- 特集 算数5点の子が次々と満点をとった奇蹟の指導法
- Aちゃんが百点をとった!それは教師の指導法の結果だった
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- 宿題をいっぱい出す教師は問題がある
- 宿題を出さなくても成績は上がるのです
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- 宿題をいっぱい出す教師は「授業が下手」である
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- プリント学習をする教師は子どもを駄目にする
- きゅうくつな学習が算数嫌いを増やす
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- 教師の誤解と安易さがプリントを大量生産する
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- 学力を保障する教師かどうかのチェックポイントと対策
- とてもわかりやすい「向山洋一氏のチェックポイント」を紹介します
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- 二十五のチェックポイントで、担任の実力を診断する
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- 奇蹟のドラマ あの子が満点をとった!
- 写し続けることで力をつけ、百点をとった!
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- うっとりするノートが、T君を変えた
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- 何回もなぞって、何回も写して、満点がとれる力がつく
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- 「できるようになりたい」という願いを叶える
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- 中学校教師・最後の学力回復のドラマ
- 中一の途中から学校を休んでいたT君が、第一志望の高等学校に合格した
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- 中学校からでも、数学ができるようになる
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- 家庭で算数を教えるときのポイント
- 下学年 「算数なんて簡単!算数大好き!」の子どもたちにするために
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- 上学年 教科書の問題がきちんと解けるようにすること
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- 親子で難問に挑戦・お父さん、出番です!
- 解けそうで解けない難問に挑戦!
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- ミニ特集 学校の持ち物・そろえたい物―学習用具/家庭での片付け・工夫―
- 備えあれば憂いなし
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- 筆箱の中身で学力が決まる!
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- 筆箱一つで分かる学習の様子・家庭の教育力
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- 落とし物を減らすちょっとしたアイデア
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- すべて記名したものを すぐ使える状態で 補充はこまめに
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- 学習にふさわしいものを、次にすぐ使える状態で
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- 何はなくとも子ども用百玉そろばん&百玉スキル
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- プリントやテストの保管は「色分けしたファイル」で行い、思い出の保存は「袋ファイル」で行う
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- イラストで見る家庭教育のポイント (第13回)
- ノート
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- 家庭教育のポイント (第13回)
- 学力が向上するノート指導五つの法則
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- 編集前記
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- 私にとってPTA活動とは子どもたちへの応援歌です
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- つぶやきに見る子どもの成長
- 幼児の学習内容は、まだ分かっていない
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- 園長が語る子育ての極意
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- 校長が語る子育ての極意
- あいさつを徹底させよう
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- 子どもの素敵な未来は基礎学力の定着から
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- 礼法専門家から見た子どもたちの立ち居振る舞い
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- 医師 普通の家庭教育の大切さ
- キレル子どもの増加
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- 教師・読者座談会 (第1回)
- 保護者の質問に、向山編集長がこたえる!
