- まえがき
- Introduction 生徒が教師に困っている場面
- 01 気持ちをわかってもらえない場合
- 02 サボりだと決めつけられる場合
- 03 クラスの人に無理に会わされる場合
- 04 教師が部屋の中に無理に入ってくる場合
- 05 「学校を休むなら外出するな」と言われる場合
- Chapter1. 休み始めの困った場面
- 01 休む原因がわからない場合
- 02 連続した登校ができない場合
- 03 来ると約束しても来ない場合
- 04 夜更かしをして朝起きられない場合
- 05 登校しないことを宣言している場合
- 06 学校が怖いと言う場合
- 07 被害者意識が強く教室に入れない場合
- 08 わがままではないかと感じられる場合
- 09 家庭内で暴れる場合
- 10 長期休み明けに登校してこない場合
- 11 級友が欠席をどう思っているか気になる場合
- 12 家庭訪問しても出てこない場合
- Chapter2. 充電期の対応で困った場面
- 01 好きなことしかしないので心配になる場合
- 02 ゲームばかりしている場合
- 03 今の生活を変える気がないように見える場合
- 04 外出しようとしない場合
- 05 寝てばかりいる場合
- 06 外出中に同級生と鉢合わせし,もう外に出ないと言っている場合
- 07 コミュニケーション能力が未熟である場合
- 08 ストレスでいっぱいな場合
- 09 転校やフリースクールを希望している場合
- 10 元気になっているが再登校の意思が見えない場合
- Chapter3. 再登校挑戦期の対応で困った場面
- 01 行動の踏ん切りがつかない場合
- 02 完璧な状態での再登校にこだわり動けない場合
- 03 再登校プランの立て方がわからない場合
- 04 学校生活に対して自信がもてない場合
- 05 校舎に入ることの抵抗感が強い場合
- 06 校舎内での行動半径をどう広げたらいいかわからない場合
- 07 別室登校できたが教室に戻れない場合
- 08 クラスでの迎え入れ方がわからない場合
- Chapter4. 保護者・職員室対応で困った場面
- 01 保護者の要求が高く学校を責めてくる場合
- 02 保護者が明らかに過保護・過干渉である場合
- 03 保護者が「学校に行かせない」と言っている場合
- 04 「甘やかしている」と同僚に責められる場合
- 05 担任一人で抱え込んでしまう場合
まえがき
学校に来られない生徒がいることは,担任にとって寂しいものです。
日常の授業だけでなく,行事などの際には,さらにその不在は大きく感じられ,ポツンと空いた机を眺めながら教師の焦りや不安は増していきます。
不登校対応のゴールを再登校におくと,教師は瞬く間に無力感にとらわれます。それは積極的にかかわろうという気持ちを薄れさせていきます。また大人が自分自身のつらさでいっぱいになってしまうと,子どものつらさを受け止めることも難しくなります。
不登校の子どもは不安のスパイラルにはまっています。もし,大人にその不安が見えないのなら,多面的・多角的に理解しようとする余裕がないのかもしれません。不登校対応とは,子どもの心を理解し支えることだと言えます。
北海道の十勝で活動する心のサロンSmileyの佐々木祥子さんは,不登校をマイスタイル登校と呼んでいます。一方では不登校をそういった多様性の一つであるととらえることも求められます。
私は不登校の対応を「休み始めの心を安定させる時期」「心のエネルギーを充電させる時期」「再登校に挑戦する時期」の3つに分けて考えています。もちろん教育機会確保法の精神に見られるように,学校だけがゴールとは限りません。教師のかかわりが再登校に結び付かないこともあります。しかし,適切なかかわりで自信をつけた生徒は次のステージで飛躍します。
学校に行けずに部屋で閉じこもっている子どもの姿を思い浮かべると,殻の中でひっそりと真珠を育むアコヤ貝のことを思わずにはいられません。今は閉じた殻の中でもいつか真珠のような輝きを見せる日も来るのでしょう。そう信じることこそが教師の最大の仕事であるようにも思います。
2019年11月 アコヤ貝の気持ち/Mokkunを聴きながら…… /千葉 孝司
ちょっと対応がきれいすぎるところもありますが、目の前の児童にあわせて実行すて行きたいと思います。
もし、次回号があるとすれば、よりよい保護者との関係の『WHYとHOW』を出していただけれとありがたいです。
ありがとうございました。
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