- 特集 親子で学ぶ百人一首、名言・ことわざカルタ
- 「百人一首」「名文・格言カルタ」は、一生涯子どもたちの宝になります
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- ルールを守るからこそ楽しいのです
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- 五色百人一首をすれば教師の統率力が倍増する
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- すべては一枚をとれた喜びから始まる
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- 名言・格言カルタは夢の実現・成功哲学を教える
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- 家庭で教える名言カルタ
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- 大会のたびに感動のドラマが生まれる
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- 念ずれば通ず 五色百人一首公民館講座
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- やんちゃ君が燃えた 五色百人一首
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- 学級づくりに欠かせない 五色百人一首
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- TOSSランドをつかっての学習
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- 微細を拡大することで分かりやすくする「ものさし・分度器」の学習
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- 必ず一緒にやってあげてください。
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- 家庭でできる英語学習・調べ学習
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- テレビ
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- 家庭教育のポイント (第21回)
- テレビ・ゲームの視聴時間のマイナスは時間数の2乗に比例する(向山の仮説)
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- 掃除も料理もきらいでへたの子が多い。けんかだって同じこと。「好きこそものの上手なれ」だ。
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- 校長が語る子育ての極意
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- 子ども達は楽しい勉強を待っています
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- 木村学級の保護者の方と家庭教育をメインテーマに座談会を開きました。
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- ピタゴラスの表といわれた九九表
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親子で学ぶ百人一首、名言・ことわざカルタ
「百人一首」「名文・格言カルタ」は、一生涯子どもたちの宝になります
向山洋一
本誌編集長/日本教育技術学会会長/千葉大学非常勤講師
無料の世界最大の教育情報サイト、インターネットランド主宰
TOSS(会員1万名の教師の研究団体)代表
私は、教師になった時から、教室で百人一首を教えてきました。
国語の時間、道徳の時間などにやってきたのです。子ども達は、どのクラスでも熱中しました。
一年生でも、六年生でも、ほとんどの子が百人一首を半分以上暗唱するようになっていました。
百枚全部を覚えた子は、クラスの三分の一は越えたと思います。
卒業生が、向山学級のことで、最も感謝するのが、百人一首をやったことでした。
多くの中学校、高校では、百人一首をやることがあり、どの子もクラスでトップ近い成績を収めたからです。
ある女の子は、卒業と同時に川崎市に引っ越しました。
百人一首大会があり、クラスで優勝、学年でも一位となり、二年生、三年生の優勝者と対戦して勝ち抜き、学校一位になりました。更に、川崎市の大会に出て、そこでも優勝してしまったのです。
その子は、向山学級では中位の強さの子だったのです。
小学生から百人一首をやると、それほど強くなります。
百人一首を覚えると「古文」にも強くなりますし、「日本文化」にも関心をもつようになりますし、「ことば」にも敏感になります。
いいことばかりです。
ただ「百人一首」は、百枚全部を使って試合をすると時間がかかります。
そこで、私たちは、百人一首を五つの色に分けてするようになりました。
かつて、日本かるた協会では四つに分けていた時がありますが、私たちは五色を選びました。
こうすると一つの色(例えばピンク札)は、二十枚です。
二十枚の札を試合する二人の前に並べると、一人の前には十枚の札です。
とても分かりやすい試合となります。
試合時間も、二、三分ですむようになり、「すき間時間」で、できます。
この五色百人一首は、全国各地に広がっていきました。
