- まえがき
- 第1章 ハッピー教育入門
- 1 僕が考えるハッピー教育
- 1.迷い続け,発信する中で見えてきたもの
- 2.教育の根幹は「思いやり」
- 2 こんな子どもを育てたい
- 1.質の高い「調和」ができる子ども
- 2.自分自身,人が好きな子どもに
- 3.可能性を「信」じ,自分を磨き出していくこと
- 4.自分の「世界観」を広げ続ける子ども
- 3 答えは目の前の子どもにある
- 1.幅を広げると軸ができる
- 2.教育に絶対的な正解はない
- 第2章 子どもと向き合う時に大切にしていること
- 1 いろんな目線で捉えてみる
- 1.どのように見ようとするかで変わる
- 2.一面的に物事を捉えすぎたことによる失敗
- 3.声かけを変えたことによる成功
- 2 よしあしの 中を流れて 清水かな
- 1.どのように声をかけるか
- 2.良いことと悪いこと,両面からの声かけ
- 3.問題から学ぶ
- 3 子どもの裏をこじ開ける
- 1.子どもが抱える問題に目を向ける
- 2.知ったことで変わる声かけ
- 3.心を寄せること
- 4 善魔にならない
- 1.伝え方に気をつける
- 2.押しつけすぎない
- 5 人の実践を取り入れる時には
- 1.他者にみる人
- 2.自分にみる人
- 3.今,やってみる
- 6 ゆったり構え たくさん笑える 瑞々しい心
- 1.楽しむことは瑞々しい自分でいること
- 2.瑞々しくあるために
- 7 若い頃は,まずは,目の前のことに懸命に
- 8 豊かな土壌を作る
- 9 簡単に対立しない
- 1.子どもを温め,気付きを与える
- 2.「温める」という指導
- 10 理解より共感
- 1.子どもが抱える個々の問題は見えない
- 2.子どもを深く理解するには共感を
- 第3章 子どもが成長するように
- 1 困らな感を困り感に
- 2 困り感から自立に向けて
- 3 自信を取り戻すために
- 1.小さなステップから
- 2.向かう方法は様々であっていい
- 3.学力よりも大切なこと
- 4.諦めずに試し続けること
- 4 自由奔放に楽しく実践してみる
- 1.臆せず,どんどん取り組む
- 2.1つの方法に固執しない
- 3.楽しんで地域にも広げていく
- 4.子どもの夢を叶える日
- 5.いたずら週間
- 6.子ども授業
- 第4章 子どもと子どもがつながる
- 1 子どもが授業でつながるためのスキル指導
- 1.話し合いのスキルを定着させるために
- 2.ペアトークから始める
- 3.国語の説明文から広げていく
- 2 今と昔は違う
- 3 子どもはルールではなく,ムードに従う
- 4 守破離を意識する
- 5 問題から学べる集団になっていく
- 1.トラブルをチャンスと捉える
- 2.面倒なことの繰り返しの先にあるもの
- 6 競争をしない・させない
- 1.競争のみで終わらせない
- 2.人のために動ける子どもに
- 7 光らない行動を光らせる
- 1.光らない6割の子どもに光を
- 2.人を光らせる子どもに
- 8 子どものよさを共有する
- 第5章 自分を磨き続ける
- 1 磨くという言葉から(両親のおかげで生きている)
- 1.磨けば自ずと花開く
- 2.両親のこと
- 3.私の夢
- 2 人様との出会いのおかげで今がある
- 1.師の存在
- 2.先輩の存在
- 3.仲間の存在
- 3 仲間から見た「ハッピー教育」とは?
- 4 いつも0の位置に立って考える
- 5 熱量を高く,回転しながら生きていく
- 6 続けてこそ本物
- あとがき
まえがき
僕自身は,言葉が豊かではありませんし,知識が豊富でもありません。そんな中,僕が人より秀でているものが,もし,あるのだとしたら,中庸であり続けようとする力です。これは,後で詳しく書いていきますが,教育の方法には絶対はなく,常に,目の前の子どもに答えがあり,その子たちが倖せに,今だけではなく,これから先もいられるようにするために,その時によって形を変えていくものだと思っています。だから,僕自身は,常に,自分がどんなことも吸収できる自分であろうとしているし,そういう姿勢を大切にしています。
僕は大学教授ではありません。あちらの方法が正しいとか,こちらの方法のほうが効果が高いと白黒はっきりさせることより,目の前の子に合わせ,何が必要かを考え,模索し,カスタマイズすることのほうが重要だと思っています。その時に,教師自身があまりに偏った考えをもっていると,いろんなことが受け入れられなくなります。
中庸であること。バランスをとれるようになること。あちらの方法もこちらの方法も組み合わせて使えること。こんなことが大切ではないでしょうか。
この本は僕の考える教師としてのあり方や僕自身が歩んできた教師としての力量形成の道筋を中心に書いていこうと思います。スキルやノウハウは,あまり書いてありませんので,読まれる方はお気をつけください。
この本を読むことで,(以前は意識していたのに忘れていたなあ)(こんなふうに物事や子どもを捉えると,確かにいいなあ)と感じることも多くあると思います。子どもと向き合う時に心が温かくなったり,落ちている気持ちが前を向いたりすると思います。
と同時に,自分の中に課題に対する答えではなく,より問いを生む可能性もあります。問いをもつこと,このことは自分の中でも大切だなあと感じていることですが,多くの方は問いが生まれ,迷うことを嫌います。しかし,僕は,迷うこともいいなあ,迷っている今が伸びてる時だなあと思っています。自分の中で,どんどん問いが出てくることで人はどんどんと学び続けます。学び続け,人との縁も広がり,魅力的な人間にも近づいていきます。そうした現在進行形で発展している教師の姿が子どもにとっても大きな影響を与えます。
教師を13年しかしていない,これからも変化し続ける自分の通過点ですが,これまでの自分の足跡とこれからの目指す方向を書ければいいなあと思っています。
/金大竜
金先生は自分の失敗や悩みをオープンにし、そこで考えていること、迷っていることを語ってくれる。そんな姿に励まされる。ああ、自分だけが悩んでいるのではないのだ、と。
やはり実践紹介だけより,子どもの様子や学級通信などの「実物資料」も一緒にあるのがいいです。
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