LD&ADHD 2009年1月号
特別支援教育で授業力をみがく!―通常学級で無理なくできること―

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LD&ADHD 2009年1月号特別支援教育で授業力をみがく!―通常学級で無理なくできること―

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2008年12月22日
対象:
小・中
仕様:
B5判 68頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 特別支援教育で授業力をみがく!―通常学級で無理なくできること―
特集について
拓植 雅義
提言
特別支援教育が授業を変える
上野 一彦
事例
学級経営や集団づくりの工夫:「豊かな学びの基礎づくり」「学級崩壊は起こさせない」
授業をコントロールし,子どもの学びをコントロールする
冨永 由紀子
「静寂の時間」の投入
松久 真実
学級集団の中で成長する子どもたち
楠原 薫
どの教科や指導にも使える工夫:「ちょっとした工夫」「何気ないサポート」
高いハードルをより低くするために!
三村 まゆみ
通常学級でできる,何気ないサポート!!
小暮 洋子
教科指導の工夫:国語の場合
国語「書写」の研究実践を,特別支援教育の視点から捉えて
小川 培江
読み書きが苦手な児童への支援
中山 靖子
だれでも,すぐできる中学1年生の国語科授業支援
植村 邦子
学習意欲や自尊心への配慮:「わかる授業」「楽しい授業」
「わかる楽しさ,できる喜び」をみんなに
村上 里美
自尊感情を損なわないための取組
大庭 譲治
すべての子に適切な支援をめざして
堀 雅代
一斉授業を行う際の配慮事項
月森 久江
個別評価の工夫:指導の成果と課題の明確化
児童の個別評価リストの作成と活用
園田 貴章
子どもから学ぶ特別支援
河野 良枝
障害特性やつまずきへの対応:個別事例
不登校の背景にある「困り感」に寄りそって
村瀬 浩子
担任のちょっとした気付きから始まる支援
山下 公司
できることから,はじめよう
亀谷 奈津子
Essay
都立青鳥特別支援学校梅ヶ丘分教室からの発信
大南 英明
子どものページ
「壁沿い」
伊丹 宏太郎
親の会ニュース (第28回)
全国LD親の会で発達障害児向けの教材・教具データベースを作成し,Web上で公開
山岡 修
医療との連携 (第28回)
真の連携を目指して(4)
藤岡 宏
〜医療との連携〜子どもと家族を中心とした連携を〜〜
実践の小箱/臨床学校現場から (第27回)
興味・関心とやる気を引き出すコーピングモデル・マスコット
浦野 裕司
情報最前線/行政や海外の動向は (第28回)
幼・小・中学校学習指導要領等解説における特別支援教育に関する記述について
樋口 一宗
特別な教育的ニーズとインクルージョン (第8回)
障害者の権利条約における教育関連条項とインクルージョン
河合 康
子ども・親・教師を取り巻く精神衛生 (第4回)
発達障害児をもつ家族のこころ
若子 理恵
アメリカのIEP事情 (第4回)
支援の手立て
バーンズ亀山 静子
「学習につまずきのある子」を引きつける教科指導のコツ (第4回)
みんなが楽しく・完成・達成・紙版画
阿部 利彦原田 友毛子
一度は手にしたい本
『特別支援教育の展開―インクルージョン(共生)を目指す長い旅路―』(山口 薫著)/『障害をもつ子が育つということ―10家族の体験―』(野辺明子・加部一彦・横尾京子・藤井和子編)
緒方 明子
編集後記
柘植 雅義

特集について

特別支援教育で授業力をみがく!―通常学級で無理なくできること―

兵庫教育大学大学院教授/柘植 雅義


6.3%といわれる学習面や行動面で気になる子どもたちは,通常学級にいる。子どもによっては,通級指導教室を活用したり,外部の専門家による巡回相談を受けたりする場合もあるが,いずれにしろ,彼らの学びと生活のステージは通常学級である。

したがって,通級指導教室での指導・支援や,巡回相談員からの指導・支援と同様に,あるいはそれ以上に,通常学級での指導・支援をどのように進めるかがポイントである。つまり,日頃の授業をそのような気になる子どものために,あるいは,そのような気になる子どもがいる学級のために,どのようにより良いものにしていくかである。このような考えから,すでに全国各地の学校で,通常学級における様々な工夫が始まっている。

本誌でも,2002年の創刊以来,通常学級に関する特集が既に3回組まれた。「いま通常の学級で,何ができるのか―わかって! わたしたちのこと―」(2002年7月号),「通常の学級が変わる!―変革へ向けてのヒントを探る―」(2005年7月号),そして,「通常学級の担任ができるアセスメント」(2006年4月号)である。これらの号で紹介した取り組みからも,この6年間で,通常学級における指導・支援の関心やそれを求める声が確実に増加し,それに相俟って具体的な指導方法や支援方法の蓄積が図られたことが分かる。

特にここ数年の間では,(a)授業の構成や,指示の出し方や説明の仕方,ほめ方・しかり方,机間支援,板書,教室環境の整備,といったどの教科における指導でも共通して求められる事項(授業のフレームとも言うべき事項)の工夫が進み,それらの整理も進んだ,また,(b)障害特性やつまずきの背景(原因)から適切な指導を工夫する取り組みも進み,教育センターなどが近年刊行する指導用の冊子は,おおかたこのスタイルになってきた。さらに,(c)学習指導案や授業研究会の工夫など,特別支援教育の視点からの授業改善への取り組みや,(d)授業力を高める校内研修会の工夫,も始まっている。(e)特別支援教育の視点による,学級崩壊からの改善や予防的な取り組みも見られるようになってきた。

このように,ここ数年で,特別支援教育の視点を踏まえた,通常学級での指導・支援の取り組みが着実に進んだ感がある。

そこで本号は,そのような近年になって着実に蓄積が見られ始めた,通常学級での指導・支援に注目し,全国各地の最新の取り組みを紹介しながら,特別支援教育の視点から通常学級で無理なくできる指導・支援について考えることにした。

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      明治図書

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