- 特集 学校教育法の改正でLD・ADHDの指導はどう変わるか
- 特集について
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- 提言
- 魅力的な「通級による指導」の実現を目指して
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- 学校教育法等の改正について
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- 「わかる授業」が果たす役割
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- 軽度発達障害と不登校
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- 特別支援教育は学力向上に関与している!?―生徒指導主事を対象にした調査結果の一部から―
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- 注目のRTI,アメリカはどう成功させるか―アメリカのLD・ADHD教育事情―
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- 座談会
- これからの通級を考える
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- 【特別寄稿】たくさんの人との出会い―真樹のこれまでの歩み・これからの歩みへ―
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- すべての子どもを輝かせる特別支援教育
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- 子どものページ
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- 親の会ニュース (第21回)
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- 医療との連携 (第21回)
- 上手な連携を(1)
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- 〜医療機関とはどんなところ?〜
- 実践の小箱/臨床学校現場から (第20回)
- 通常学級の担任としてできることは
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- 情報最前線/行政や海外の動向は (第21回)
- 国立特別支援教育総合研究所の取組
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- 〜LD,ADHD,高機能自閉症への対応に向けて〜
- 特別な教育的ニーズとインクルージョン (第1回)
- 誰も仲間はずれにしない教育
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- 教室で使えるやさしい行動分析2 (第1回)
- 目標は,正の強化による行動のマネージメント
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- 巡回相談員から先生へ (第5回)
- 特別支援教育のコツ?!
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- 発達障害の子がいる学級経営のコツ (第5回)
- いろいろな歩み方,それぞれの育ちを見つめて〜できることから一歩一歩〜
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- 一度は手にしたい本
- 『妻を帽子とまちがえた男』/『学習能力の障害―心理神経学的診断と治療教育―』
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- 編集後記
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特集について
学校教育法の改正でLD・ADHDの指導はどう変わるか
独立行政法人国立特殊教育総合研究所総括研究員/笹森洋樹
「学校教育法等の一部を改正する法律」(平成18年法律第80号)が平成18年6月に公布され,平成19年4月から施行されます。盲・聾・養護学校が障害種別を超えた特別支援学校に一本化されるとともに,小・中学校においてはLD,ADHDを含む障害のある子どもに対して適切な支援を行うこと等が規定されました。第75条には,小学校,中学校,高等学校,中等教育学校及び幼稚園においては,障害のある子ども及び教育上特別の支援を必要とする子どもに対し,障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとするという一項が新たに加えられました。つまり,すべての教育機関において,教育上特別の支援を必要とする子どもがいる場合には,特別支援教育が行われることになるわけです。
「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」(平成18年4月1日より施行)では,LD,ADHDが新たに通級の対象として加えられました。保護者をはじめとして関係者の長年の願いであったLD,ADHDのための教育が制度として初めて認められたということです。対象が拡がり,子どもの指導だけでなく,保護者への支援や在籍学級の先生との連携等,通級による指導には様々なニーズに応じた柔軟な対応が求められてきます。
平成17年12月の中央教育審議会における「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」には,現行制度では特殊学級と通級による指導の二本立てで行っている小・中学校における障害のある子どもの指導等について,学校の裁量で行うことのできる特別支援教室(仮称)の具現化に向けて,特殊学級,通級による指導の弾力的な運用の見直しが示されています。LD,ADHDも対象に加わった新しい通級の在り方は,今後の特別支援教室(仮称)の在り方にもつながっていくものと思われます。
さて,法改正されてもすぐに特別支援教育の体制が整うわけではありません。必要性は感じても,具体的にどのように取り組んでいけばよいか模索している段階の学校がまだ多いように思います。そこで本号では,平成19年度からの特別支援教育のスタートにあたり,学校教育法の改正を踏まえて,これからのLD,ADHDの指導はどのように変わっていくことが期待されるのか,特集を組むことにしました。
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