- まえがき
- /山田 洋一
- 学級崩壊立て直し1 「折れ」ないコツ
- /山田 洋一
- 学級崩壊立て直し2 システムチェンジで構造的に立て直す
- /赤坂 真二
- 学級崩壊立て直し3 厳しさと愛情の中で取り戻す
- /宇野 弘恵
- 学級崩壊立て直し4 確固たる指導哲学と毅然とした態度が秩序と安定をもたらす
- /大谷 和明
- 学級崩壊立て直し5 教師の在り方を通して,メッセージを伝える
- 〜集団と個へのアプローチをバランスよくとる中で〜
- /大野 睦仁
- 学級崩壊立て直し6 点が線になるまでしっかりと待つ
- /金大竜
- 学級崩壊立て直し7 荒れに立ち向かうにはチーム意識が必要
- /多賀 一郎
- 学級崩壊立て直し8 「学級崩壊」の定義によって教師の対応は異なってくる
- /土作 彰
- 学級崩壊立て直し9 フラれているのだ…「凌ぐ」しかない
- /中村 健一
- 学級崩壊立て直し10 立て直すには自己認識から
- 〜自分がわからなければ始まらない〜
- /渡邉 尚久
- 学級崩壊立て直し11 子どもと教師の関係,子どもと状況(モノ)との関係を紡ぎ直す
- /青山 新吾
- 学級崩壊立て直し12 「教室素読」から始める立て直し
- 〜まずは教師が声を出す〜
- /駒井 康弘
- 学級崩壊立て直し13 暗闇があるからこそ,さす光は美しい 苦しさがあるからこそ,人はやさしくなれる
- /高本 英樹
- 学級崩壊立て直し14 現状を把握し,「ちゃんと」の価値観を子どもたちと共有していくために
- /山本 芳弘
- 学級崩壊立て直し15 授業始め・終わりの挨拶から見える立て直しの5原則
- /小泉 幸男
- 学級崩壊立て直し16 チームで「認めてほしい」思いに応える
- /平嶋 大
- あとがき
- /山田 洋一
まえがき
近年学級崩壊の統計的な数は減ってきている。各都道府県はそう発表している。しかし,現場教師である私には,それが実感できない。大規模校では,恒常的にいくつかの学級が崩壊かそれに近い状態であるし,新卒教師の学級では崩壊のリスクはかなり高いものとなっている。
一方,表面上は静かに授業を受けているが,学習活動にまったく前向きでないという学級もある。いわゆる「静かな荒れ」である。また,メール等で担任教師への批難が拡散され,それによって学級経営が困難な状況に追い込まれるという事例も耳にする。「新しい荒れ」のパターンの出現である。このように学級崩壊は,たしかに数は減っているかもしれないが,形を変え,より重篤な状況になっていると私は感じている。
さて,教師に目を移そう。教師の中には,毎年学級が危機的な状況になるという人がいる。しかし,その一方で,その学級を引き継ぎ,しっかりと学級を立て直すという仕事をしている人もいる。
本書では,「立て直しのエキスパート」に,そのノウハウと,立て直し指導において,子どもの状況をどう解釈したらよいかという「子供観」を書いてもらうことにした。それらを直接指導,側方支援の双方から明らかにする。
立て直し指導のポイントをあぶり出すことを通して,一方で予防の視点にもなるという思いで本書を世に送る。
/山田 洋一
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- 明治図書