- 特集 子どもの将来を考えよう―成年後見制度と意思決定支援―
- 特集について
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- 解説 成年後見制度と福祉制度
- 福祉サービスの利用と成年後見制度
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- 提言 子どもの将来に願うこと
- 障害者本人の幸福を支える福祉専門職に期待
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- 基礎知識
- 1 Q&Aで学ぶ! 発達障害のある子の保護者のための「お金の管理」
- お金の管理は「使う」ことを意識することから
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- 2 Q&Aで学ぶ! 成年後見制度
- 発達障害のあるかたの権利や財産を守る成年後見制度や日常生活自立支援事業
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- 将来への願い
- 1 「親なきあと」に備え特別支援教育・学校教育に望むこと
- 大人になって幸せになるために―成人期へ向けた準備―
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- 2 子どもの時から準備しておくべきこと~本人に対して・家族として~
- 自閉症の娘を育てて
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- 事例
- 1 保護者「成年後見制度」の利用を考えた時
- 「成年後見制度」に対する親の期待と迷い
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- 2 保護者「成年後見制度」の利用を考えた時
- 子どもより早く死ねるか,1日でも長生きするのか,それが問題だ
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- 3 保護者「成年後見制度」の利用を考えた時
- 「にじの会」のアンケートから見えてきたもの
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- 4 高等学校「キャリア教育」将来を見据えた意思決定支援
- 「生きる力」を身につけるために
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- 5 高等学校「キャリア教育」将来を見据えた意思決定支援
- 発達障害のある生徒の就労に関する意思決定支援―就労に関する意思決定に必要な材料―
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- 6 発達障害者支援センター「地域支援体制」
- 地域で支える意思決定
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- Essay
- 「特別」な支援は必要ない
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- ~特別支援教育に思うこと~
- 学べる!楽しい!学びにくい子への学習支援ワーク (第8回)
- 読み書きのワーク
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- 発達障害の子どもに役立つ!ちょこっと支援の教材・教具 (第12回)
- ひらがながなかなか覚えられない子どもへの支援教材
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- はなひらく支援の教育現場 (第6回)
- 知ってほしい,そこがかかわりの一歩だから
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- 【特別寄稿】「発達障害のある方のキャリア支援」について
- 川崎市立高等学校の取り組み・巡回相談員としてできること
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- 親の会・JDDネットニュース (第60回)
- 親の会コーナーの15年
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- 実践の小箱/臨床学校現場から (第55回)
- 人とのかかわり方を育てるために大切にしたいこと
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- Newsな視点 (第16回)
- 改正発達障害者支援法について
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- 保護者の悩みに寄り添う教育相談 (第12回)
- 学校から帰ってくるとゲームばかりしています。ゲームは,1日どれくらいやらせてもよいものでしょうか。
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- 発達障害のある子への認知・行動的アプローチ (第4回)
- 「心の動きの理解」への支援,その4
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- ~多様性に安住せず,違いを認め,相互に理解するための努力:「会話」が成り立つために「わからない」ことを伝え,会話をつづける~
- 一度は手にしたい本
- 『ディスレクシア入門―「読み書きのLD」の子どもたちを支援する―』(加藤 醇子編著)/『はるえ先生とドクターMの苦手攻略大作戦』(金子 晴恵著・宮尾 益知監修)
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- SENS for S.E.N.S (第7回)
- S.E.N.Sになって
- 子どもに寄り添った支援を目指して
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- S.E.N.Sは道しるべ
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- S.E.N.Sイマドキトピックス
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- ~合理的配慮と子どもの意思決定~
- S.E.N.S臨床日誌
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- ~子どもにかかわる福祉制度~
- 特別支援教育士資格認定協会からのお知らせ
- 編集後記
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特集について 子どもの将来を考えよう―成年後見制度と意思決定支援―
信州大学医学部附属病院/両川 晃子
2014年,日本は国連の障害者権利条約に批准し,障害者に関わる制度は変わってきています。障害者差別解消法が施行された2016年4月の翌月には,10年ぶりに発達障害者支援法の改正が参院本会議で可決され,社会的障壁を取り除くこと,就労支援の強化と充実した教育,そこから福祉への切れ目のない支援等がすすめられることになりました。グローバルスタンダード(国際標準),ダイバーシティ(多様性)と誰もが言う時代,支援の考え方を変えていく姿勢が私たちにも求められています。
発達障害者支援法が施行された2005年に小・中学生だった子どもたちは,現在,成人となり,その多くは何らかの形で社会参加しており,本人の意思決定に基づいた生活をすることができる年齢になっているのです。学校教育から就労,そしてその先の将来が現実のものになるとともに,親は高齢となり,親なきあとの「生活自立」「経済的自立」「居宅」「相続」等のことを考え「成年後見制度」の利用を身近なこととして考え始めるようです。今,幼稚園・保育所等,学校に通っている子どもたちは,数年~10年程で成人になりますから,学校や家庭で,本人の生活自立や親なきあとのことを考え,今から準備しておくことは早すぎることではないでしょう。
「成年後見制度」は,財産管理や契約締結等を行うのが困難な判断能力の不十分な障害者を保護し支援する制度で,家庭裁判所が選任した成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が本人の利益を考えながら,本人を代理して契約等の法律行為をすることができる制度です。国連の障害者権利条約では,障害者の法の前における平等や身体の自由及び安全,自立生活と地域社会へのインクルージョンが記されており,日本のこの制度との折り合いが議論されています。本人の最善の利益(生活)は,本人の「意思決定」が尊重された「合理的配慮」のある暮らしであるとの考えが望まれているのです。
LDやADHD,ASD等の発達障害のある子どもたちも,学校教育を終え成人期を迎え,全員ではないにしても,成年後見制度を利用することがあるでしょう。子どもの将来に起こるであろうことを知ることは,子どもの理解と支援の基本ではないでしょうか。
今号では,まず成年後見制度を含む障害者の自立に関わる制度を知り,子どもたちが自らの最善を選択する意思決定支援について,現在,そして近い未来についての見地を学びたいと思います。
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