- 特集 子どもがやる気を起こす“8つの場面”
- やる気をなくすひどい教室は保護者が救おう。やる気が起こる8つの場面は家庭でも可能!
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- やる気を起こす“8つの場面”
- @見通しをもてるとやる気になる
- 努力と成長の関係をグラフで視覚的に示す。
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- 「努力のつぼ」を信じて頑張り続ける子に
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- Aやり方がわかるとやる気になる
- 覚え方がわかると漢字の練習もやる気が出る。
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- やり方を教え、ほめ、できるまで待つ
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- B問題が選択できるとやる気になる
- 子供が熱中する「難問プリント」
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- 自分にあったコースを選べるから安心してできる。
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- C評定されるとやる気になる
- 評定で激変する「一分間スピーチ」
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- 個別評定は、支援を要する子どもにも効果的な指導法です。
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- D挑戦する時やる気になる
- 逆上がりができるヒミツ特訓に挑戦
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- なわとびの二重とびに挑戦!
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- E面白いとやる気になる
- シンプル、勝敗がはっきりする、復活できる
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- 面白さに夢中!周りの人を巻き込むエネルギー
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- Fみんなとやるとやる気になる
- 子ども達は、「友達と一緒にがんばりたい」のです。
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- 無気力なA男が熱中した!暗唱指導
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- Gほめられるとやる気になる
- ほめられサイクルを作ろう
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- 子どもがやる気を出すほめ方の原則
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- 日本の昔からの教え
- 努力の継続こそ子どもの成長を進める基である
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- 状況に合わせ、教えの意味を話す
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- 子どもがやる気を出した時
- まちがったものだけをやりなおす向山型漢字指導
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- 苦手だと思っていたことができた時、やる気がぐっと伸びる
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- お手伝いをさせてほめる。何かに熱中させる。
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- 子どもがやる気をなくす―絶対やってはならないこと
- 「人格否定」「他人との比較」でやる気をなくす
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- 子どもがやる気をなくす七原則―向山式「やる気を起こさせる七原則」の裏返し―
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- やる気を出した子はどう成長したか
- たかが○×。されど○×。
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- できる自分を知った時、子どもはぐんと伸びる
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- 小学校から中学・高校へ
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- ミニ特集 親子のコミュニケーションスキル
- 朝、起きた時→朝食の時
- 「おはよう」と挨拶みんなで朝ごはん
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- 一人息子の甘えを受け入れる
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- 躾を行い、スキンシップをとる貴重な時間
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- 夕、帰宅した時→夕食前まで
- 子どもの心を受け止める
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- 子どもと一緒に遊ぶ中で、日常では経験できない運動をさせる。
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- お手伝いこそ一家のコミュニケーションの源泉
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- 夜、夕食→寝る前まで
- お風呂が一緒。寝入りも一緒。〜「安心」し、「安定」する〜
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- 最高環境は最適環境ではない
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- 夕食、お風呂、ねる時三つの場面で、コミュニケーションを図る
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- 今月の名言・格言・ことわざ (第7回)
- 石の上にも三年
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- 向山編集長が語る「今月の名言・格言・ことわざ」 (第7回)
- 石の上にも三年
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- 編集前記
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- 「TOSS子ども地域教室」を全国津々浦々へ
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- 幼児/息子をいとおしく感じるとき
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- TOSS学生奮戦記
- 軽度発達障害児の保護者の心境を学ぶ
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- お母さん同士のつきあいがつらい
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- おやつは自分で選びます!「脂質」は十グラム以下
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- 担任が変わった際の伝達事項は?/すぐキレる子の対応は?
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- 現在でも通用する子育てのバイブル―貝原益軒『和俗童子訓』
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- 幼児期のキャリア教育
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- 青少年団体活動の効用とは
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- 相手と目を合わせること
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- 子どもTOSSデーは楽しかった。是非、またやって欲しい。
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- 計算チャレラン(その1・2)
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- 親子でたいそう
- さかさって楽しい!!
