- シリーズ 監修のことば
- 1章 特別支援学級の学級経営のポイント
- 2章 必ず成功する!新学期の準備と最初の1週間
- 1 新学期の準備
- 担任する子どもの引き継ぎと実態把握
- 始業式前日までの担任実務チェックリスト
- 作成する書類
- 教室環境の整備
- 2 はじめが肝心・最初の1週間の過ごし方
- 1日目─始業式の指導
- 2日目─出会いの演出
- 3日目─生活の流れづくり
- 4日目─交流学級での指導
- 5日目─学習指導と保護者連携
- 3章 必ず成功する!〈特別支援学級〉12か月の学級経営
- 【4月】
- 概説
- 学級事務──TT,介助員等の連携/児童・生徒の引き継ぎ
- 子ども理解と仲間づくり──朝の会,帰りの会の仕方/係活動,当番活動の仕方
- 環境づくり──学級園の準備/教室内の飼育
- 健康と安全──日々の健康状況の把握/安全指導の年間計画の作成
- 学習指導──授業づくりの基本/教材教具の準備
- 交流及び共同学習──委員会・クラブ活動への参加/給食交流
- 評価──指導要録の作成/学級経営案の作成
- 保護者・関係機関との連携──基本的な保護者連携の仕方/学級だよりの作成
- 【5月】
- 概説
- 学級事務──実態調査の報告/就学奨励費の確認
- 子ども理解と仲間づくり──学級集団づくり/誕生日会の持ち方
- 環境づくり──春の掲示/春の草花・野菜の栽培
- 健康と安全──交通安全指導/学校でのけがの防止
- 学習指導──学習指導案の書き方/国語の指導
- 交流及び共同学習──交流及び共同学習の計画/特別支援学級の紹介
- 評価──個別の指導計画の作成/通知表の検討
- 保護者・関係機関との連携──保護者会の運営/関係諸機関との連携
- 【6月】
- 概説
- 学級事務──教科用図書の選定
- 子ども理解と仲間づくり──宿泊学習に向けた集団行動/遊びの指導
- 環境づくり──梅雨時の掲示/図工等の作品の掲示
- 健康と安全──雨天時の過ごし方/水泳学習への準備
- 学習指導──算数・数学の指導/水泳学習
- 交流及び共同学習──運動会への参加/宿泊学習の計画
- 評価──個別の教育支援計画の作成
- 保護者・関係機関との連携──授業参観の持ち方/個人面談
- 【7月】【8月】
- 概説
- 学級事務──会計報告の作成/夏休み関係の事務
- 子ども理解と仲間づくり──夏の生活単元学習を通した仲間づくり/夏休み前の生活指導
- 環境づくり──初夏の掲示/夏休み中の生き物の飼育
- 健康と安全──気温と衣服の調整/夏休み中の健康安全指導
- 学習指導──道徳の指導/生活単元学習の指導
- 交流及び共同学習──交流学級とのふれあい/夏休み地域行事への参加
- 評価──個別の指導計画の見直し/通知表の記入
- 保護者・関係機関との連携──進路相談/夏休み中の課題の設定
- 【9月】
- 概説
- 学級事務──転出入の手続き
- 子ども理解と仲間づくり──夏休み中の生活の把握/基本的な生活習慣の指導
- 環境づくり──夏休みの作品展/秋の虫の飼育
- 健康と安全──「早寝,早起き,朝ご飯」/安全な外遊び/安全学習
- 学習指導──自立活動の指導/宿題の出し方
- 交流及び共同学習──教科による交流及び共同学習/関わりのある授業づくり
- 保護者・関係機関との連携──夏休み明けの保護者連携/引き渡し訓練
- 【10月】
- 概説
- 学級事務──学校公開の準備
- 子ども理解と仲間づくり──秋の生活単元学習を通した仲間づくり
- 環境づくり──秋の掲示/野菜の収穫・調理
- 健康と安全──食生活リズム/不審者対応訓練
- 学習指導──体育の指導/外国語活動(小学校)の指導
- 交流及び共同学習──交流活動が困難な子どもへの指導
- 保護者・関係機関との連携──学校公開
- 【11月】
- 概説
- 学級事務──就学に関わる事務
- 子ども理解と仲間づくり──学習発表会を通した仲間づくり
- 健康と安全──金銭の扱い方
- 学習指導──図画工作・美術の指導/作業学習の指導
- 交流及び共同学習──学習発表会での交流
- 評価──学校評価,特別支援学級の評価
- 保護者・関係機関との連携──学習発表会の参観
- 【12月】
- 概説
- 子ども理解と仲間づくり──冬休みの生活指導
- 環境づくり──年末の掲示
