- 特集 実態把握から指導計画立案まで「自立活動」完ペキ・ガイド
- 特集について
- [提言]新学習指導要領 自立活動の指導の充実に向けて
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- Q&A 自立活動の指導のアレコレ
- Q1 自立活動って何をするのですか?
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- Q2 自立活動の指導は教科書がないのに何を指導するのですか?
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- Q3 自立活動の指導内容「6区分27項目」って何ですか?
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- Q4 専門的な知識や技能がないと自立活動の指導はできませんか?
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- Q5 知的障害のある児童生徒への自立活動の指導のポイントは何ですか?
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- Q6 発達障害のある児童生徒への自立活動の指導のポイントは何ですか?
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- Q7 「6区分27項目」を全て教えるのですか?
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- Q8 教師との協力や専門家との連携をどのように取ればよいですか?
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- Q9 自立活動の指導で「流れ図」とは何ですか?
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- Q10 自立活動の指導はいつすればよいのですか?
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- Q11 自立活動の指導をする際の指導案はどのように書けばよいですか?
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- Q12 自立活動も三つの柱で目標設定して評価するのですか?
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- [実践]「自立活動の指導」の実際
- (1) 特別支援学校 小学部 4年
- 情緒の安定を図り,コミュニケーション手段の獲得を目指す取り組み
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- (2) 特別支援学校 小学部 1年
- 教師と信頼関係を築き,安定した気持ちで学校生活を送ろう
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- (3) 特別支援学校 小学部 1年
- 衝動的な行動が強く,集団活動に入れない児童への指導
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- (4) 小学校 通級指導教室 4年
- 不注意傾向のある児童への指導の実践
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- (5) 小学校 通級指導教室 1年
- 認知特性を踏まえ障害特性をプラスに変換させる取り組み
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- (6) 中学校 通級指導教室 2年
- タブレット端末を使った読み書き障害の困難軽減
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- トピックス (第83回)
- 「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル〜「学校の新しい生活様式」〜」の改訂について 他
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- わたしと特別支援教育 (第29回)
- これからの特別支援教育に期待すること
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- スヌーズレンで素敵な関わり合いの時間を過ごす
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- 授業を面白くする手作りグッズ
- 空間位置関係カード―上下左右の理解−
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- 正方形のペグボードと色ゴムかけ
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- 子ども生き生き学習活動
- 【音楽】家庭でもできる 成長を促す音楽あそび
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- 〜音楽は使い方しだい!〜
- 写真で見る 工夫がキラリ★教室環境づくり・校内環境づくり (第17回)
- 見てわかる,やってほめられる学校生活を目指して
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- はじめて特別支援教育コーディネーターになったら―Q&Aでズバッと解決! (第5回)
- 保護者との関係づくりをどのように進めていけばよいでしょうか?
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- コピーして使える!プリント+ビデオクリップ (第5回)
- 「声のものさし」ポスター
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- 広がれ!自分らしさを引き出す「おもしろ」図工・美術の授業 (第5回)
- 凹版による版画表現・「コラグラフ」
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- 〜プレス機を使った版画に挑戦する〜
- つまずきにあわせたアレンジがわかる!知的障害のある子への指導と教材 (第5回)
- 「形カード」教材と「形はめ板」教材を用いた指導
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- 通常の学級で行う!みんなの自立活動 (第5回)
- 通常の学級における特別支援教育の視点での授業づくり
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- ワーキングメモリの働きと学習支援 (第5回)
- 日常の学習に潜むワーキングメモリの負担を回避する
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- 〜視線の移動をスムーズに〜
- 不器用な子どもに効果抜群の感覚運動あそび&学習支援 (第11回)
- 「くるくるチャイム」の見えない工夫/教材は「感覚のフィードバック」が重要!
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- 特別支援教育最前線―紹介します,わが県のホープ&エース (第17回)
- 青森県
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- 編集後記
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編集後記
近年,「自立活動には教科書がないため,個々の目標に応じて,何をどのように指導すればよいのか,日々手探りをしている」との声をよく聞くようになりました。
特別支援教育を進める上で中核となる指導が,自立活動の指導と言われています。なぜなら個々の障害の特性や偏りから,学習上又は生活上の困難の改善・克服を目指す指導を主に担うからです。
しかしながら,学校現場では,この自立活動の指導の重要性とは裏腹に,先ほどの声にあるように,専門的な知識や技能が十分に身についておらず,悩んでいる教員が多くなっている現状があります。
これらの要因としては,新規採用教員や特別支援教育の経験年数の少ない教員の増加,特別支援学校教諭免許状の取得率が高まらないこと等があります。さらには,児童生徒の実態把握から最も重視したい指導すべき課題の選定,6区分27項目を結びつけた指導目標の設定,そして具体的な指導内容の決定まで,自立活動の指導をするためのプロセスが専門的であることも挙げられます。
このような現状に対応するため,新特別支援学校学習指導要領の自立活動の解説書には,「流れ図」と称して,自立活動の指導の計画をするための手順が詳しく整理してあったり,6区分27項目ごとに,障害種に応じた具体的な指導事例が多数,記載されたりしています。また,改訂された小中学校学習指導要領には,特別な教育課程の編成に係る基本的な考えとして,特別支援学級では自立活動を取り入ることや通級による指導では自立活動の内容を参考にする旨が,それぞれ記載されました。さらには,小中高等学校学習指導要領総則編には,新たに通常の学級に在籍する障害のある児童生徒に対しての支援として,障害種の特性に関する記述に加え,各教科等編において学習の過程で考えられる困難さについて,自立活動の指導内容との整合性を図りながら,具体的な手立てが記されました。
このようなことから,今後は,特別支援学校,特別支援学級,通級指導教室を担当する教員はもちろん,小中高等学校の教員においても,自立活動の意義を正しく理解して,指導,支援できる力が求められていることがわかります。
本特集では,特別支援教育の経験の浅い先生方に向けた自立活動の基本の「キ」から,中堅・ベテランの先生方向けた新学習指導要領における自立活動の改訂のポイントや「流れ図」に即し,指導実践まで,わかりやすく紹介いただきました。
今回の特集を通して,改めて今後の自立活動の指導の在り方を理解していただくとともに,自らの指導実践を見直しながら,自信をもって指導に臨める力を高めていただく機会としていだければ幸いです。
/是枝 喜代治・喜多 好一
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- 明治図書
- どの記事も大切ですが・・・Q&Aと合わせて読むことで、改めて自立活動についておさらいができてありがたいです。事例がコンパクトにまとまっていますので、自分の実際の指導に生かしやすいです。2021/2/18がまくん