- はじめに
- 第1章 クラスみんなが取り組める!10分間ミニ作文が育てる書く力
- 1 書くことの指導の現状と「10分間ミニ作文」
- 2 「深層」の書く力を育てる「10分間ミニ作文」
- 3 書くことの教育における「不易」な課題と「10分間ミニ作文」
- 第2章 10分間ミニ作文を効果的に実践する五つのキーポイント
- キーポイント1 子どもたちに書くことへの興味・関心・意欲を持たせるための工夫
- 1 親しみのある活動名を付ける
- 2 導入時に意欲付けをする
- 3 作文用紙を工夫する
- キーポイント2 実践を恒常的に継続させるための工夫
- 1 気軽に楽しみながら取り組む
- 2 書けるようになったことを自覚させる
- 3 相互評価を行う
- キーポイント3 子どもの負担にならない程度の分量にする
- キーポイント4 毎日でなくとも、週に一〜三回程度でもいいから無理をしない範囲で
- 1 朝学習の時間に10分間読書と交互に
- 2 帰りの会の時間に
- 3 国語の学習時間内に
- 4 ちょっとした空き時間に
- 5 学級オリジナルの「10分間ミニ作文」を楽しむ
- キーポイント5 あまり教師の手を煩わせないで済むための工夫
- 1 なぜ、あまり教師の手を煩わせないことがキーポイントなのか
- 2 作品を集めたり掲示したりするのは子どもの活動
- 3 帰りの会で子どもたちが発表する
- 4 学級通信に掲載する
- 第3章 コピーして使える!楽しく書ける10分間ミニ作文ワーク
- 1 しりとりチャンピオン [1年向き]
- 2 自分ニュース [1年向き]
- 3 おとを あつめよう [1年向き]
- 4 「あいうえおのうた」を つくろう [1年向き]
- 5 学校たんけんレポート [1年向き]
- 6 おしえたいな お気に入りの ばしょ [1年向き]
- 7 〇学期、ぼく・わたしの三大ニュース [1・2年向き]
- 8 こんなことがあったよ [1・2年向き]
- 9 見つけたよ作文 [1・2年向き]
- 10 ぼく・わたしのお気に入り [1・2年向き]
- 11 おいしかったよ! [1・2年向き]
- 12 先生をコピーしよう! [1・2年向き]
- 13 これな〜に? [1・2年向き]
- 14 よく見て書こう [1・2年向き]
- 15 もしも〇〇だったら〈文房具シリーズ〉 [1・2年向き]
- 16 自分にキラリ賞をあげよう [1・2年向き]
- 17 本のしょうかいをしよう [1・2・3年向き]
- 18 ぼく・わたしのマークをしょうかいしよう [1・2・3年向き]
- 19 ゆめのこんだて [1・2・3年向き]
- 20 ふわふわ言葉 [1・2・3年向き]
- 21 ひみつの道具がもらえるとしたら [1・2・3年向き]
- 22 教えてあげるよ わたしの大発見 [1・2・3年向き]
- 23 あなたは すばらしいで賞 [1・2・3年向き]
- 24 絵かきゲーム [1・2・3年向き]
- 25 なぞなぞ作文 [1・2・3年向き]
- 26 いっしょに 遊ぼう [1・2・3年向き]
- 27 なぞなぞ詩 [1・2・3年向き]
- 28 スリーヒントクイズをつくろう [1・2・3年向き]
- 29 あったらいいな、こんなもの [2・3年向き]
- 30 とっておきの〇〇をつたえるよ [2・3年向き]
- 31 ぼく・わたしの 〇年〇組 昔話 [2・3年向き]
- 32 ぼく・わたしのたからもの [2・3年向き]
- 33 友だちの「きらり」しょうかいします [2・3年向き]
- 34 きせつの歌 [2・3年向き]
- 35 わたしの通学路 [2・3年向き]
- 36 もしも〇〇だったらやってみたいこと〈生き物シリーズ〉 [2・3年向き]
- 37 音だけ作文 [2・3年向き]
- 38 実はぼくは・わたしは〇〇です [3年向き]
- 39 こんなお部屋がいいな [3年向き]
- 40 ぼく・わたしは道あん内人 [3年向き]
- 41 文は一つ、お話二つ―読点の打ち方に気をつけよう― [3年向き]
- 42 三つの言葉でお話を書こう [3年向き]
- 43 一まいの絵からお話をつくろう [3年向き]
- 44 つづきは なあに? [3年向き]
- 45 朝起きると〇〇になっていた! [3年向き]
- 【付録】コピーして使える10分間ミニ作文用紙
- 執筆者一覧
- *ワークページは、学級・子どもの実態に応じて適宜拡大コピーをしてご活用ください。
はじめに
本書は、二〇〇六年の一〇月に上梓した拙著『書く力・考える力が育つ 朝の10分間ミニ作文』(明冶図書)のワークブック、コピーしてすぐに使える便利なワークブックです。
