- 特集 教科書を使い倒す教え方システム
- 〈巻頭特集論文〉取り出し・書き込み・チェックし・方法を学ぶ
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- 教科書の構造を読み解く
- 授業を効率化させるための必須作業 第一は、各教科書会社のルールを把握する 第二は、学習するページを2種類に分ける
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- 向山洋一は教科書をこう授業した
- 全員が教科書を「見て」「書いて」「答えて」できるようになる授業
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- 知的興奮を与える授業システム
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- 教科書を使い倒す1時間の授業
- すべてのページに子どもの書き込みがある教科書
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- 「教科書を使い倒す」とは、「教科書を制覇する」ことだ
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- 教科書から基本型を見抜くプロの眼
- 次の練習問題に応用可能なものを探す
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- 単元全体を通して使えるか分析する
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- 教科書を使い倒す「例題・類題」指導
- 基本型をそっくりそのままノートに写す
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- 変化のある繰り返しで、挿絵を3回使う
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- 教科書を使い倒す「練習問題」指導
- 空白をつくらず、個も見る練習問題指導
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- 文章問題・作図問題で空白をつくらない指導のポイント
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- 教科書を使い倒した「子どものノート」
- 「説明しましょう」こそノートに書かせる
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- ノート指導の2つの工夫と基本型の設定で教科書を使い倒す
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- ミニ特集 3学期に間に合う?教科書未消化ページ→ゼロへのヒント
- 教科書を使い,発問+指示で組み立てる
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- 卓上カレンダーと付箋で予定の見える化を
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- 授業をシステム化し,無駄をすべて削ぎ落とす
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- テープ起こしで授業が変わる
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- 「計算スキル」を進度のペースメーカーにする
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- 教科書の区切り方の工夫で,1時間で2時間分+補充問題までできる
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- 表紙のイラスト (第45回)
- 問題:池の周りに木が30本植えてあります。木と木の間は10mです。この池の周りは何mですか。
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- グラビア
- 木村、甲本、河田の3講師の圧巻授業と介入炸裂!
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- 〜向山型算数セミナーIN東京 2014.8.2〜
- マンガ向山型算数教室 (第9回)
- 「勉強ができるようになった!」 子どもの自尊感情を上昇させる算数テスト100点!
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- イラスト競演!向山型算数ハイライトシーン (第21回)
- 「時間はかかってもきちんと解ける」という自信があるから挑戦する
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 算数の指導法は幾百・幾十年の時代に支えられ
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- 教えてほめて算数好きを急増させる学年別教科書の教え方 (第8回)
- 1年「どんなけいさんになるのかな」
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- 1年「どちらがひろい」
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- 2年「かけ算(6〜9の段)」
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- 2年「かけ算九九表」
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- 3年「三角形」
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- 3年「分数」
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- 4年「分数」
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- 4年「変わり方調べ」
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- 5年「四角形と三角形の面積」
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- 5年「およその面積」
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- 6年「資料の調べ方」
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- 6年「きまりを見つけて」
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- 算数授業力UP奮戦記 (第9回)
- ステージの大きさが授業力を規定する
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- 〜教師の挑戦の先に平均90点が待っている〜
- 奇跡の向山実践を追う (第9回)
- 算数についての作文を書かせよう
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- 算数教科書教材に挑戦/論文審査 (第181回)
- □を使うことは簡単なことではない
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- 向山型算数実力急増講座 (第183回)
- 算数問題解決学習に毒された教科書
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- 向山型算数WEBサロン (第177回)
- 教科書通り教える向山型算数だからこそ力がつく
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- 〜4年「がい数」の実践〜
- 甲本が斬る!授業力“有段”への道 (第9回)
- 向山型算数を名乗れるだけの修業をせよ。そう簡単なものではない
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- 河田が創る!“指導法の工夫”で平均90点突破 (第9回)
- お手本学習で攻略する「説明する算数」
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- 発達障害への林ドクター教育コーチ!ここが気になる学校の指導Q&A (第69回)
- 決まって給食を食べ残す子への指導
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- <子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第57回)
- 低学年/「九九(2・3・4・5)のだんチャレラン」
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- 中学年/「がい数2000→3000→4000チャレラン」
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- 高学年/「約分後の分子1→2→3チャレラン」
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- 教室・サークルからの発信
- 特別支援の算数授業 (第9回)
- 最難関「わり算の仮商修正」のポイント
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- 算数教材ユースウェア (第9回)
- フラッシュカードで,授業開始1分間で子どもの心をつかむ!そして,楽しく力をつける!
