- まえがき
- 準備編
- 学級通信作成のヒント
- 学級通信作成の道のり
- 1 学級経営の柱にしよう!
- 2 形式を整えて読まれる通信にしよう!
- 3 感動できる通信にしよう!
- 4 双方向性をもたせよう!
- 実践編
- 4月の学級通信
- 実例1 安心と夢いっぱいの教室に(3年生)
- 実例2 「亀の湯」も未来を見据え(3年生)
- 実例3 未来の力の根をはろう(1年生)
- 実例4 飛躍の一年であれ(2年生)
- 実例5 最高の学級を目指して(3年生)
- 実例6 笑顔いっぱいの1組に(1年生)
- 実例7 本気で目指そう 本当の自由(3年生)
- 実例8 選手の躍動 拍手に感動(3年生)
- 実例9 挑戦・協力・尊重する1組に(1年生)
- 実例10 はがき新聞で意欲を表現(1年生)
- 実例11 11か月後 最高の「はい!」を(3年生)
- 実例12 10日で感じる 37人のすごさ(3年生)
- 実例13 青春7割 学習も3割(3年生)
- 5月の学級通信
- 実例14 この1枚 宝物になれ!(3年生)
- 実例15 夢と憧れで華やかに(3年生)
- 実例16 進むは自治の道(1年生)
- 実例17 おいしく楽しい団らんの時(1年生)
- 実例18 熊石の中学生代表として(3年生)
- 実例19 3年目の桜(3年生)
- 実例20 逆境をバネに最高の運動会(3年生)
- 実例21 今しかいない仲間と共に(3年生)
- 実例22 走力を補う協力(1年生)
- 実例23 深まる絆 最高の3日間(3年生)
- 実例24 あのハイタッチのように(3年生)
- 実例25 皆で作った学級目標…ついに完成!(3年生)
- 実例26 自分の限界へ挑戦(1年生)
- 6月の学級通信
- 実例27 笑顔で満足の体育大会に(1年生)
- 実例28 学級力向上プロジェクト始動(1年生)
- 実例29 全力だからこその悔しさ(1年生)
- 実例30 1組の良さが光った体育大会(1年生)
- 実例31 綱引きの歓喜と充実感(2年生)
- 実例32 結果でブレない この笑顔!(3年生)
- 実例33 9分49秒の感動体験(3年生)
- 実例34 誘惑に勝ち 机に向かおう(1年生)
- 実例35 朝の8分 真剣に(3年生)
- 実例36 はじめてのテストへ挑戦(1年生)
- 実例37 よし!受験生の顔だ!(3年生)
- 実例38 手に表れる 意志と個性(3年生)
- 実例39 立場を超えて一つに(2年生)
- 7月の学級通信
- 実例40 すべては この時のために(3年生)
- 実例41 笑顔も涙も すべて宝物(3年生)
- 実例42 深まる議論 まとまる結論(1年生)
- 実例43 下がることに意味がある(1年生)
- 実例44 全校生徒を変えた1組(1年生)
- 実例45 目指せ聴き上手!〜笑顔で特訓〜(1年生)
- 実例46 夏の最優先事項は?(3年生)
- 実例47 笑顔あふれた 1学期(3年生)
- 実例48 1学期の最後まで成長(1年生)
- 8月の学級通信
- 実例49 夢のためなら耐えられる(3年生)
- 実例50 挑戦の2学期(1年生)
- 実例51 100日後の決断に向けて(3年生)
- 実例52 受験生の夏を振り返る〜親子編〜(3年生)
- 実例53 より安心できる関係を目指して(2年生)
- 9月の学級通信
- 実例54 楽しみ学ぼう(3年生)
- 実例55 道徳「二通の手紙」(3年生)
- 実例56 楽しみ学んだ4日間(3年生)
- 実例57 函館の良さ 再発見(1年生)
- 実例58 正しく自由を(3年生)
- 実例59 夢をふくらませ 夢をつなげる(3年生)
- 実例60 最後の合唱コンクールを最高に(3年生)
- 実例61 思いを行動に 思いを歌に(3年生)
- 実例62 変わる空気 動き出す6組(3年生)
- 実例63 思わずほほえみ 深まる絆(3年生)
- 実例64 5分間にすべての思いを(3年生)
- 実例65 合唱で目覚める 36人の英雄(3年生)
- 実例66 最高の満足感を目指して(3年生)
- 10月の学級通信
- 実例67 最高の学級へ(3年生)
- 実例68 大満足の「熊石のあまちゃん」(3年生)
- 実例69 結果は銀 努力は金 一体感はグランプリ(3年生)
- 実例70 美原祭の「グランプリ」は6組だ!(3年生)
- 実例71 金賞以上に輝く姿(1年生)
- 実例72 夢への挑戦 本格始動(3年生)
- 実例73 学ぶ背中で語る先輩に(3年生)
- 実例74 半年間の自進(2年生)
- 実例75 進路のために早いスタートを(2年生)
- 実例76 命と向き合う(3年生)
- 実例77 自由を得るため 受験に挑戦(3年生)
- 実例78 悩みを軽減 友の力(3年生)
- 実例79 この表情を大切に(3年生)
- 11月の学級通信
- 実例80 成功!全国への挑戦(3年生)
- 実例81 黒板アートで全国とコミュニケーション(3年生)
- 実例82 君は一人じゃない(3年生)
- 実例83 その先にある喜びのため(2年生)
- 実例84 心に響く言葉と経験(2年生)
- 実例85 外での活躍(2年生)
- 実例86 あきらめない 残り一秒まで(3年生)
- 実例87 この集中力を常に(2年生)
- 実例88 2255分を無駄にしない(2年生)
- 実例89 全力疾走できる道を(3年生)
- 実例90 決意を固め 意欲を高め(3年生)
- 実例91 親の心を知る子に(3年生)
- 実例92 12月の課題は毎日の生活(2年生)
- 12月の学級通信
- 実例93 2を死守!(2年生)