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- 親子で漢字文化ワーク (第19回)
- 神谷先生・辻野先生の漢字文化教室
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子どもがやる気を起こす“8つの場面”
やる気をなくすひどい教室は保護者が救おう。やる気が起こる8つの場面は家庭でも可能!
向山洋一
本誌編集長/日本教育技術学会会長/千葉大学非常勤講師
無料の世界最大の教育情報サイト、インターネットランド主宰
TOSS(会員1万名の教師の研究団体)代表
「勉強をしなさい」は、世の母親の口グセだが、いくら「勉強しなさい」と言っても、勉強することはない。
あまり口うるさく言われると「やっているふり」をすることがあるが、心は別のことを考えている。
だから、「子育て」で大切なのは「やる気」なのである。
「好きなこと」なら「やる気」になると思いがちだが、「すぐに、いやになる」ことも多いのである。
「やる気」を「育てる」ことこそ、教育の基本なのだ。
すぐれた教師の教室は「やる気」に満ちている。
未熟な教師の教室は「ダラー」とした空気に包まれ、「投げやり」「やらない」状態が慢性化している。
一般的には、小さい子ほど、やる気に満ちている。
「一年生」は何をやっても意欲的だ。
授業が知性的で、子どもがよくほめられている教室なら、やる気は、どんどん伸びていく。
しかし、低学年、中学年で「力ない教師」に教わると「投げやり」な態度が、身についてしまう。
まずは、「やる気」をなくしてしまう教室、反抗的になってしまう教室のことを理解しておくことが大切だ。
力ない教師の教室では「シャープペン」が使われている(教室では、濃い目の鉛筆を使わせるのが、プロ教師の常識だ)。
力ない教師の教室では、「授業中やるべき教科書の問題」が、宿題に出される。「宿題では学力はつかない」というのが、アメリカの研究の結論だ。
力ない教師の教室では、「ノートの書き方」が指導されてない。従って、算数のノートがグチャグチャになっている。
力ない教師の教室では「授業時間が休み時間に延長」される。しかも「授業の開始が遅れがち」である。
力ない教師の教室の「絵」は、ちぢこまってチマチマしている。ダイナミックな感動の絵がない。
力ない教師の教室では「教師は叱ってばかり」いる。
力ない教師の教室では「教師の説明」がダラダラと長い。プロの話し方は、シンプルで「やること」「要点」がよく分かる。
力ない教師の教室では「黒板にゴタゴタもの」が貼ってあり「教室の前面に、やたら目標など」が貼ってある。どれも、目がチラチラして、学習のじゃまだ。小児神経科の医師は、こういう教室では、軽度発達障害の子は、落ちつきを失うと警告している。
力ない教師の教室では、子どもがほめられない。力ある教師なら、たくさんのほめる言葉を、子どもに与えている。
こうした力ない教師の教室で、低学年から育つと「反抗挑戦性障害」という傾向を示す子が出てくる。
何をしても、反抗するのだ。
相当力量のある教師でも、こうした子を五年生で担当すると、困難だ。
学級を維持しているだけでも、立派だと思うほどである。
反抗挑戦性障害の子ども達は、学校が作ったものだ。一人や二人の少ない教師ではこうはならない。
学校の中の、かなりの教師が力がないからこそこうなる。校長、教頭も、指導できなかったのである。
さて、こういう学校では、荒れた事件が生れる。四年生になると手がつけられなくなる。
五年生を誰が担任するか大問題だ。
駄目な学校では、「誰一人として五年生担任を希望しない」のである。
校長が、持ちかけても、断固として拒絶する。組合として団交する学校もある。
みんな、荒れた学年を逃げまわるのだ。
その結果、荒れた学年は、新任教師、新卒教師にまわされる。
学校ぐるみで「育てあげた」荒れた学年を新任、新卒に押しつけるのだ。
こんな学校が、ゴロゴロある。
新任の教師は、わけが分からないまま、荒れた学年を担任する。
当然、学級崩壊になる。いや、すでに、どうしようもないほど、学級崩壊しているのである。
