテンポよく教える。その後の練習問題を,基本型通りに解く。3問目あたりでノートチェックをするので,やらせっぱなしがない。早く解き終わった子は,黒板に書く。その後,基本型通りに言う。
終わり数分前には赤ねこ計算スキル。2回の緊張感の中で,子どもたちは基本型通りに解いていく。
向山型算数は,45分の授業時間内で問題を解く機会が圧倒的に多い。基本型をインプットする場面もアウトプットする場面も圧倒的に多い。しかも,やらせっぱなしがない。
学力をつけるためには,繰り返し繰り返し情報を送り続けなければいけない。向山型算数は,このことを保障している。
上記のような好結果になったのは,向山型算数のおかげである。
別の人の報告もある。
◆向山型算数はできない子を救う
前年度まで,算数が苦手だったSさんがクラスにいる。
そんな彼女だが,5年生になってからは算数がどんどんできるようになっている。向山型算数の威力に毎年驚かされる。
向山型算数は,やはり学び方のシステムを子どもに教えるものだ。
Sさんの5月の日記である。
私の成長S・N
私が成長したところは,算数が得意になったところです。私は,先生のクラスになってとても算数が大好きになりました。
私は1年生から4年生まであまり算数が好きではありませんでした。
でも,先生の授業を受けてテストもよくなりました。95点になりました。
私は95点のテストをとったとき,声に出るくらいとてもうれしかったです。友だちのテストの点を見てみても同じでした。これからもがんばっていきたいです。
Sさんは,「整数と小数」で95点をとった。そして,その後「体積」で85点,「小数のかけ算」で80点であった。
しかし,その後の「合同な図形」。彼女はついに100点をとった。私は,採点をしていて興奮し,Sさんを私の机に呼んだ。
「おおおおおお! Sさん,100点だよ!!やった!!」
彼女は,嬉しさのあまり,机に走ってきて,言葉が出ない様子だった。
(向山)このような教室の事実をつくるのが教師の仕事である。塾に通っている子だけが活躍する「算数の問題解決学習」の何という劣悪さ。教師の良心が問われているのである。
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- 明治図書