- はじめに
- Chapter1 文法指導で使えるアクティブ・ラーニングの指導技術&活動形態
- 1 「導入」場面のアクティブ・ラーニング
- 2 「展開」場面のアクティブ・ラーニング
- 3 「まとめ」場面のアクティブ・ラーニング
- 4 「活用」場面のアクティブ・ラーニング
- 5 「協働的な学習」のアクティブ・ラーニング
- 6 「ペア・グループ学習」のアクティブ・ラーニング
- 7 「家庭学習」のアクティブ・ラーニング
- 8 「板書」でのアクティブ・ラーニング
- 9 「定期テスト」でのアクティブ・ラーニング
- 10 さまざまな活動形態のアクティブ・ラーニング
- Chapter2 中学1年 アクティブ・ラーニングの英文法指導アクティビティ&ワーク
- 1 一般動詞(肯定文) LetVs 相性チェック!
- 2 一般動詞(疑問文) 好きな果物調査!
- What fruit do you like? --- I like apples.
- 3 一般動詞(否定文) 続・LetVs 相性チェック!
- I don’t like .... --- We are the same!
- 4 複数形 これであなたも文法博士?@
- 複数のs /es がつくのはどんなとき?
- 5 複数形 これであなたも文法博士?A
- 複数のs /es の使い分けの秘密を探ろう
- 6 冠詞 これであなたも文法博士!
- 冠詞のa /an の使い分けの秘密を探ろう
- 7 How many? いくつ持っているのかな?
- How many CDs do you have? --- I have many CDs.
- 8 命令文 断るならGive Up カードがあるうちにゲーム
- 9 前置詞 間違い探し
- Spot the Difference!
- 10 be動詞(肯定文) 3ヒントクイズ!@
- ヒントを聞いて当てっこしよう
- 11 be動詞(疑問文) 3ヒントクイズ!A
- Are you〜 ? を使って当てよう
- 12 be動詞(否定文) IVm not で伝えよう
- I’m not .... を使って当ててもらおう
- 13 疑問詞What 何ですか? vs 何を○○しますか?
- 14 疑問詞Who 誰ですか? vs 誰が(と)○○しますか?
- 15 疑問詞Where どこ? vs どこで○○しますか?
- 16 疑問詞When いつですか? vs いつ○○しますか?
- 17 疑問詞How どうですか? vs どのようにしますか?
- 18 3人称単数現在形(肯定文) あなたの記憶力に挑戦!
- 19 3人称単数現在形(疑問文) 友達クイズを作ろう!@
- 20 3人称単数現在形(否定文) 友達クイズを作ろう!A
- 21 助動詞can 自分のできることは?
- I can .... / I cannot ....
- 22 助動詞can 職業適性検査
- Can you get up early? --- Yes, I can. / No, I can’t.
- 23 現在進行形(肯定文) ジェスチャーゲーム@
- I know! You are drinking water.
- 24 現在進行形(疑問文) ジェスチャーゲームA
- Are you playing golf? --- Yes, I am. / No, I’m not.
- 25 過去形(規則動詞) 過去の行動で相性チェック!@
- We are the same! ゲーム
- 26 過去形(不規則動詞) 過去の行動で相性チェック!A
- We are the same! ゲーム
- 27 過去形(疑問文) 先生にYes, I did. と言わせよう!
- Did you ... last night? --- Yes, I did. / No. I didn’t.
- Chapter3 中学2年 アクティブ・ラーニングの英文法指導アクティビティ&ワーク
- 1 be 動詞(過去形) 過去形で会話の継続を!
- What did you do last night? --- I watched TV. It was interesting.
- 2 過去進行形 What are missing?
- 絵からなくなっているものは?
- 3 未来形will 今夜やることは??
- I will watch TV tonight.
- 4 未来形will あなたは今夜〜しますか?
- Will you play sports tonight?
- 5 未来形be going to 〜 留守電にメッセージを残そう!
- 6 未来形be going to 〜 当てっこしよう!!
- Are you going to see a movie this weekend? --- Yes, I am.
- 7 Shall I ...? Will you ...? May I ...? 願いがいくつ叶うかな?
- 8 There is / are 駅でなくしたものは? 自分のカバンを説明してみよう
- 9 不定詞(名詞的用法) 英語で性格判断!
- Do you like to go shopping? --- Yes, I do. / No, I don’t.
- 10 不定詞(名詞的用法) 夢の旅行計画を立てよう!
- Where do you want to go? And why?
- 11 不定詞(副詞的用法) え?なんで?
- 理由を付けたす方法
- 12 不定詞(形容詞的用法) 同じものでも使い道が違う?
