- 特集 学びとココロに効く個別の指導計画―通常の学級と通級の役割―
- 特集について
- /
- 提言
- 通常の学級と「通級による指導」が連携して作成する個別の指導計画
- /
- 事例
- 通常の学級と通級が連携してつくる個別の指導計画の実際
- (1)幼稚園・保育所/「幼稚園に行きたくない!」の本当の意味は?
- /
- (2)小学校/子どもが主体的な学びを実感できる指導の取り組み
- /・
- (3)小学校/子どもを主体とする支援者間の連携体制
- /・
- (4)中学校/アセスメントを活かした個別の指導計画による通級担当と担任の連携指導
- /・
- Essay
- 一人一人の「子ども理解」の徹底を
- /
- わたしの教室紹介★苦手さのある子も過ごしやすい環境づくり (第1回)
- /
- 発達障害の子どもに役立つ!ちょこっと支援の教材・教具 (第17回)
- /
- 特別支援教育ステップアップ講座 (第1回)
- 個別の指導計画をいかに立てるか
- /
- 〜学習指導要領の改訂をふまえて〜
- 【特別寄稿】場面緘黙と発達障害
- /
- S.E.N.S支部会紹介 (第1回)
- 大阪支部会
- /
- 広島支部会
- /
- 医療との連携 (第63回)
- 字を書く“動き”に焦点をあてた書字支援
- /
- Newsな視点 (第21回)
- 高校通級の今後―どう機能させるか―
- /
- 若手教師のためのクラスマネジメント術 (第1回)
- 学習中に姿勢が崩れる子どもが多く,注意してもなかなかなおらず,学習規律が守れません。
- /
- 「通級指導教室」の教育課程:自立活動の指導づくり (第1回)
- 新学習指導要領における通級による指導の教育課程の基本的な考え方
- /
- 高校の特別支援教育 (第1回)
- 【兵庫県立西宮香高等学校】多様な人と出会い,自分で考える力を育む通級による指導
- /
- 学びにくさのある子への学習支援の取り組み (第1回)
- (今回のテーマ)読み・書きに困難がある子の「読んでわかる」「書いて伝える」を目指して
- /
- 一度は手にしたい本
- 『偉大な記憶力の物語―ある記憶術者の精神の世界』(A.R.ルリヤ著)/『脳が壊れた』(鈴木 大介著)
- /
- SENS for S.E.N.S (第12回)
- S.E.N.Sになって
- (1)学ぶ楽しさを多くの子どもに
- /
- (2)笑顔のために学び続けられる場所
- /
- 特別支援教育士資格認定協会からのお知らせ
- 編集後記
- /
学びとココロに効く個別の指導計画―通常の学級と通級の役割―
兵庫県神戸市立谷上小学校きこえとことばの教室/高畑 英樹
1993(平成5)年に,通常の学級に在籍する児童生徒が,障害に応じた特別の指導を受けることができる「通級による指導」が制度化され,25年たちました。しかし,平成28年度特別支援教育体制整備状況調査を見ると,学校が個別の指導計画の作成が必要だと判断している人数のうち,実際に計画が作成されている人数の割合は,小学校で84.9%,中学校で80.4%でした。
今回の「学習指導要領」の改訂では,「個別の指導計画等の全員作成」とともに,通級の対象となる子どもについて,特別の場における指導の成果が通常の学級においても生かされるよう,連携に努め,指導の充実を図ることの重要性が明記されています。そして,通常の学級において,障害のある児童生徒の指導に当たっては,個々の児童生徒によって,学習活動を行う場合に生じる困難さが異なることに留意し,個々の児童生徒の困難さに応じた指導内容や指導方法を工夫することが,各教科等に示されています。このようなよりきめ細かい子どもの実態の把握とその指導には,通常の学級と通級指導教室との連携は不可欠であろうと言えます。
以前から,上野一彦先生は,通級による指導の場は子どもたちのオアシスにとどまらず,通常の学級にとびたっていけるような力をしっかり身に付ける場になるべきだと今後の在り方を強く指し示しておられました。通級指導教室に通う子どもが安心して通常の学級にとびたつためには,その子どもの様子を細やかに記した「個別の指導計画」が必要になってきます。
筆者自身も通級担当として,「すぐ相談に乗る!すぐ対応する!すぐフォローする!」という担当地域にある通常の学級のセーフティーネットとしての機能を発揮することを心がけています。
そこで,今号は,先の「学習指導要領」の改訂でも示されたより重要となる通級指導教室と通常の学級との連携に欠かせない,活用できる「個別の指導計画」の作成を目指すという目的で特集を組みました。幼・小・中それぞれの現場における,「個別の指導計画」を核とした通級指導教室と通常の学級の連携した実践事例を通じて,これからの学校生活や授業に生きる「個別の指導計画」の在り方について考えてみたいと思います。
-
- 明治図書