現在では、ほとんどの県で県大会を開いています。
会場も一流の場所です。
東京は、明治神宮、湯島天神、上野寛永寺でやってきました。神奈川は建長寺、京都は高台寺、東福寺、大阪は住吉神社、福岡は太宰府天満宮などです。
各県の大会の名誉会長には、羽田元総理、森山真弓元法務大臣、厚田元文科省副大臣など三十名近くの大臣、副大臣になっていただいています。
大きな県大会は、選手の子どもは百五十名ほど参加します。それに、父母、祖父母が倍以上参加しますので、全体で五百人以上の大会になります。
大会は、感動的です。
子ども達が、凛としているのです。
礼儀正しいのです。
優勝する子は一人ですから、ほとんどの子は「負け」を経験します。
泣いている子もいます。
子どもが試合に負けて泣いている姿は美しいものです。
終わりの会で、私が「練習して、また来年参加をしたい人は」と聞くと、全員がサッと手をあげるのです。
これらの活動は、すべて教師のボランティアでやっています。
子ども達にわたす「参加賞」「賞状」を作る費用は、夏休みに、先生方が一軒一軒の商店をまわって寄附をお願いします。
教師は、そんな活動をしたことはありません。
子どものためと思い、汗をかきながら一軒一軒まわります。
ところが、ほどんどの店でことわられます。ケンもホロロのお店もあります。
頭を下げ、次のお店へ向います。
十軒に一軒くらい、協力して下さるところがあります。
頭を深々とさげ、千円をいただきます。
毎日毎日このような活動をして、十万円ほどを集めるのです。
これが、参加賞、賞状になります。
最近では、五色百人一首大会の会場にも寄附の箱を置いて、参加した保護者に寄附をお願いしています。
大会が終った後、寄附をいただいたお店に出かけて、お礼をいいます。
報道された新聞記事、大会の写真などを届けます。
お店の方は、大層喜んでくれ、「来年もまたいらっしゃい」と言ってくれるのです。
何千名という教師が、このような活動をして、五色百人一首大会を準備します。
教師が使う交通費、食事代はもちろん自己負担です。
教師の全くのボランティアで、五色百人一首大会を開いてきました。
最近大阪では、「伝統文化」を広げるための「文科省の予算」をいただいて、活動する所も出てきました。
一年間で五十万円近くいただけるのです。
毎月、「五色百人一首の会」や「名文・格言カルタの会」や「成功体験教室」を開いています。
たくさんの子ども達が参加しています。
運営は、教師とお母さん方がしています。
このような会が、全国で作られたら、とってもすばらしいことだと思います。
意欲のあるお母さん方が何人か集まれば、TOSSの教師と一緒にやっていけると思うのです。
子どもを育てる「地域から」の「伝統文化」の会が生れると思います。
私たちは「五色百人一首」に続いて、「名文・格言カルタ」を作りました。
暗唱しておいてほしい名文、人生のその時々に生き方を示してくれる格言などをカルタにしたのです。
この「名文・格言カルタ」を教室に持ち込んだところ、大人気でした。
子どもたちが、名文・格言を口にする姿はどこかまぶしく、保護者の方からも力強い支持をいただいています。
「五色百人一首」や「名文・格言カルタ」を教室でやってくれればいいのですが、そうもいきません。
TOSSの教師は全国で一万人以上いて、日本一大きな教師の研究団体ですが、それでも、すべての学校にはいないのです。
つい先日、読売新聞の教師力セミナーが東京の国際会議場で開かれました。
参加した千名の方々の前で、私たちは九十分間、二十コマに及ぶ授業をしました。
その中に、百人一首も、二分で跳び箱がとべた授業もありました。
十月四日付の読売新聞には、私たちTOSSの授業が一ページ全面で報じられました。
インターネットでも「読売新聞サイト」は、この日の私たちの授業を流していました。反響は大きかったです。
「TOSSの先生に習いたい」という保護者の声が、いっぱい届きました。
でも、残念ながら、私たちの力は、まだまだなのです。
「百人一首」「名文・格言カルタ」なども、ぜひご家庭でやってみて下さい。
(あるいは、何人かが集まりTOSSの先生に連絡して下さい。応援します。
インターネットで「インターネットランド」又は「TOSS」を入力すると、私たちのサイトに出ます。
その中から全国のTOSSサークルに入って各サイトに連絡して下さい。)
考えてみれば、私は母親から百人一首を教わりました。
小学校一年のときです。
「たった一枚」だけを覚えて、喜んで百人一首をやっていました。
今なら「インターネットランド(TOSS商標)」の「五色百人一首ゲーム」で対戦するかもしれません。
全国からアクセスがあります。
最後に、どうして五色百人一首を教師がやるのか、本当の理由を書きます。
担任したクラスは「崩壊したクラスだった」ということは最近よくあります。
子ども達は、好き勝手なのです。
クラスの中にルールがありません。
先生の言うことも聞きません。
ところが「五色百人一首」は、ほとんどの子が熱中するのです。
ゲームですから、ルールが必要です。
「ズル」をしたら、ゲームになりません。面白くありません。
「ズル」をする子や「さわぐ」子には、クラス中の子が批難します。
「静かにしろよ」と、子ども達みんなが言うのです。
クラスの中にポツンと一つだけ「ルール」が確立されます。
先生が読んでいるので、「先生の声」が聞こえてなくては「試合」になりません。
かくして、荒れたクラスの中に「ルール」が確立し、「先生の声」が通るようになるのです。
こうして、クラスを建て直した教師がいっぱいいるのです。
(「五色百人一首」「名文・格言カルタ」は、東京教育技術研究所で扱っています。インターネットランド・トップページのTOSS教材から入って下さい。)
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