- 特集 「家族への支援」を考える
- 特集について
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- 提言
- さりげない自然な支援を
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- 事例
- 家族は「子どもとともに在り続ける」という重さを受け止めて
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- 支援が支援として機能するために―学校づくり・アセスメント・面談の試み―
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- 国語が苦手なテツ君とお母さんのこと―「お母さん、お茶でも飲みにきませんか」のメッセージを通して―
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- 子どもの問題解決に親との信頼と協調
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- 一緒に悩むことで母親を精神的に支える
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- 長所を伸ばし、自尊心を育て、卒業後も末長くかかわる
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- 多職種ミーティングによる家族支援
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- 学校がすること、学校外だからできること
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- 事例についての解説とコメント
- 「家族への支援」―支援の様々な形と方法
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- Essay
- 目を凝らし耳を澄まして接してみたら
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- 子どものページ
- 「大きなりんご」
- 親の会ニュース (第19回)
- 親の会の役割とは(1)
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- 医療との連携 (第19回)
- 情報共有を通した教育と医療の連携③
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- ~逆転の発想:連携における第3のタイプ~教育から医療への情報提供~~
- 実践の小箱/臨床学校現場から (第18回)
- 通常学級における支援の工夫~どの子にもわかる授業づくりをめざして~
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- 情報最前線/行政や海外の動向は (第19回)
- 国立特殊教育総合研究所のプロジェクト研究から
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- ~特殊学級の「弾力的な運用」とは?~
- 最近のアメリカLD事情 (第3回)
- アメリカのスクールカウンセラー・学校心理士は障害のある子どもをどう支援するか
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- 教室で使えるやさしい行動分析 (第3回)
- 問題行動を減らす・修正する方法
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- 巡回相談員から先生へ (第3回)
- 巡回相談員の目にうつる「学校の風景、先生の姿」
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- 発達障害の子がいる学級経営のコツ (第3回)
- 特別な支援は,全ての子どもの学びやすさに
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- 一度は手にしたい本
- 『アスペルガー症候群[高機能自閉症]のおともだち』/『目で見る脳とこころ』
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- 編集後記
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特集について
「家族への支援」を考える
明治学院大学教授/緒方明子
特別支援教育を考えるとき,先ず子どもへの支援,そしてその子どもを担任する教師への支援と保護者との連携や保護者への支援へと支援が進んでいくことが多い。確かに,先ず気になる子どもへの対応を考えることから始めることになるのであるが,しかし,子どもへの支援だけでは問題が解決しないこともある。例えば,家庭での居場所が無かったり,保護者の問題に心を痛めていたりする。また,子どもの問題を受け止めることができずに,適切ではない働きかけを子どもにしている保護者もいる。
このような状態にある子どもと家族に対して何ができるのであろうか。何をしなければならないのであろうか。
学校から家族に対して支援することは確かに難しい。プライバシーの問題もある。家族への支援が果たして学校の果たすべき役割かどうかと言う問題もあるであろう。
しかし,家族の問題を背景にもつ子どもたちに対して,その問題に気づいているならば,直接的な支援をする事が難しい場合であっても,他の機関につなげるような役割を果たすことは学校の大切な役割であろう。
本号では,家族の問題にもアプローチして,子どもの問題を解決することを様々な形で試みた例を紹介したい。それぞれの学校で,それぞれの子どもや家族に対してできることには多様な形がある。長い時間をかけてわずかなことしかできないこともある。しかし,気づいていても何もできずに在学期間を終えてしまうよりは,何らかのアプローチを試みることは意味があることではないだろうか。何らかのアプローチを試みようとするときに役立つアイディアを提供したいと思っている。同じ方法でなくても,それぞれの状況に合わせて一歩を踏み出してほしいと願っている。
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