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- 小2/靴箱入れは子どもの心を映し出す
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算数5点の子が次々と満点をとった奇蹟の指導法
Aちゃんが百点をとった!それは教師の指導法の結果だった
向山洋一
本誌編集長/日本教育技術学会会長/千葉大学非常勤講師
無料の世界最大の教育情報サイト、インターネットランド主宰
TOSS(会員1万名の教師の研究団体)代表
「算数ができない子」が教室にいます。
足し算、引き算も満足にできない。
かけ算九九もおぼつかない子です。
テストをすると五点、十点です。
低学年の時、五点、十点をとっていた子は、上の学年になるにつれてますますできなくなります。
放課後残して教えても、宿題をどっさり出しても、授業中つきっきり教えても、できるようにならないのです。
「能力がないからしかたがない」と思われてきました。
低学年で算数テストが五点、十点だった子が、高学年になって満点をとるようになったという報告は、日本の教育界に一つもありません。
プリント学習でも駄目。宿題ドッサリでも駄目。百マス計算は、もちろん駄目。(これらの方法は、問題の解決に全く役立ちません。かえって、悪化させるのです。)
低学年で算数テスト五点の子が、高学年で満点をとったら、それは奇蹟の指導法です。
これまで一つの例もないのです。
きちんと証拠を示し、保護者、本人の手紙をつけ加え、どんな指導をしたのかという報告は、一つもないのです。
しかし、奇蹟がおこりました。
全国各地で、次々と満点、あるいはそれに近い点をとる子が出てきたのです。
最初、五人、十人と出た時びっくりしました。奇蹟だからです。
「奇蹟の指導法」を学んだ教師が、後に続きました。
満点をとる子が、何十人、何百人と出てきました。すべての都道府県で奇蹟は生まれました。
今や、何千人となっています。
すべてTOSSという日本一の教育団体に属している教師が作った奇蹟です。
胸がジーンとくる保護者からの感謝の便りが届きます。
笑顔いっぱいの子どもの喜びの声が届きます。
何よりも、教師が「やっと教師らしい仕事ができた」と感動をかみしめています。
算数テスト五点、十点は、子どもの責任ではなかったのです。
もちろん、子どもにも事情はありますが、それは克服できる事情だったのです。
大切なのは「指導方法」と「指導力」だったのです。
すぐれた「指導方法」を求める教師だけが、そして「教師の指導力」をつけるために勉強し修業している教師だけが辿りつける奇蹟だったのです。
この指導法を「向山型算数」と言います。
つまり、私が初めに開発し、その後、多くの熱心な教師の努力で、みがきあげていったものです。
そんなすごい指導法だから何か特別のやり方をするのだろうと思うかもしれません。しかし、逆です。
@やることは、教科書をテンポよくリズムよく指導することです。
Aノート指導をきちんとします。「TOSSノート」にゆったりと書かせます。
B教科書の練習問題まで、すべて授業中にやります。
C『あかねこ計算スキル』を、習熟用に毎時間五分程度やります。
D授業時間は延長しません。チャイムで終了です。
E宿題は出しません。残り勉強もしません。授業中の個別指導もしません。
Fできない子は、黒板の答をうつさせます。うつすことも勉強です。
Gもっとできない子には、教師が赤鉛筆でうすく書いてやり、うつさせます。
H子どもの一人一人をよくほめます。
I一年生の大切な時期には「百玉ソロバン」を使います。極めてすぐれた教具です。アメリカにも百玉ソロバン(教育用)がありますが一台一万一千円です。東京教育技術研究所扱いは一台千五百円以下です。
およそ以上の十項目がポイントです。
鹿児島の小倉郁美先生のレポートを紹介しましょう。
*
Aちゃんが百点をとった
鹿児島 小倉郁美
1 算数が苦手なAちゃん
Aちゃんは算数が苦手である。テストはいつも悪い。
前の学年まで、ずっと、いわゆる「問題解決学習」を受けてきた子だ。
「百マス計算、嫌い」と言っていた。そして、何もかも、自分の頭で考え出さねばならないのだ、と思い込んでいた。
算数は難しい、算数は好きじゃないと、私に言った。
私は、そんなAちゃんに、早速「向山型算数」で指導を始めた。
そして、Aちゃんは変わったのである。
