- はじめに
- 第1章 保護者との関係づくりの基本
- 1 何のための関係づくりか
- 2 我が子かわいさは親として自然な思い
- 3 モンスターペアレントはいない
- 4 子どもが満足すれば保護者は安心する
- 5 保護者が気になることは勉強と友達
- 6 情報は正しく伝わりにくい
- 7 親近感をもってもらう
- 8 まず教師理解
- 9 子どもをよくするパートナーとして
- 10 関係がこじれたら
- 11 保護者のタイプ別対応の基本 不安感と被害者意識の強い保護者
- 12 保護者のタイプ別対応の基本 高圧的に接してくる保護者
- 13 保護者のタイプ別対応の基本 感情的に不満を並べる保護者
- 14 保護者のタイプ別対応の基本 虐待の疑われる保護者
- 15 保護者のタイプ別対応の基本 教師や学校に依存してくる保護者
- 16 保護者のタイプ別対応の基本 子どもに手を掛けない保護者
- 17 保護者のタイプ別対応の基本 教師や学校に非常に協力的な保護者
- 18 保護者のタイプ別対応の基本 普通の保護者
- 第2章 学年・学級通信で関係をつくる術
- 1 行事の情報をもれなく伝える
- 2 担任の自己紹介を少しくわしく
- 3 子どもの作文を載せる
- 4 授業記録を載せる
- 5 全員,まんべんなく載せる
- 6 子どもの生の言葉を載せる
- 7 子ども達の写真を載せる
- 8 区切りごとに製本する
- 9 保護者に感想を書いてもらう
- 10 保護者の感想を載せる
- 11 保護者の話題や意見を載せる
- 12 定期的に発行する
- 13 クラスのアンケート結果を載せる
- 14 親子で感動するエピソードを載せる
- 15 子育てに有用な情報を載せる
- 16 親への感謝の言葉,俳句を載せる
- 17 子どものよさを紹介する
- 18 短時間で読めるレイアウトに
- 19 誕生日にはその子だけのコーナーを
- 20 紋切り型よりも個性的な文を
- 資料1〜3 学級通信
- 第3章 個人面談で関係をつくる術
- 1 机の配置を工夫する
- 2 見晴らしのよい席にする
- 3 机を寄せて花を飾る
- 4 待機コーナーを少し快適空間に
- 5 もう少し見ていたくなる空間に
- 6 廊下に子どものメッセージ
- 7 面談日時のお知らせに「一言」
- 8 入り口で出迎え,出口まで送る
- 9 笑顔で迎え,明るく話す
- 10 さりげない話題から入る
- 11 話す―聞く―話す
- 12 保護者の話は共感的に聞く
- 13 保護者の聞きたいことを話す
- 14 データや事実を準備する
- 15 いいことは具体的に伝える
- 16 悪いことは未来形で話す
- 17 時には世間話や趣味の話を
- 18 質問は即答せず,後日,返答する
- 19 困っているのは保護者
- 20 お茶を出す
- 資料 個人面談のお知らせ
- 第4章 保護者会で関係をつくる術
- 1 互いに顔の見える机の配置
- 2 先生の自己紹介の時間を
- 3 初対面でも名札を用意して名前で呼ぶ
- 4 子どもの様子を伝え合う
- 5 保護者の3大関心事
- 6 授業の様子を知らせる
- 7 休み時間の様子を知らせる
- 8 先生との関係づくりを知らせる
- 9 家での子どものよいところ紹介
- 10 メモをとりたくなる話題を
- 11 個人的な相談に乗る
- 12 写真を使って説明する
- 13 保護者会での質問は全員に返す
- 14 特定の子の話題は避ける
- 15 終始和やかに
- 資料1 子どもカルテ
- 資料2 子どものよいところ紹介プリント
- 第5章 家庭訪問で関係をつくる術
- 1 明るく爽やかなイメージで
- 2 プライバシーに立ち入らない
- 3 玄関先で済ます
- 4 出されたお茶は一口飲む
- 5 おおよその時間を守る
- 6 子どもをほめる
- 7 家庭での子どものよさを聞く
- 8 目の前でメモはとらない
- 9 正しく丁寧な言葉遣いをする
- 10 聞いて聞いてまた聞いて
- 資料 家庭訪問のお知らせ
- 第6章 授業参観で関係をつくる術
- 1 ウエルカムメッセージを置く
- 2 授業前に保護者に一声掛ける
- 3 全員に発言,発表させる
- 4 全員に声を掛ける
- 5 できていない子を見逃さない
- 6 笑顔のある楽しい授業を
- 7 その子の生かし処を考える
- 8 親子で活動する
- 9 お知らせを会話調で
- 10 親子の感想を学級通信に載せる
- 11 保護者の前で語る
- 資料1・2 授業参観のお知らせ
- 第7章 子どもを通じて関係をつくる術
- 1 連絡帳には一言添える
- 2 会話作文で保護者をまきこむ
- 3 お手伝いの宿題
- 4 家族にインタビュー
- 5 節目の学級通信でお礼を述べる
- 6 「健康のたより」にお礼のメッセージ
- おわりに
はじめに
最近は学校と保護者との関係がますます難しくなってきています。
皆さんの中にも,保護者との関係で困ったり思い悩んだりしたことのある方がたくさんいらっしゃるでしょう。
どうしてこのようなことになってきたのでしょうか。
理由はいろいろと挙げることができます。
保護者の学歴が高くなった,学校教育への関心が高まった,子どもに時間をかけるゆとりが出てきた,個人が尊重される社会になった,学校にはあれこれ要求をしてもいいのだという風潮となった,学校が保護者の要求に丁寧に応えるようになった,などです。
ところで,これらのことは何も悪いことではありません。むしろ歓迎されるべきものの方が多いはずです。自然な時代の流れだということもできるでしょう。そうであるならば,学校も先生も,その時代の流れの中でいかにして保護者との関係をよりよく築いていくかを考えなければなりません。
今や,保護者の協力なくして学校経営,学級経営は成り立たないからです。
では,保護者との関係をよりよく築くために大事なことは何でしょうか。
それは,学校や学級や担任の先生の情報を,提供できる範囲でなるべくくわしく,なるべく頻繁に提供することです。
そうすることによって,保護者に学校や学級の方針や考え方,具体的な様子や実情をよりよく理解してもらうことができます。
無理な要求や度を超した言動は,よく分かっていないことから起きていることも数多くあります。
学校や学級でやろうとしていることや,できることとできないことなどをきちんと伝えることで,保護者によりよく協力してもらえます。
本書では,保護者とよりよい関係をつくるために,やってはいけないこと,やらなければならないことを具体的にしかも数多く紹介しました。
ぜひ,本書の具体例をベースにして,保護者とよりよい関係を築いていってください。
平成27年11月 /山中 伸之
読んでよかったです。