- ものを詳しく説明する方法
- 13 動名詞 ザ・相性チェック!
- 君と友達との間は?
- 14 接続詞when あなたも作家!
- 15 接続詞if 海外の迷信に挑戦!
- 16 比較(比較級) Spot the Difference!
- 17 比較(最上級) 高い順,長い順に並べ替えてみよう
- 18 比較as-as 大発見! 身近なas-as を探そう
- 19 比較more / the most あなたの興味ある教科は?
- 20 比較better / the best 好きな教科や季節を聞き出そう!
- Chapter4 中学3年 アクティブ・ラーニングの英文法指導アクティビティ&ワーク
- 1 call A B え?アメリカの州にあだ名があるの?
- What do you call this? --- I call it Angel City.
- 2 受け身 名作発見!
- 3 現在完了(継続) あなたも!ストーリーテラー@
- 4 現在完了(完了) あなたも!ストーリーテラーA
- 5 現在完了(経験) あなたも!ストーリーテラーB
- 6 現在完了(継続) 創作ビンゴ! うまくビンゴになるかな?
- 7 現在完了(完了) 9時です!もう終わりましたか?
- 8 現在完了(経験) 47都道府県!うまく塗れるかな?
- 9 現在分詞の後置修飾 犯人像を英語で伝えよ!
- My bag was stolen! I saw the suspect!
- 10 過去分詞の後置修飾 うまく伝えられるかな?
- 11 関係代名詞that(主格) 1文で説明できるかな?!
- 12 関係代名詞who / which(主格) 物語を説明してみよう!
- 13 関係代名詞who / which( 目的格) 今日も1文で説明してみよう!
- 【付録】
- 中学1年 職業適性検査の結果発表
- 中学2年 What are missing? の絵カード
- 中学2年 性格診断の結果発表
- おわりに
はじめに
本書は「主体的・対話的で深い学び」(いわゆるアクティブ・ラーニング)と,第二言語習得理論を交えた「文法アクティビティ」のワークシート集を提案します。
私たちが学ぶ「目標言語」は,次のような認知プロセスをたどると言われています。
(図省略)
最初に私たちは,聞いたり,読んだり,見たりしながら,新しい言語に触れます。そのときに大切なのが「気づき」です。気づかないものは「理解」されません。廣森友人氏は著書『英語学習のメカニズム』(大修館書店)で「1円玉のウラにはどのような絵が描かれているかご存じだろうか」と問い,その後「注意を向けられることによって,はじめて気づきが生まれる」(p.24)と言います。つまり英語授業においても,目標言語に注意を向けさせ,気づきを生むところから授業が始まるのです。注意を向けられた「気づき」は,「理解」を伴わせ,本時の学習内容に入っていきます。3番目のプロセスは,「内在化」(intake)です。聞いたり,話したり,書いたり,読んだりしながら,その目標言語を学習者の内部(中間言語)に取り込む学習がこの「内在化」のプロセスだと考えます。そして最後の4番目,「統合」(integration)のプロセスでは,「既存の中間言語体系を再構築して,処理の自動化が図られる」(同 p.26)とあることから,ここの部分は「活用」となります。既習事項を用いて行う「タスク活動」や,マジカルクイズ,イングリッシュサロンなどが考えられます。「既存の中間言語体系を再構築して」とあることから,1時間の授業の中で,目標言語をこの段階にもっていくのは,なかなか困難なことです。むしろ学習してから時間が経った後,統合的な活動を行えば,それが長期記憶となり,自動化へとつながるのではないかと考えます。このように,第二言語習得理論は,私たちが行っている授業実践が研究理論のどこの部分と重なるのかを考えさせてくれ,実践の確かさや授業者としての正しい方向性が確保され,授業に自信を与えてくれるはずです。
さて,「外国語ワーキンググループにおける審議の取りまとめについて(報告)」(pp.6-7,平成28年8月26日)では,『「知識・技能」を実際のコミュニケーションの場面において活用し,考えを形成・深化させ,話したり書いたりして表現する力を繰り返すことで児童生徒に自信が生まれ,主体的に学習に取り組む態度が一層向上していくため,「知識・技能」及び「思考力・判断力・表現力等」と「学びに向かう力・人間性等」は不可分に結び付いている。』とあります。つまり,児童生徒の自信が主体的な学習態度につながるのです。最初から生徒に主体性があるのではなく,授業をしながら,生徒に自信をつけさせていくのです。
英語教育の明るい未来に,共に実践・研究してまいりましょう。
2017年2月 /瀧沢 広人
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