- まえがき
- 1 社会科・授業研究の新しい視点 25のQ&Aで課題を読み解く
- 総論
- Q1 単元の目標をどのように設定したらよいか
- Q2 「社会的な見方・考え方」を授業でどのように扱うか
- Q3 「主体的・対話的で深い学び」をどのように実現するか
- Q4 「カリキュラム・マネジメント」をどう進めればよいか
- Q5 授業時間の不足をどのように解決すればよいか
- 3年
- Q6 「市の様子」に重点を置くのはどうしてか
- Q7 生産の仕事と販売の仕事の取り上げ方の違いは何か
- Q8 商店の学習で「売り上げ」をどのように扱えばよいか
- Q9 消防署と警察署の取り上げ方をどう工夫したらよいか
- Q10 市の移り変わりを調べさせるポイントは何か
- 4年
- Q11 県の地理的環境の概要が冒頭に位置づいているのはどうしてか
- Q12 飲料水と下水の両方を取り上げてもよいか
- Q13 自然災害を取り上げるときのポイントは何か
- Q14 文化財や年中行事を取り上げるポイントは何か
- Q15 国際交流に取り組んでいる地域をどのように取り上げるか
- 5年
- Q16 わが国の領土はどの程度扱うか
- Q17 食料生産や工業生産で歴史的視点をどう取り上げるか
- Q18 工業生産に「貿易や運輸」をどう位置づければよいか
- Q19 情報を生かした産業を取り上げるポイントは何か
- Q20 5年の自然災害の学習は4年とどのように違うか
- 6年
- Q21 政治の学習と歴史の学習が入れ替わったのはなぜか
- Q22 政治に関する内容の順序が変わったのはどうしてか
- Q23 歴史学習で外国との関わりをどう扱うか
- Q24 「歴史を学ぶ意味を考える」とはどういうことか
- Q25 つながりのある国の学習で「国際交流」をどのように扱うか
- 2 社会科「重点単元」授業モデル 重要単元22のアイデア紹介
- 3年
- 1 市の様子
- 「市の様子」に重点を置いた指導
- 2 スーパーマーケットではたらく人
- 「売り上げ」の工夫を調べる販売の工夫
- 3 火災を防ぐ
- 「消防署の働き」―緊急対応に重点を置いた指導
- 4 事故を防ぐ
- 「警察署の働き」―予防に重点を置いた指導
- 5 市の様子の移り変わり
- 「市を対象にした移り変わり」の指導
- 4年
- 6 県の様子
- 「県の地理的環境の概要」を捉えさせる指導
- 7 地震から人々を守る活動
- 「地震・津波」を取り上げた自然災害の指導
- 8 土砂くずれから人々を守る活動
- 「土砂くずれ」を取り上げた自然災害の指導
- 9 白壁土蔵群を受けつぐ人たち
- 「文化財・年中行事」を取り上げた指導
- 10 国際交流を進めている大田区
- 「国際交流を進めている地域」を取り上げた指導
- 5年
- 11 世界の中の国土
- 「国土の領土」に関する指導
- 12 稲作の盛んな地域
- 「歴史の視点」を位置づけた食料生産の指導
- 13 自動車をつくる工業
- 「歴史の視点」を位置づけた工業生産の指導
- 14 工業生産に関わる人たち
- 「貿易や運輸」を位置づけた工業生産の指導
- 15 情報を生かした販売業
- 「情報を生かした産業」を取り上げた指導
- 16 自然災害を防ぐ
- 「国土の自然災害」を取り上げた指導
- 6年
- 17 日本国憲法
- 「日本国憲法」を政治学習の導入で扱った指導
- 18 武士の世の中へ
- 「世界との関わり」を位置づけた歴史の指導@
- 19 戦国の世
- 「世界との関わり」を位置づけた歴史の指導A
- 20 明治維新
- 「世界との関わり」を位置づけた歴史の指導B
- 21 歴史を学んで
- 「歴史を学ぶ意味」を考えさせる指導
- 22 わが国とつながりのある国のくらし
- 「国際交流」を取り上げた指導
まえがき
平成29年3月に改訂された学習指導要領は,小学校において平成32年度(2020年度)から完全実施されます。まだ先のように思われがちですが,今回の改訂では,各教科において学習指導要領における指導内容の示し方については大きく変わったものの,一部の教科を除いて教育内容の面ではそれほど大きな変更は見られません。
このことは,平成29年7月に告示された移行措置についての内容からも明らかです。今回の移行措置はできるだけ新学習指導要領の趣旨を踏まえた取り組みを促進することにあります。各教科等の要であるとされている総則は,平成30年度から新学習指導要領に移行するとしています。
教科においても,例えば,生活科や音楽科,図画工作科,家庭科,体育科は,平成30年度から一部又は全てを新学習指導要領の規定で実施することができます。子どもたちが手にする教科書は,平成31年度に使用される教科書までこれまでの学習指導要領にもとづいて編集されています。にもかかわらず,新学習指導要領に移行できるとしているのです。
社会科においても,一部特例措置はありますが,平成30年度から一部又は全てにおいて新学習指導要領によることができます。
今回の改訂の特色は,「見方・考え方」を働かせることや「主体的・対話的で深い学び」を実現すること,カリキュラム・マネジメントを推進することなど,指導内容を大きく変更させるというよりも,指導体制や指導方法を改善充実させることにあります。これらの課題は完全実施を待つことなく,いまからでも実践に移していくことが可能です。
このように見てくると,平成32年度の完全実施までにはまだ時間があると受けとめることは禁物です。新学習指導要領に対する理解を早急に進め,授業の体制を整えることが求められます。このことは社会科においても例外ではありません。
ただ,社会科は社会を対象にしていますから,社会の変化に応じて内容や教材を変える必要があります。全てがこれまでと同じでよいというわけにはいきません。今回も社会の変化に応じて,防災教育,伝統文化教育,情報教育,持続発展教育,主権者教育などの観点から,これまでの指導内容が一部変更されたり,順序が変わったりしています。新たに追加された内容や事項もあります。指導の学年が明確にされたものもあります。
本書『小学校社会科「重点単元」授業モデル』は,こうした学校教育をめぐる状況と社会科固有の課題を踏まえて取りまとめられたものです。
1章では,社会科の趣旨と授業改善の新しい視点を理解するために,学習指導要領を読み解くための25の課題をQ&Aの形式で解説しました。
2章では,各学年の重点単元を22か所抽出して,研究授業を実施することを想定して,小単元の指導計画や本時の学習指導案を紹介しています。ここでは,板書計画を示すなどすぐに使えるように工夫されています。各テーマの執筆は,現在実際に指導に当たっている社会科の優れた実践家やそうした先生方を指導されている方々にお願いいたしました。
本書を活用することにより,新学習指導要領に対する理解が一層深まり,わが国の社会科授業が一層充実することを心から願っています。そして,何よりも子どもたちが社会科の学習を好きになり,社会を深く理解し,よりよい社会の形成者として成長していくことを期待しています。
最後に,たいへんご多用な中をご執筆いただいた先生方にこの場を借りて感謝とお礼を申し上げます。合わせて,今回の企画にご協力とご助言をいただき,編集の労をとっていただいた明治図書出版の及川 誠氏にお礼申し上げます。
平成30年3月 編著者 /北 俊夫
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- 明治図書
- 内容が具体的でわかりやすい。2018/8/2650代・小学校管理職
- 必要な内容がポイントを絞って示されているので分かりやすい。2018/8/450代・公務員
- 実践的内容で分かりやすい。全ての単元を扱ってほしい2018/6/7アツシ