- はじめに
- 第1章 「取り上げ・つなぎ・問い返す」で学び合いがうまくいく!
- 1 「取り上げ・つなぎ・問い返す」技術を身につけよう!
- @「取り上げ・つなぎ・問い返す」の根底にあるもの
- A1時間の授業の中での「取り上げ・つなぎ・問い返す」
- B限定された場面での「取り上げ・つなぎ・問い返す」
- 2 「取り上げる」前に大事にしたい教師の姿勢
- @目を凝らし,耳を傾ける
- A“5秒”を待てるようになる
- B子どもの多様性を直視する
- 第2章 子どもの反応を「取り上げる」
- 1 子どもの反応を取り上げるポイント
- @子どもの実態を正確につかむ
- A子どもの反応を3つに分けて把握する
- B子どもの反応に寄り添う
- 2 子どもの反応の取り上げ方
- @「素朴な考え」から取り上げる
- A「つまずき」から取り上げる
- B「数理に直結した考え」から取り上げる
- 3 子どもの反応を取り上げる手法
- @子どもの反応の一部をブラインドする
- A子どもの反応を比較提示する
- B子どもの反応を並列提示する
- 4 これができればステップアップ!
- @発表に対する自信をもたせるには?
- A解決できている子が少ない状況を乗り切るには?
- B取り上げた考えを学級全員に理解させるには?
- 第3章 子どもの考えを「つなぐ」
- 1 子どもの考えをつなぐポイント
- @二番手を鍛える
- A教師がしかける
- Bペア学習やグループ学習でつながりを強める
- 2 考えをつなぐ8つの力を育てる発問・指示
- @「復唱する力」を育てる発問・指示
- A「言い換える力」を育てる発問・指示
- B「質問する力」を育てる発問・指示
- C「付け加える力」を育てる発問・指示
- D「意見する力」を育てる発問・指示
- E「気付く力」を育てる発問・指示
- F「想像する力」を育てる発問・指示
- G「応援する力」を育てる発問・指示
- 3 これができればステップアップ!
- @子どもたちの「いいと思いまーす」の後をつなぐには?
- A「わからない」という子どもの反応を生かすには?
- B子どもから子どもへと考えをつなげるには?
- C一部の子どもの考えに流されないようにするには?
- コラム 「型」がつなぎを阻害する
- 第4章 子どもに「問い返す」
- 1 子どもに問い返すポイント
- @話し合いから生まれた問いを使って問い返す
- A「問い返し」の発問を複数準備する
- 2 子どもへの問い返し方
- @「よりよい考え」について問い返す場合
- A「他の考え」について問い返す場合
- B「気付き」について問い返す場合
- C「理由」について問い返す場合
- D「それぞれの考えの違い」について問い返す場合
- 3 これができればステップアップ!
- @「問い返し」の場を意図的に設定するには?
- A「問い返し」の有効性を高めるには?
- B「問い返し」を自然に行うには?
- コラム 子どもを本気にさせる「問い返し」
- 第5章 「取り上げ・つなぎ・問い返す」がすべてわかる学び合いの授業事例
- 仲間分けの仕方をくまモンに教えてあげよう!【1年「かたちあそび」】
- 一番大きい答えになるひっ算をつくろう!【2年「たし算のひっ算」】
- どうすれば長さ比べができるかな?【3年「分数」】
- 変わり方のきまりを見つけよう!【4年「変わり方」】
- きまりが成り立つ理由を考えよう!【5年「きまりを見つけて」】
- 比例の関係を深く探ろう!【6年「比例・反比例」】
はじめに
前書『算数学び合い授業スタートブック』は,発売以来多くの反響があり,今なおたくさんの方々が手にとってくださっていることを,まずは深く感謝申し上げます。
前書の刊行からすでに1年以上経過しましたが,この間に,講演や授業研究会を通して学び合い授業に関する様々な悩み,ご質問をいただきました。例えば,「子どものどんな考えを取り上げればよいのかわかりません」「子どもの考えをつなぐことを意識して授業に取り組んでいるのですが,話し合いが途切れがちです」「いつも問い返しのタイミングを逃してしまいます」など学校現場の先生方を中心に直接貴重な生の声を聞くことができました。
本書は,そういった悩みやご質問も踏まえつつ,より質の高い学び合い授業を実現するためのガイドとしてまとめた,算数の学び合い授業の「ステップアップブック」です。
本書では,学び合い授業の質を高める方法として,特に「取り上げ・つなぎ・問い返す」という一連の教師の活動(しかけ)に焦点を当てました。これは,私が初任以来ずっと研究を重ねてきた学び合い授業に関する大きなテーマです。
第1章は,「『取り上げ・つなぎ・問い返す』で学び合いがうまくいく!」と題し,「取り上げ・つなぎ・問い返す」技術の基本や教師として大切にしたい姿勢について整理しています。
第2章は,子どもの反応を「取り上げる」ことに焦点を当てています。子どもの反応を取り上げるポイントや取り上げ方,その手法について整理し,ステップアップするうえで克服しなければならない3つの大きな課題について論じています。
第3章は,子どもの考えを「つなぐ」ことに焦点を当て,そのポイントとともに,考えをつなぐ力を育てる発問・指示について8つの視点から整理しました。また本章では,ステップアップするうえで克服しなければならない4つの課題について論じています。
第4章は,子どもに「問い返す」ことに焦点を当て,そのポイントと問い返し方について整理しています。また,ステップアップするうえで避けて通れない3つの課題について論じています。
第5章は,「取り上げ・つなぎ・問い返す」場面を明確にした1年から6年までの授業事例を紹介しています。
本書は,『算数学び合い授業スタートブック』の続編という位置づけでもあるので,前書をお読みいただいた後で読むのが一番よいと思いますが,あえて本書を先に読み,その後で前書を読むのもおもしろいかもしれません。前書同様,多くの先生方の手にとっていただけるよう願っています。
最後になりましたが,本書の刊行にあたり明治図書の矢口郁雄氏には,数多くの助言や励ましをいただき,前書同様大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。
2016年2月 /宮本 博規
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- 明治図書
- 中学校数学の指導にも大変参考になる本です。2017/1/29ローズピンク
- 何度も読み返しています。2016/8/2520代・小学校教員
- 学校現場の生の声をもとに、算数の学び合い授業の質を高める方法の中でも、特に「取り上げ・つなぎ・問い返す」というしかけに焦点を当ててまとめられてる本であり、仕事にすぐに使える内容だったので、購入してよかったです。2016/8/1640代・小学校教諭
- 算数の学びあいに役立ちます。おすすめです。2016/3/2430代・小学校教員
- 宮本先生がNHKテレビご出演で授業公開を、されていたときからの大ファンでした。宮本先生のご著書が最近多く発刊されていて、嬉しいです。たくさん学べます。2016/3/1940代・小学校教諭