「朝の10分間ミニ作文」という書くことの学習活動は、子どもたちが楽しみながら喜んで書く、書くこと自体を喜び楽しむという書くことの学習活動です。この学習活動に恒常的に取り組むことによって、つまり、楽しみながら喜んで書き続けることによって、作文好きな子どもたちはもちろんのこと、作文嫌いな子どもたちも徐々に書き慣れ、書く習慣が身に付き、そして書くことへの抵抗感も緩和されます。書き慣れ、書く習慣が身に付くことによって、結果的に知らず知らずのうちに思考力や認識力等々が育ってくるという効果的な書くことの学習活動です。しかも、多忙極まりない先生方の手をあまり煩わせなくても可能な書くことの学習活動でもあります。子どもたちに楽しみながら喜んで書くことのできる書く活動を体験させたいという願いと、また多忙な先生方にも煩雑な添削・評価から解放され、子どもたちの作文を読むことの喜びを味わっていただきたいという願い、このような願いを基本的コンセプトとして上梓した拙著が、『書く力・考える力が育つ 朝の10分間ミニ作文』なのです。
基本的コンセプトを実現するための要諦(以下、「キーポイント」)を提示し、小学校第一学年担任から第六学年担任まで、中堅・ベテランの六名の先生方に一学期間(九月から十二月まで)毎日、それぞれの発達段階やクラスの子どもたちの実態に応じた「朝の10分間ミニ作文」を実践していただき、その実践事例をキーポイントごとにまとめたものです。
なお、要諦(キーポイント)とは、以下の六点です。
【キーポイント1】子どもたちに書くことへの興味・関心・意欲を持たせる工夫をする
【キーポイント2】実践を恒常的に継続させるための工夫をする
【キーポイント3】子どもの負担にならない程度の分量にする
【キーポイント4】毎日でなくとも、週に一〜三回程度でもいいから無理をしない範囲で実践をする
【キーポイント5】題材は原則として自由題がいいが、時には題材を指定して書かせることも実践に変化が生まれ、興味・関心・意欲を喚起する契機となる
【キーポイント6】あまり教師の手を煩わせないで済むための工夫をする
拙著の基本的コンセプトは、多くの先生方や学校に受け入れられ、発刊直後から明冶図書オンラインランキングのトップを独走し、その後も長い間ランキングの上位を占め、二〇一二年段階で八刷を数えるまでに至りました。
拙著はあくまでも先生方を対象とした学習指導書です。刷を重ねるうちに、拙著の基本的コンセプトで、子ども向けの学習書を編んでみたいと思うようになりました。子どもが楽しみながら書く、喜んで書く活動を促す学習書です。ちょうど、そのような折に、明冶図書の林知里氏から、「『朝の10分間ミニ作文』の考え方をもとに、朝学習の時間以外でも、授業の隙間時間や帰りの会など、クラスの実態に応じて使えるワークブックをつくってほしい」との依頼を受けました。早速、五名の若手の先生方にモデル原稿を書いていただき、そのモデル原稿を修正し、約五十名の中堅・若手の先生方に執筆を依頼しました。寄せられた多数のワークを精選し、二冊にまとめたものが本書です。
本書は、三章からなっています。
第1章が、いわば理論編です。なぜ、「10分間ミニ作文」が大切なのかということを論じています。とりわけ、最近の文部科学省関係の調査における書くことの教育の課題、書くことの教育における「不易」の課題等を取り上げて論じています。
第2章は、本書の基本的コンセプトである五つのキーポイントを取り上げて、一つ一つ解説しています。
そして、第3章が本書の中核であるワークです。一つ一つのワークを見開き二ページで構成しました。まず、右ページは、実践に当たっての参考情報です。「実施時期」「指導のポイント」「留意点」「発展させよう!」に分けて書いてありますが、毎日が極めて多忙な先生方に配慮して、さっと一読して実践に移れるように、なるべく短く、簡潔に表現するように心がけました。そして、左ページが実際のワークです。子どもが書くことの活動をするページです。短い時間で子どもたちが楽しく、喜んで書くことができるように、誌面の構成やレイアウトなどにも工夫を凝らしました。この左ページをそっくりそのままコピーして、すぐに使うことができます。
朝の10分間にかかわらず、国語の授業前に、ちょっとした空き時間に、帰りの会のときになどなど、いつでも実践していただきたいものです。
なお、本書は、明治図書編集部の林知里氏に多大なご尽力を賜りました。ここに記し、感謝申し上げます。
二〇一五年八月 /大熊 徹
子どもが取り組みやすいテーマが多いので、たくさん活用していきたいです。