- 実例94 1年後に後悔しないために(2年生)
- 実例95 100日後の卒業に向け(3年生)
- 実例96 専門家も驚く高度な議論(3年生)
- 実例97 動物の声が聞けたら(3年生)
- 実例98 息を止めるほど集中して(3年生)
- 実例99 受験のための冬休み(3年生)
- 実例100 団結して高め合った2学期(3年生)
- 実例101 さらに一歩「最高の学級」へ(3年生)
- 1月の学級通信
- 実例102 2017年 6組が英雄になる時(3年生)
- 実例103 挑戦への土台をつくる2か月に(2年生)
- 実例104 スタートダッシュ 成功!(2年生)
- 実例105 冬休みを振り返る(2年生)
- 実例106 時間を味方につけて勝て!(3年生)
- 実例107 受験の英雄になれ!(3年生)
- 実例108 学びこそ本当の自由(3年生)
- 実例109 今ここに生きる意味(3年生)
- 実例110 厳しい壁を乗り越えよう(3年生)
- 2月の学級通信
- 実例111 特効薬より地道な取り組み(2年生)
- 実例112 最低30 目指すは50(2年生)
- 実例113 2か月後の仲間と競う(3年生)
- 実例114 楽しい行事を終えて…次は(3年生)
- 実例115 合格の先を見据えて(3年生)
- 実例116 夢の実現へ一歩ずつ(3年生)
- 実例117 未来への挑戦(3年生)
- 実例118 皆がクラスの主人公(3年生)
- 実例119 受験が皆を英雄に(3年生)
- 実例120 ふれ合い 笑い合い 助け合い(3年生)
- 実例121 学級掲示も集大成(3年生)
- 実例122 残り5秒まで手を止めない(2年生)
- 実例123 一人だけど一人じゃない(3年生)
- 3月の学級通信
- 実例124 合格への挑戦!(3年生)
- 実例125 母校への想いを熱く(3年生)
- 実例126 できる(3年生)
- 実例127 満足できる人生のために(3年生)
- 実例128 最高の3月13日を目指して(3年生)
- 実例129 3年間の歩み(3年生)
- 実例130 みんなGU みんなAU(3年生)
- 実例131 感謝のリレー バトンは1枚の紙(3年生)
- 実例132 受け継ぐバトン(2年生)
- 実例133 達成! 「自進」(2年生)
- 実例134 最高の学級(3年生)
- 実例135 素敵な笑顔 最高の10人(3年生)
- 実例136 6組で良かった(3年生)
- 実例137 最高の笑顔をありがとう(3年生)
- あとがき
まえがき
かつて,私はある生徒のクリアファイルがプリントで膨らんでいるのを見つけたことがありました。プリントを整理するように指導すると,その中に学級通信がありました。数週間前に発行したものです。見つけた時は,悲しく,悔しい気持ちになりました。それと同時に「生徒が大切にしたくなる通信や,保護者が読みたくなる通信を書けないものか」と考えるようになりました。それが,学級通信に工夫を図ろうとしたきっかけです。
現在,私にとって学級通信は教師としての最大の武器であり,学級経営を行う上で不可欠のツールになりました。通信に力を入れるようになってから,生徒の反応が変わりました。真剣に,時には目を輝かせて通信を読んでくれます。また,発行を心待ちにしてくださる保護者もいます。卒業式の際に,保護者の代表の方から次のような言葉をいただいたことがあります。
「『亀の湯』最高でした。毎週月曜日に発行される学級通信をとても楽しみにしておりました。もう読めなくなると思うと残念でなりません。学校での子どもたちの様子がよくわかり,先生が子どもたちに寄り添い,見守って下さっていると伝わって来ました。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。」
卒業式でこのような言葉をもらえることは,感無量です。教師をしていて良かったと,心から思えました。学級通信が,保護者や生徒と心を通わせるための大切なものになりました。
私の学級通信は,斬新なアイディアや特別な工夫にあふれているわけではありません。他の先生方の通信から技を学び,自分なりの工夫を付け加えているだけです。私の通信の持ち味は,自分なりに工夫を徹底していることと,事前に発行方針と発行計画を立て,必要に応じて修正を図りながら,1年間を通じて工夫を継続していることにあります。
本書で紹介する実例は,八雲町立熊石第二中学校の学級通信「ジャンプ」(2013年度)と「喜怒哀楽」(2014年度),函館市立亀田中学校で発行した学級通信「亀の湯」(2015年度・2016年度),「根っこ」(2017年度)です。熊石第二中学校は全校生徒が30名に満たない小規模校であり,亀田中学校は全校生徒が700名近くにのぼる大規模校です。実例を見ると,学校の規模の大小に関わらず,学級通信の工夫は可能であると実感できると思います。
また,過去に発行した通信の中から選りすぐった結果,3年生の実例が多くなりました。しかし,3年生の例であっても,すべての学年や小学校にも共通する工夫を含んでいます。
学級経営に自信がもてない先生こそ,学級通信に力を入れましょう。すぐに,生徒と保護者の反応が変わります。そして,工夫を続けると,生徒は自己有用感を高め,学級への所属感と愛着を深めます。また,保護者は学級のことを力強く応援してくれるようになります。本書を手にした先生方に,学級通信の魅力と意義が伝われば幸いです。
2018年2月 /川端 裕介
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