- 特集 「伝え合う力」をどう育てるか
- 特集について
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- 概論
- 1 子どもの実態に応じたコミュニケーション支援〜「伝え合う力」を育てるために〜
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- 2 アシスティブ・テクノロジー(AT)を活用したコミュニケーション支援
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- 実践
- 「伝え合う力」を育てる授業づくり
- 1 〈小学校・通常の学級〉多人数学級の中で、どのように「伝え合う力」を育てていくか
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- 2 〈小学校・特別支援学級〉伝える必然性のある授業づくり
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- 3 〈特別支援学校・小学部〉思いを相手に伝える力を伸ばす授業
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- 4 〈特別支援学校・小学部〉意図的に「伝え合う」場面を設定した支援
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- 5 〈中学校・通級指導教室〉「話す」前段階の指導を丁寧に
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- 6 〈中学校・特別支援学級〉伝え合う力を育む日常生活の指導と授業づくりの視点
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- 7 〈特別支援学校・中学部〉社会性の学習を通して
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- 8 〈特別支援学校・中学部〉一致団結! グループユニフォーム作り!
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- 9 〈特別支援学校・高等部〉コミュニケーションする力を育てる
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- ATを活用した授業づくり
- 10 「読み書き」に困難のある子どもへの有効活用例
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- 11 携帯していつでもどこでもコミュニケーション
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- 12 さわやかな自己表現をめざして
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- 楽しく学ぶ簡単手作り教材 (第15回)
- 〈こちょこちょ人形〉さまざまな素材の人形と感触あそび
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- 授業がはずむ「おすすめアイテム」 (第82回)
- 単3電池で使える!多目的ポータブルアンプ
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- 提言
- 子どもがもつ力を最大限に引き出す指導
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- 体を動かす楽しさ、喜びを求めて
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- 〜肥満指導〜
- 授業を面白くする手づくりグッズ
- 福井県の手作り電子教材
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- 簡単! 紙漉きで手作りうちわ
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- 子ども生き生き・学習活動
- 【国語】言葉と仲良くなる
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- 〜楽しく学ぶ〜
- 【算数・数学】操作活動とコンピュータのよさを生かした教材の工夫
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- 【造形】やってみないとわからない美術の楽しさ
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- 【運動】急な雨にも困らない体育の授業
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- 〜いろいろな器具や用具を使った身体活動〜
- 【自立活動】不器用な子どもたちの動きの学習
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- 〜足裏でしっかり踏みしめよう〜
- PICK UP
- 触地図ガイドブックの作成とその状況
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- コーディネーター便り (第27回)
- 特別支援教育のこれから
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- 障害理解教育をどう進めるか (第3回)
- 障害疑似体験を行う際の留意点
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- 筆算は2桁同士の計算のなかで (第3回)
- 4+4で繰り上がりもできる
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- トピックス (第27回)
- 障害者基本法改正を巡る動向について
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- フォトライブ「授業」Part21/新潟大学教育学部附属特別支援学校 (第3回)
- 小学部/遊び学習・日常生活の指導
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- 〜進んで素材や人にかかわろうとする授業〜
- 将来の「働く生活」を実現するキャリア教育 (第3回)
- 「機能する効果的支援」を大切にした中学部「生活単元学習」
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- 情報機器のなるほど活用術 (第27回)
- マウスのなるほど活用術
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- 【特総研】発達障害教育情報センター発! (第3回)
- 「自主学習の支援」のための教材教具
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- 子どもへの支援 手作り教材の活用例 (第3回)
- 形が似ているカタカナの書きわけができない子ども
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- 視覚シンボルでコミュニケーション (第3回)
- 1枚の絵カードから広がる支援
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- 〜保健室の実例から〜
- 【小学部低学年】文字・かずの指導のポイント 発達支援と教材・教具 (第9回)
- 教材の工夫のポイント(1)
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- 発達障害にかかわる医療と教育の連携 (第3回)
- 通級指導教室に通う子どもたちを通した連携
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- 編集後記
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◆特集について
「伝え合う力」をどう育てるか
新学習指導要領では,「言語活動の充実」が1つの重点事項になっており,総則において,「各教科等の指導に当たっては,児童の思考力,判断力,表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え,児童の言語活動を重視すること。」が明記され,各教科において,その取組を促進することが求められています。
さて,特別支援教育では,これまで,コミュニケーションの指導として,言語及び非言語を含め,児童・生徒の障害の実態に応じた指導を各教科や自立活動等で実践してきました。
例えば,自閉症教育においては,自閉症のある幼児・児童・生徒が,相手の意図を受け止め,自分の考えを伝えることができるようにするために,話し言葉だけでなく,絵,記号,文字などを活用できるように指導するとともに,一人一人の実態に応じて,自立活動の「3 人間関係の形成」や「6 コミュニケーション」等の区分に示されている項目などと密接に関連させて,具体的な指導内容を設定した取組が行われています。
また,近年,科学技術の進歩等により,様々なコミュニケーション手段が開発されてきています。言葉でのコミュニケーションが困難な幼児・児童・生徒が,自分の意思を適切に表し,相手に基本的な要求を伝えられるように身振りなどを身に付けたり,話し言葉を補うために機器等を活用したりします。
今回の特集では,「伝え合う力をどう育てるか」をテーマにして,言語活動も含めたコミュニケーション支援及び指導の実際を紹介しました。
さらに,近年の科学技術を活用してのAT「アシスティブ・テクノロジー=障害による物理的な操作上の困難や障害(バリア)を,機器を工夫することによって支援しようという考え方(「教育の情報化に関する手引」より)」の考え方やその実践事例も併せて紹介しています。
障害のある幼児・児童・生徒が,適切なコミュニケーション手段を身に付け,それを選択・活用して,それぞれの自立と社会参加を目指すことは,これからの特別支援教育の充実・促進においても重要な課題であると考えます。
「特別支援教育の実践情報」編集代表/東洋大学教授
宮ア 英憲
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- 明治図書