- はじめに
- 第1章 やっぱり学級通信を出したい
- 1「発行したい!」「発行しないと!」でも大変そう
- 2「手間ヒマかけず」と「喜ばれる紙面」は両立できる?
- 第2章 誰でもカンタンにできる!学級通信ラクラク作成のノウハウ
- 1「フォーマット」は定型で!
- −挫折しない秘策はここにあり
- 2「メイン特集」はシリーズ化!
- −ネタが尽きない秘訣はここにあり
- 3「情報コーナー」は定番だけど需要あり!
- −保護者を喜ばせる秘訣はここにあり
- 4「割り付け」にはルールがある!
- −魅力的な紙面の秘密はここにあり
- 5「印刷と掲示」の一工夫!
- −出来栄え倍増の秘訣はここにあり
- 6「作業時間と場所」はちょっとしたコツで確保!
- −時短の秘訣はここにあり
- 7「流用・応用」で学級通信をプロデュース!
- −フル活用の秘訣はここにあり
- 8 最後に内容。そう肩を張らず,書きやすいことから
- ―毎日発行の秘訣はここにあり
- 第3章 資料
- 学級通信/暑中見舞い・残暑見舞い・年賀状・寒中見舞い/生活指導だより「ガイダンス」
- おわりに
はじめに
この本を手に取られた皆さんは,こんなことを考えておられる方ではないかと思います。「学級通信をそこそこ数多く出したいけれど,日頃の校務や授業の準備に追われ,ついつい1週間以上空いてしまった」「書きたい記事があるけど忙しくて時節遅れになってしまった。もう書けない」「隣のクラスは数多く出していて保護者に比べられた」「文章を書くことがあまり上手でなく,1号出すのに時間がかかりすぎる」「写真を入れたいのだけれどうまく入れられないし,きれいに印刷できない」「表や図を組むのが苦手」……などなど。
学級通信は学級経営上,とても重要な位置を占めるのがわかっていても,続けて何号も出すのはちょっと億劫。時間がかかるので教材研究ができない,そんな思いからついつい,発行の間隔が空いてしまうのではないでしょうか。あまり出せていない罪悪感にさいなまれながらパソコンの前で悶々とする日々……。そんな先生方を何人も見ています。
学級通信はとても古い歴史があり,以前は「通信を切る」なんて言ったものです。「切る」というのは「ガリを切る」,つまり,ガリ版印刷の時代に鉄筆で油紙に原稿を書き(切り),インクをローラーで上から転がして印刷した時代の名残です。こんなガリ版印刷の時代でも毎日のように出されていた先生はおられ,各家庭からはとても喜ばれていました。写真もイラストも入れられない,パソコンに保存もできない時代に……です。
私は学級通信を学級経営の大きな柱の1つにしています。初めて担任する保護者の信頼を勝ち取るには面倒に思われがちなこの学級通信をできるだけ出す……という取り組みが一番効果があると思ったのです。保護者は子どもの毎日の様子が知りたいのと,どんな授業をしていて学校として,クラスとして今,何に取り組んでいるかがとても知りたいのです。それをお知らせするには学級通信が一番手軽で効果が大きいと思ったのです。そしてそれは「毎日出す」ことで最大の効果を発揮すると考えたのです。毎週でも○曜日と○曜日に必ず出すのならそれでもいいかもしれません。先生の手の空いた日に不定期に出されると保護者がきちんと読んでくれるか,不安があるのです。
私はここ数年間,毎日出しています。4年前は「できたらやってみよう」という程度でしたが,3年前,2年前と「必ず出そう」という意識に変わりました。それは学期に1度の学級懇談会で学力のことや生活のことが話題に出るにつけ,「それ,学級通信に書いてあった」「しっかり読んでそのように心がけている」そんな保護者がぐんと増えたのです。そして毎日出すことのメリットは「学級通信があるんとちがう? はよ出しな」と保護者が必ず子どもに出させることで既読率が抜群に増えるのです。半数以上はファイルに綴じ,毎日増えていくのを楽しみにしておられます。息子や娘の写真や作文,作品がいつ載るのかを心待ちにされています。そうなったらしめたものです。内容に責任はありますが,保護者をきちんと学校にそして担任に向けさせることができ,家庭との連携はうまくいきます。ただ,一方的に連絡するだけではなく,このように既読率を高めるには号数や頻度も大切ですが,魅力ある紙面作りや楽しいシリーズものなどの工夫も必要です。そう考えると校務や授業準備で超ハードな毎日を過ごされている今の先生方にとっては,そうやって数多くを出すことは難しいのかな……と考えてしまうでしょう。
今回,この企画を考えたのは,毎日定時の16:35に「お先に!」と退勤する教員がどうしてそんなに数多くの学級通信を出すことができるのか,そしてその通信はどのように活用され,学級経営に生かされているかを,ぜひ多くの先生方に知っていただきたいからなのです。そして,そのフォーマットを紹介することで意外と簡単に作ることができ,さらに続けることができる方法をお教えしようと思い立ったものなのです。いきなり,「毎日発行」する必要はありません。月1回を月2回に。週1回を週2回に増やせばそれだけで倍の発行数です。その中で無理せず楽しく,工夫を入れながら今までにない紙面を作ることができれば大きな成果と言えるでしょう。
実は私は学級通信の他にも学校全体の生徒指導だよりを週1回発行(年間40号程度)しています。さらにブログやフェイスブックもできるだけ更新しているのです。時間をうまく使うのも大切で必要な力ですが,継続した取り組みには必ず工夫やコツがあるのです。それを紹介し,とりあえず同じようにやってみることで,無理なく発行数を伸ばせる学級通信ができることと思います。ぜひ読んで真似て挑戦してみてください。
平成28年7月 /國眼 厚志
本書で取り扱っている学級通信は以下からダウンロードできます。ぜひ、ご活用ください。
※ダウンロードの際にユーザー名とパスワードの入力を求められます。
ユーザ名は“239812”とご入力ください。パスワードは空欄としてください。
・WORD版@(ファイル名:239812_word_1.zip/サイズ:12.0MB)
・WORD版A(ファイル名:239812_word_2.zip/サイズ:17.3MB)
・WORD版B(ファイル名:239812_word_3.zip/サイズ:20.0MB)
・一太郎版@(ファイル名:239812_ichitaro_1.zip/サイズ:22.7MB)
・一太郎版A(ファイル名:239812_ichitaro_2.zip/サイズ:33.0MB)
・一太郎版B(ファイル名:239812_ichitaro_3.zip/サイズ:40.8MB)
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- これは使える2018/3/2950代・小学校教員
- レイアウトが良かったです。2016/11/620代・中学校教員