- 著者インタビュー
- 教育学一般
子どもと教師、子どもと子どもが繋がっていくにはどうするといいのか。教師のあり方、子どもの捉え方、実際の手立てを実際のエピソードも交えながら書いています。教師の世界観、子ども観が広がれば、見えていなかったことが見えるようになるだけでなく、今見えていることでさえ違う風に見えてきます。読者の皆さんの様々な「観」が広がっていく一冊だと思います。
「子どものことはわからない」ということを分かった上で子どもをとにかくよく見るということです。見るといっても、自分の中に観点がなければ、「見えども見えず」の状態になってしまいます。どんな取り組み、手立ても目の前の子どもに合わせたものでなければ効果は薄かったり、逆効果になったりします。本書から「そんな捉え方もあるんだ!」と感じてもらえればと思います。
子ども自身がいろんなことを「他人ごと」ではなく「自分ごと」として考えられるようにしたいと思っています。どの活動でも「話し合い→実践→振り返り」ということを繰り返しています。そうした活動を通して、じっくり価値観の共有、再構成をしていっています。僕からは「try & error」「ルールとゴールを設定し直す」「期待を少し上回る」「先をとる」など、子どもが主体的に動けるように、様々なキーワードを使って話すようにしています。
僕が通信を出す目的は、価値観の共有をすることが一番の目的です。実際に本書を読んでいただいたらと思いますが、前日にあった出来事やその時に話し合った時のこと、子どもの日記が書かれています。前日話した大切なことを次の日もみんなで確認しながら、繰り返し考えることで、「頭の理解」から「実際にできる」ことを目指しています。
環境設定と回数の保証だと思っています。環境設定で心がけたいことはたくさんありますが、一番の環境は教師のあり方だと思います。また、協働ができるようになるには協働での成功体験を何度も積むことが大事だと思っています。その時に、教師が何を見て、子どものどんな行動にどんな価値付けをするのかはとても大切です。また、どんな風に協働させるのか、その手法もたくさん知っているといいと思います。
この本を通して、読者の皆さんの世界観が少しでも広がっていくといいなと思っています。一つの事実・事象も、自分の見方、考え方によって「幸せ」とも「不幸」ともとれるようになります。ぜひ、読んでいただき、明日から少しでもプラスに子どもの姿をとらえ、一人でも多くの人がハッピーになれるように願っています。