LD&ADHD 2005年7月号
通常の学級が変わる! 変革へ向けてのヒントを探る

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LD&ADHD 2005年7月号通常の学級が変わる! 変革へ向けてのヒントを探る

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2005年6月20日
対象:
小・中
仕様:
B5判 68頁
状態:
絶版
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目次

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特集 通常の学級が変わる!*変革へ向けてのヒントを探る
特集について
松村 茂治
提言
ユニバーサルデザインによる学校教育の革新
河村 久
事例
通常の学級
個の特性に応じた支援を学級集団へ
日花 滋子
具体的で現実的な支援方法でこそ
萬 司
通級指導教室
ホットケーキパーティーにようこそ!
佐藤 慎二
複数の課題を持つ子どもへの対応
福山 奈緒美
在籍校における状態の改善に向けて
成岡 弘文
巡回相談
校内体制の活性化をめざす巡回相談
能登 佐菊
中学校における個別の支援表の活用
橋本 正巳
校内支援体制
みんなで支える特別支援教育
白浜 弘康
校内支援体制の構築に向けて
井上 信臣
Essay
「NHK福祉ビデオ」の制作
井沢 信司
子どものページ
「切り絵」を楽しむ
親の会ニュース (第14回)
NPO法人「チューリップ元気の会」/NPO法人えじそんくらぶの会「静岡Wish」
山岡 修
医療との連携 (第14回)
ADHDの脳科学A
加藤 元一郎
〜ADHDの脳機能画像の異常について〜
実践の小箱/臨床学校現場から (第13回)
特別支援教育に関わる教師の姿勢で大切なことは……
高畑 英樹
情報最前線/行政や海外の動向は (第14回)
中教審が中間報告を取りまとめ
柘植 雅義
発達に沿った支援教育
保育園・幼稚園/多動傾向のあるAちゃんの育ちや気持ちに添った支援
吉岡 利栄子永井 玲子山根 司津子青木 規子佐々木 千幸
小学校/本人に寄り添った支援をめざして
高畑 和子
中学校/自己理解、自己肯定感のために
渡辺 圭太郎
義務教育以降/移行期の支援について
山内 俊久
一度は手にしたい本
『LD・ADHDへのソーシャルスキルトレーニング』/『アスペルガー症候群とパニックへの対処法』
佐藤 容子
編集後記
松村 茂治

特集について

通常の学級が変わる!―変革へ向けてのヒントを探る

東京学芸大学教授/松村茂治


特殊教育が大きく変わろうとしている。

「21世紀の特殊教育」「今後の特別支援教育」「教育支援体制の整備のためのガイドライン」と矢継ぎ早に,文部科学省から新しい考え方が提出され,教育現場は好むと好まざるとに関わらず,大きなうねりの中にその身を投げ込まれようとしている。

子どもの自立と社会参加を求める動きは,特殊教育を特別支援教育に名称変更するだけでなく,支援の対象を今までの特殊教育の対象になりにくかった子ども達にまで広げ,彼らの通う通常の学級の一人一人のニーズに合った支援を求めるようになってきた。

特別支援教育は,通常の学級での教育を大きく変えようとしている。

最近の全国調査によれば,知的発達に著しい遅れはないものの,学習面や行動面で著しい困難を示す子どもの割合が,通常の学級に通っている子どもの6.3%であったという。この数値は学級担任の教師の報告によるものであり,そのすべてがLDやADHDということではないが,どこのクラスにも特別な教育的な支援を求めている子どもがいるということであり,特殊教育の変革は通常の学級での教育の変革でもあるのだ。

通常の学級の変革は,学校全体の改革を求めている。

2000年に出された文部省(当時)の委嘱研究「学級経営の充実に関する調査研究」では,「学級がうまく機能しない状況」(俗に言う『学級崩壊』)について分析を行い,学級経営が困難になる要因の一つとして,学級に「特別な教育的配慮や支援を必要とする子どもがいる」場合を指摘している。また「今後の不登校への対応の在り方について」(文科省2004年)では,不登校対策を考えるにあたって,LDやADHDの問題を視野に入れるべき,との見解を表明している。教育現場では早くから,学級の荒れのきっかけとなった子ども達,そして不登校の子ども達のなかに軽度発達障害のある子どもがいることには気がついていた。そこに今,確実に光が当たり始めたのである。

通常の学級には何が求められているのか,担任には何ができるのか,校内での,そして校外からのどのような支援体制が考えられるのか,すでに始まっている取り組みの中に,これからの通常の学級の変革に向けたヒントをさがしてみよう。

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