- はじめに
- 第1章 STF 〜視線(S)と立ち位置(T)を意識すれば,授業は変わる〜
- 1 Can you see me?
- 2 格闘家?アイドル?あなたの視線は?
- 3 視線を外すあえて見ない
- 4 視線を遠くに線で子どもを見る
- 5 タイガージェットシンからの学び
- 6 教師のオーラを届けます
- 7 近づきすぎるのも良くない場合がある
- 8 机間巡指のすすめ
- 9 机間巡指の3つのポイント
- 第2章 STF2 〜教室をプラスの雰囲気(F)にすることで子どもたちの意欲は高くなる〜
- 1 まず「教師が居心地のいい」教室をつくる
- 2 明るい教室をつくる方法
- 3 笑顔の教室をつくる方法
- 4 「割れ窓理論」から学ぶ
- 5 放課後そうじのすすめ
- 6 教室空間をプロデュース。
- 7 掲示物をプロデュース。
- 8 教室にモノを持ち込む 季節限定モノ
- 9 教室にモノを持ち込む 年間を通じて置いておくモノ
- 10 ホワイトボードのいいところ
- 11 ホワイトボードで答える
- 第3章 ど真ん中 〜音読指導は,授業づくりのど真ん中です。〜
- 1 同じ発問をしているのに,どうして違うのですか
- 2 どのように回数をこなさせるのか?
- 3 「Repeat after me 音読」からの「かわりばんこ読み」
- 4 早読みの時,意識すること
- 5 ラストは,楽しく表現読み
- 6 お家でも読んでくる子に育てるために
- 7 音読は,授業づくりのど真ん中だ!
- 8 教材文をB4用紙1枚にまとめる(国語)
- 9 一斉音読をなめるなよ
- 10 キーワードを際立たせる(カミングス〜ン音読)
- 11 繰り返し音読で定義を定着(音読カード)
- 第4章 パートナー 〜授業は,子どもたちと仲良くなるための時間です。〜
- 1 授業で,子どもたちと仲良くなる
- 2 先にほめるか後でほめるか
- 3 興味のあることはやる子に対する指導
- 4 「聞こえませ〜ん」を言う子に対して
- 5 発表の声が小さい子への指導
- 6 優しいウソ
- 7 全員ができない(できる)経験をさせる
- 8 スルーしない スルーする
- 9 教科書はしまわない
- 10 ボケることで,基礎基本を身につける
- 11 書くことによって,知識を定着させる
- 12 解くことによって,知識を定着させる
- 13 どうして,あの子の気持ちがわからないの?
- 第5章 王道 〜子どもとつながる指導,子どもを鍛える指導〜
- 1 二つの指導
- 2 友だちとつながる話し方 基本編
- 3 友だちとつながる話し方 ちょっとおふざけ編
- 4 楽しさを共有する授業〜つながる指導〜
- 5 汝,悔い改めよ 漢字の力を伸ばす一番の方法
- 6 5分間集中漢字
- 7 友だちの名前漢字テスト
- 8 漢字ゆるやか先取り学習
- 9 3学期は漢字総復習 6年生バージョン
- 10 リバウンドさせない
- 第6章 場外乱闘 〜たわせん学級参観記〜
- ◆3月7日たわせん学級参観記
- 1.温かいまなざし
- 2.人として語る
- 3.個とつながる
- 4.子どもに動きがある
- 5.楽しくて力がつく(楽しいから力がつく?)
- 6.「大造じいさんとガン」
- おわりに
はじめに
自分で無意識にやっていることを,もっと意識しなければならない。
イチロー
実は,授業づくりにおいても同じことが言えます。
イチローのように,無意識にやっていることがプラスに働いていればいいのですが,多くの場合,無意識にやっていることがマイナスに働きます。
例えば,教師の視線です。
発問をしている時,あなたはどこを見ていますか?
人には,それぞれ見やすい方向やくせがあります。視線について無意識でいると,教室の中に完全に死角になっているゾーンをつくってしまいます。そこに座っている子どもは,ほとんど教師と目線を合わせることなく1日を過ごすわけです。
このような状態で,すべての子どもたちとつながれるはずがありません。
例えば,教師の立ち位置です。
あなたは,授業中どこに立っていますか?
いつもいつも黒板の前にいませんか?
教師が,ちょっと立ち位置を意識するだけで,子どもたちの授業に対する意識が変わってきます。
例えば,社会の時間の本読みです。
とりあえず16日だから出席番号16番の子に読ませるというようなことをしていませんか?
何となく惰性で読ませていると,授業自体がドヨ〜ンとしたものになってきます。
だからこそ,意識しないといけないのです。
大切なことは,意外と見えていないものです。
例えば,尊敬する先生の授業を見たり,本を読んだりして,次のようなことを思ったことはありませんか?
「同じ発問をしても,自分のクラスとは,子どもたちの反応が違う。」
「なんで,あの先生のクラスの子どもたちは,あんなに力がついているのだろう?」
表面的なことや文章で読み取ったことをマネしただけではうまくいかないことがあるものです。
それは,形だけにとらわれて目に見えていることだけに意識が生き,授業づくりにおいて,大事なところ・要所を押さえられていないからです。
そうなんです。
授業づくりには,押さえどころ……つまり,ツボがあるのです。
無意識でいると見えない経絡秘孔があるということです。
このように,教師が無意識におこなっている行為の中に,授業づくりにおいて,実は大切なことが隠れています。だから,その無意識におこなっている行為を意識することができれば,あなたの授業は変わっていくはずです。
本書では,このような見えそうで見えない授業づくりのツボをお教えします。いいツボを押して,あなたの授業をパワーアップさせましょう。
それでは,最後までお楽しみください。
ではでは……。
/俵原 正仁
この本もとても簡単に読めるが、内容はかなり濃いものもある。
ぜひ若い先生に手に取って頂きたい。
著者の取り組みは常にユーモアであふれている。
子ども達は自ずと心を開き、自分の力を精一杯発揮するようになる。
それは、単に情緒を揺さぶる著者の言動があるということだけでなく、
過去の教育の偉人達を深く研究した著者の、膨大な実践による裏付けがあるからだろう。
子どもとの関わり方に悩む、若い先生にこそ読んでいただきたい。
生き生きする子どもの姿が見える本である。
コメント一覧へ