- 特集 先進校に学ぶ校内支援体制づくり
- 特集について
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- 提言
- 生徒の学びと育ちの共有を中軸に
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- 事例
- 東京都あきる野市立前田小学校の取り組み
- 支援体制が整うまで
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- 〈解説とコメント〉担任が求める校内委員会と役立つ指導計画を求めて
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- 茨城県守谷市立松前台小学校の取り組み
- 全職員参加型の校内支援体制作り
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- 〈解説とコメント〉8年間の蓄積から学ぶ
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- 北九州市立二島小学校の取り組み
- 役割分担による校内支援の工夫
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- 〈解説とコメント〉特別支援教育の根幹は、教科学習への支援
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- 新潟県上越市立飯小学校の取り組み
- 全職員で取り組む特別支援教育
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- 〈解説とコメント〉「スマイル教室」:特別支援学級の弾力的運用の一つのモデル
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- 栃木県上河内町立上河内中学校の取り組み
- 居心地の良い学校を目指して
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- 〈解説とコメント〉中学校での課題とコーディネーターの在り方
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- 埼玉県狭山市立西中学校の取り組み
- 必要性から生まれた支援体制
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- 〈解説とコメント〉「特別の支援を必要とする生徒を受け入れる」ための条件整備
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- 岡山市立京山中学校の取り組み
- 一人ひとりを大切にするための特別支援教育を目指して
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- 〈解説とコメント〉中学校での取り組みを実りあるものに!
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- Essay
- まず授業の基本を!
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- 子どものページ
- 「夢与白雲遊(ゆめにはくうんとあそぶ)」
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- 親の会ニュース (第22回)
- 特定非営利法人EDGE
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- 医療との連携 (第22回)
- 上手な連携を(2)
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- 〜医療機関との連携の必要な場合〜
- 実践の小箱/臨床学校現場から (第21回)
- 見極めとハードル〜繰り下がりの学習に思うこと〜
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- 情報最前線/行政や海外の動向は (第22回)
- LD・ADHDの「通級による指導」について
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- 特別な教育的ニーズとインクルージョン (第2回)
- 誰も仲間はずれにしない教育(2)
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- 教室で使えるやさしい行動分析2 (第2回)
- 先行子による行動のマネージメント
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- 巡回相談員から先生へ (第6回)
- 巡回相談員はこう活用しよう!
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- 発達障害の子がいる学級経営のコツ (第6回)
- 個別指導から集団の中へ
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- 一度は手にしたい本
- 『自閉症の才能開発―自閉症と天才をつなぐ環―』/『特別支援教育―子どもの未来を拓く―』
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- 編集後記
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特集について
先進校に学ぶ校内支援体制づくり
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所総括研究員/廣瀬由美子
文部科学省からプレス発表があった「平成18年度幼稚園,小学校,中学校,高等学校等におけるLD・ADHD・高機能自閉症等のある幼児児童生徒への教育支援体制整備の実施状況調査結果について」(平成19年3月2日)では,校内委員会の設置率が小学校で96.3%,中学校では94.7%という結果が出ています。この数字を調査当時の平成15年度と比較すると,小学校は約35%,中学校でも約44%伸びたことになります。同様に,特別支援教育コーディネーターの指名率の比較では,小・中学校ともに約70%以上の伸び率を示しています。
また,平成18年度は,幼稚園や高等学校も実態調査を行っていますが,幼稚園や高等学校の校内委員会の設置率や特別支援教育コーディネーターの指名率は,平成15年度の小・中学校の実態を彷彿させるような数値でありました。このように,平成15年度から開始された特別支援教育を推進するための国の事業や,都道府県教育委員会などの様々な取り組みによって,小・中学校における特別支援教育の推進体制状況は,ほぼできあがってきたと理解しても間違いないと思います。
そして現在,学校や特別支援教育コーディネーターに指名された教師から聞こえてくる声は,「校内委員会はできたけれど具体的な活動は何をすればよいのか」「先進校の活動を参考にしているが自分の学校では上手くいかない」といったもので,児童生徒のためになる学校の実態に即した具体的な支援活動に関する情報を得たいといった現場の声です。
そこで,今回の特集は,特別支援教育における先進校の校内支援体制や活動について,@校内支援体制の組織の変容とその背景,A校内委員会の活動の変容とその背景,B教職員の意識の変容やその背景,C特別支援教育コーディネーターの活動の変容やその背景,D校内支援体制や校内委員会の課題をどう活かして成果につなげたかなどの視点で振り返ってもらうことにしました。数校の経過事例をもとにしながら,「先進校に学ぶ校内支援体制づくり」というテーマを銘打って,学校全体で取り組む校内支援体制や活動の在り方を再考していくことにしました。
この特集によって,読者の皆様には,先進校であっても紆余曲折があったことを知っていただき,それをどう成果に変えてきたのかなどの情報を得ることで,幼稚園や高等学校においても,校内支援体制や校内委員会の活動をより機能的にするための貴重な情報が得られることを願っています。
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- 明治図書