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- サークルで教師修業 (第9回)
- 木村氏の圧倒的なコメント,代案を得られる幸せ
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- 新型学級崩壊への対応 (第9回)
- ニャティティソーラン踊りましょう!
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- 子どものつまずき分析 (第9回)
- かけ算の筆算・2―2桁以上の数をかけるときのつまずき
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- 子どもが熱中した算数 (第9回)
- 約数の見逃し「0」!合い言葉は「ペアチェック」
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- 「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第69回)
- 学習を定着させるために「出力」場面を設ける
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- すきま時間に子ども熱中!すぐに使える“わくわく問題” (第45回)
- パズルを解くような楽しさ!ちょっぴり難しい図形問題
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- プロが解説!教材研究「基本用語」事典 (第21回)
- キーワード「帯小数と純小数」
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- 向山型算数を知る前と後―子どもの事実と教師の手応え!
- 楽しくて,すぐ終わってしまう
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- 「子どもの笑顔」と「さらなる成長」が見えた!
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- 向山型算数セミナー
- 教科書研究の原点にかえる
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- TOSS最新情報
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- 算数教室最前線 (第9回)
- この目で見たミャンマーの教育事情と向山型算数の可能性
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- 編集後記
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- 「子ども算数検定」に挑戦! (第21回)
- 12月
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- 算数教科書教材に挑戦/指定教材 (第183回)
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 算数の指導法は幾百・幾十年の時代に支えられ
/向山 洋一
算数の教科書に出題されている「計算問題」は,思いつきで出されているのではない。
少なくとも100年以上かけて,算数教育の優秀な先生方によって練り上げられてきたのである。
その代表作は,戦後間もなく「文部省算数教科書編纂委員」をされた,赤羽千鶴先生の『算数科における基礎練習の理論と実際』(暁教育図書刊,昭和27年)の「理論篇」「実際篇」の2冊の本である。
私は,この労作を何としてでも復刊したいと思い,赤羽千鶴先生のご許可をいただいて,平成15年に東京教育技術研究所から復刻版を出版した。
TOSSの多くの教師は,この2冊の本から「計算体系」と「指導手順」を学んでいる。
ところで,一方において,テレビ等で取り上げられ大流行しながら,現在ではほとんど消滅した「計算練習」法に「百マス計算」がある。
百マス計算は,大阪の算数教師たちが開発して,読売新聞で紹介され,本にも入ったものなのだが,「自分たちがつくり出したかのような発言をしてきた」教師がいる。
発明した教師たちは,「百マスの限界」を意識していたが,「まねた教師」は,「万能」のように主張してきた。
私は,2004年に,五百名余の教師たちの実践報告を紹介した。
「五百人の教師論文の証言─百マス計算は害が極めて大きい学習法である─」
最新の「スポーツコーチ学」によれば,無理な猛練習は,選手の身体をガタガタにしてしまうという。
甲子園に出た野球選手の中で,無理な練習,試合のため身体をこわし,一生野球をしなくなった人はいっぱいいる。
まして,小学生のときに,無理な練習を強制すれば,その害ははかりしれない。
学習でも同じである。
百マス計算は,テレビでもてはやされているが,害がすさまじい。
日本教育技術学会が,全国の会員教師に「検証論文」を求めたところ,五百名余の「百マス計算の実践報告」が集まった。
そのすべてが「百マス計算の害」を報告していた。
第一に,授業時間が半分に減る。教科書を勉強する時間がなくなる。1回やって答え合わせまですると,20分はかかるからである。
第二に,答え合わせをしないと「嘘の答えを書く子」が出てくる。ストップウォッチで競争させるからである。
第三に,勉強のできる子はあきてしまい,できない子はいつまでたってもできない。
「かけ算九九」は,九九表を丸暗記する。丸暗記した子は百マス計算はできる。
しかし,「たし算九九」はできない。
たし算では,「たす数を分解して十をつくる」ことが大切になる。
専門用語で「十の合成,分解」という。これができて,はじめて「たし算」ができる。
ところが,「百マス計算」は,このような原理を教えないのである。ストップウォッチで競争させるだけだ。
だから,教室では「たし算のできない子」がそっぽを向くようになる。
これを,毎日毎日させられるのだ。
教師に反抗する子が出てくるのである。
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- 明治図書