(向山注)問題解決学習は、日本中でされているひどい指導法。一時間に一問しかやらない。問題を黒板に貼り、二十分ほど各自にやらせ、四、五人発表させ教師がまとめる指導法。教科書はほとんど使わずノートもひどい。練習問題を宿題にする。この指導法が算数嫌いをつくり、できない子を大量に発生させている。担任に「授業では教科書をきちんとやってください」と保護者が言うのが大切。教科書を使うことは法律で決められている。
2 褒める
まずは、機会があるごとにうんと褒めた。
姿勢が良い、字がきれい、など、算数の問題と関係ないことでもどんどん褒めた。細かいことでもどんどん褒めた。例えば、「日付とページを書けたら持ってらっしゃい」という指示を出し、それができただけでもうんと褒めたのである。
「早い! 賢い人は準備がいい!」
「字がきれい。とっても良い文字!」
などと、短く、断定的に褒めることを心がけた。
また、問題を解くときに、たとえ間違っていたとしても褒めた。
「おしい。優秀な間違いだね」
「これだけできてれば上等!」
「ノートの出し方がいいなあ」
などのように、笑顔で褒めるように努めた。
それを毎日毎時間、繰り返した。
そのうち、Aちゃんは、「先生、私、算数が好きになってきたみたい」と言うようになる。「私算数好きじゃない」「百マス計算なんか大っきらい」と私に話したAちゃんが、算数の時間に笑うようになったのである。この変化によって、彼女の算数の能力も変わっていく。
3 「うつしてもいいですよ」
向山型算数の定石中の定石である。
「分からない人はうつしなさい。うつすのもお勉強のうちです。一番いけないのは、何も書かないことです」
これを何度も何度も言い続けたのである。
一番最初この言葉をかけたとき、Aちゃんは、ひどく驚いた顔をした。
それもそのはずである。Aちゃんは、今まで「問題解決学習」の授業を受けてきたのである。しかも、人と相談したり、人のものを見てうつそうものなら、ひどく叱られてきたのである。算数ではそれが当たり前なのだと思い込んでいたのだ。
そこに「うつしてもいいですよ」の指示である。
最初は信じられなかったに違いない。顔を上げて、私のほうをびっくりした目で見つめた。しかし、私がもう一度同じ言葉を繰り返した瞬間、嬉しそうに、本当に嬉しそうに、一気に黒板をうつしたのである。
急いで持ってきたノートに、私は大きくまるをつけた。
「よし! 正解!」
Aちゃんは、本当に喜んで「やったあ!」と笑った。
それから後も、一生懸命うつし続ける日々が続く。
そして、そのうち、自分の力で一問、二問と解けるようになっていく。
算数に心を開き、必死でノートに記録を続けたAちゃんに、化学変化が起きたのだ。
4 Aちゃんが一〇〇点をとった!
そんなAちゃんが、一〇〇点をとる。
向山型算数で指導を始めてから半年後のことである。
Aちゃんの言葉である。
「先生、私、信じられない」
本当に喜びながら、そう言ったのだ。そして「小倉先生のおかげで、お勉強ができるようになりました」とはにかみながら言ってくれたのである。
お母さんからお手紙をいただいた。
「先生、去年までは、本当に考えられないことです。今年、こんなに落ち着いた気持ちでお勉強に向かい、そしてこんな点数をとれるようになったのは、先生のおかげです。本当にありがとうございました」
私は、Aちゃんやお母さんの去年までの苦しみを思って、胸が痛かった。
感謝された喜びよりも、そちらの方が大きかった。
だからこそ、余計に、Aちゃんの笑顔が、本当に嬉しかった。
TOSSの指導法を行えば、必ず、子どもの笑顔に出会うことができる。
これからも、謙虚に修業を続け、もっとたくさんの子どもの笑顔を引き出せる腕を身につけたいと心から思った。
*
教育は、すぐには結果がでません。
しかし、正しい方法でやれば、三カ月、半年で必ず手ごたえを感じます。
教科書をきちんと教えてくださるよう、担任の先生に申し出ることが大切です。
教科書に書いてあることは、すべて学校でやるべきことなのです。
また、保護者の方が「読み、書き、算」に関しては、小学校のうちに注意深く見ていた方がいいと思います。
時には、「教科書を家で教える」ことも必要となりましょう。
なお家庭用に向山洋一著として『お父さんが子どもに教える算数』(1・2・3学年、4・5・6学年)が主婦の友社から出版されています。
更に『書き込み式お父さんが子どもに教える算数ワーク』も、同社から出版されています。
別途、私が設計した家庭用算数教材全十三巻(『学力向上のTOSS算数ワーク』)が、明治図書から発刊されました。
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- 明治図書