- 健康と安全──冬休みの健康指導/大掃除
- 学習指導──音楽の指導/3学期の指導計画の作成
- 交流及び共同学習──特別支援学級連合行事への参加
- 評価──個別の指導計画の見直し/通知表の記入
- 保護者・関係機関との連携──保護者会の開催
- 【1月】
- 概説
- 学級事務──次年度教育課程の編成
- 子ども理解と仲間づくり──冬の生活単元学習を通した仲間づくり/新年のめあて
- 環境づくり──書き初め展/冬の学級園/新年の掲示
- 健康と安全──規則正しい生活
- 学習指導──文集づくり/持久走の指導
- 交流及び共同学習──休み時間の交流
- 評価──個別の指導計画の作成・活用
- 保護者・関係機関との連携──特別支援学校の見学
- 【2月】
- 概説
- 学級事務──卒業関連事務
- 子ども理解と仲間づくり──お別れ遠足
- 環境づくり──冬の掲示
- 健康と安全──インフルエンザや風邪の予防
- 学習指導──総合的な学習の時間の指導/特別活動の指導
- 交流及び共同学習──交流学習のまとめ
- 保護者・関係機関との連携──個人面談
- 【3月】
- 概説
- 学級事務──次年度引き継ぎ資料の作成/教育課程届け
- 子ども理解と仲間づくり──進級を祝う会
- 環境づくり──卒業生を祝う掲示/春の草花の準備
- 健康と安全──春休みの生活指導/食物アレルギー計画の作成
- 学習指導──次年度指導計画の作成
- 交流及び共同学習──卒業式への参加
- 評価──通知表の記入/個別の指導計画の見直し/指導要録の記入
- 保護者・関係機関との連携──卒業生を送る会/関係諸機関との連携
シリーズ 監修のことば
特別支援教育の対象とされる子どもは,年々増え続けており,平成27年のデータでは約36万人の子どもが学んでいる。特別支援学校約7万人,特別支援学級約20万人,通常の学級で通級による指導を受けている子ども約9万人である(平成27年5月1日現在)。これは,従来の障害種に加え発達障害の可能性のある子どもの教育支援の割合が増加していることにも由来している。また,種々の事情により,学習上の様々な課題を有し支援を要する子どもの数は,相当数に上ると推測されている。
特別支援教育の対象とされる子どもは,様々のところで教育を受けているが,子どもたちが快適な学校生活を送っているとは限らない。特別支援学校・特別支援学級・通級による指導等それぞれの場所で,子どもたちの教育課題に合った適切な教育をしなければ,「特別支援教育を受けてよかった」ということにはならない。特別支援教育を受けてよかったと子どもたちが感ずるのは,素晴らしい教師,配慮された施設・設備,そして友達との豊かな学校生活を送ることができた時である。与えられた条件の中で,学級の子どもたちに,それぞれの居心地をよくして学校生活を豊かにしてあげることが学級経営である。
学級経営の内容を便宜的に整理すると,学級事務,子ども理解と仲間づくり,環境づくり,健康と安全,学習指導(個に応じた指導),教育評価,保護者・関係機関との連携,などに加えて,近年では,交流及び共同学習,キャリア教育・進路指導などに分けられる。これらの内容は,年間を通じて見通しを持ちながら実施していく必要がある。また,学級経営の成否は,子どもとの関わりも持つ新学期当初一週間が鍵となっていることに気付かされる。
そこで,私たちは,特別支援学校・特別支援学級・通級による指導等の担任教師全ての方々が学級経営をするに当たって,すぐに役立つものをと考えて本書の企画・編集をした。企画の段階では,校種の教育の特徴等を生かすことに留意して,特別支援学校編と特別支援学級編を分けて編集することとした。いずれも3章構成で,1章 学級経営のポイント,2章 新学期の準備と最初の一週間,3章 12ヶ月の学級経営 となっている。特別支援学校編は,東京都立鹿本学園総括校長 田村康二朗先生,東京都教育庁指導部主任指導主事 緒方直彦先生に担当いただいた。特別支援学級編は,調布市立飛田給小学校長 山中ともえ先生,新宿区立東戸山小学校長 川崎勝久先生,江東区立有明小学校長 喜多好一先生に担当いただいた。ご協力に深謝する。
執筆に当たっては,全国各地の特別支援教育で実績のある先生方のご協力を得た。執筆された先生方に心からお礼を申し上げる次第である。
平成29年3月 監修者 /宮ア 英憲
コメント一覧へ