こんな学年は、どんな力のある教師が担任しても、荒れるのだ。
ひどい校長は、それを新しい担任の責任にして、せめるのである。
かくして、新任の教師は、病気になっていく。
新卒教師は、もっと大変だ。
あっという間に地獄になる。
三日で、どうしようもなくなる。
心を病む。入院する。
それのみか、自殺することもある。
毎年のように、新卒教師が自殺しているのだ。
一人一人の教師の力量が上がらなければ駄目なのである。
なによりも「授業の力」をつけなければならない。
私たちは、TOSS授業技量検定を実施している。何千人もの教師が受検して、みるみるうちに力量を上げている。
全国各地で、テレビ放映もされた。
TOSS授業技量検定を仮に十段階だとする。
最上位が十点で、最下位が一点である。
私の実感でいうと、TOSS授業技量検定の最下位の一点に入るのが、日本の教師の九割である。
更に、残りの一割のほとんどが、二点の中に入る。
本誌読者で、「ふざけんな!」と思う方はぜひ「TOSS授業技量検定」を受検していただきたい。毎回、何百人もの教師の前で、公開されて実施されている。
審査には、必ず代案を示し、実演して示してくれる。口先だけの審査員はいない。
教室が荒れてしまったら、クラスの保護者で協力して、解決するために、力をそそぐことだ。
荒れる原因は「授業が下手」ということにつきる。これが、九割だ。
もう一つは、軽度発達障害の子(子どもの一割近くいる)に対して、戦後のデタラメ指導をしているからである。
荒れたクラスで育った子は、「学習する力」を身につけることなく、もちろん「学力」も低いままで、中学に入ることになる。
回復には、相当の困難がつきまとう。
早くから、親も手をうつべきなのだ。
良い授業とは、親が聞いていても楽しいものだ。
頭を使い、ホウーと思うものなのである。
子どもたちも熱中しており、笑い声があがる。
一時間の中で何十回も先生は、ほめ言葉を発するのである。
先生は、いつも笑顔だ、ことばも、短くシンプルだ。だから分かりやすい。
こうした授業の力は、修業をしなければ身につかない。
寿司職人は、何年の修業が必要だろうか。 サッカー、野球のコーチをするには、自分自身も何年もの修業が必要だったはずだ。
毎週一回の研究会に出て、真剣な三年間の修業が一応の目やすだろう。
(中学の時、週に一回のテニスクラブの練習をして三年間で、どのくらいの力がつくだろうか。地区大会入賞も無理だろう)
TOSSの一万人の教師は、みんなそうした修業をしている。毎月何万円もの車代、交通費をつかって勉強している。
プロなら、どの道でも同じことである。
教師が、あまりにも勉強不足だったのだ。
さて、子どもの「やる気」である。
普通の教室で、習っていることを前提にする。おだやかなクラスは、それだけで幸せなことなのだ。
私の経験でいえば、子どもがやる気を起こす場面は八つある。
すべて、私の三十二年間の教師の経験から導き出したことである。
八つの場面、それぞれにいくつものドラマがある。
八つの場面は、他の教室でも生まれることだ。
このような場面に出会うと、子どもはやる気をおこすということが分かっていれば、教師は、それをしくんでいける。
計画的に意図的に作り出すことができる。
やる気を出した子どもの成長は著しい。
グーンと成長していくのだ。
これは、家庭でも同じである。
「叱ってばかりいる」「説教ばかりしている」ことは、実は「やる気をなくしている」のだ。
ここに示した八つの場面を家庭でとり入れることによって、我が子の成長は加速されていくことになる。
◆特報
@ 読売新聞とTOSSがタイアップの「食育コンクール」がすすめられている。
「和食の授業」、「料理部門 日本人の食生活の知恵」の二部門である。くわしくは読売新聞で発表される。
A TOSSの教育を我が子にもという保護者の熱い要望にこたえ「TOSS学生家庭教師システム」が進行中である。まずは「信州大、熊本大、岡山大のTOSS学生で始まり、近く全国二十大学に広がる予定。
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