- はじめに
- 第1章 発達障害のある子どもの苦手さを見とるアセスメント
- 1 発達段階に応じた子どもの課題と対応
- 1 自閉スペクトラム症(ASD)の子ども
- 2 注意欠如/多動症(ADHD)の子ども
- 3 学習障害(LD)の子ども
- 4 ボーダーラインの子ども
- 2 子どもの苦手さを読み取るアセスメント
- 1 面接時のアセスメント(生活・環境面のアセスメント)
- 2 感覚・運動面のアセスメント
- 3 読み書きのアセスメント
- 4 認知面のアセスメント
- 第2章 幼児の指導 ステップアッププログラム
- ◆ 幼児期に見られるつまずきとつまずき気づきチャート
- 1 指導のポイント
- 2 つまずき気づきチャート
- 3 支援を必要とする子どものタイプ
- 1 人関係を築くプログラム
- 2 ことばをはぐくむプログラム〈前期〉ことばを増やす
- 3 ことばをはぐくむプログラム〈後期〉読み書きの土台をつくる
- 4 友達との遊びを育てるプログラム
- 第3章 小学校 児童の指導 ステップアッププログラム
- ◆ 児童期に見られるつまずきとつまずき気づきチャート
- 1 国語のつまずき気づきチャート
- 2 算数のつまずき気づきチャート
- 3 支援を必要とする子どものタイプ
- 1 ことばにつまずきのある子どもへの指導プログラム
- 2 語想起・作文力・読解力につまずきのある子どもへの指導プログラム
- 3 数につまずきのある子どもへの指導プログラム
- 4 数概念(序数や基数)や文章題につまずきのある子どもへの指導プログラム
- 5 注意・集中の弱い子どもへの指導プログラム
- 6 社会性につまずきのある子どもへの指導プログラム
- 資料
- アセスメント
- 面接時記録シート
- 感覚・運動のアセスメント
- 読み・書きの誤り分析シート
- 指導記録・評価
- 人関係を育てるプログラム記録・評価シート
- ことばをはぐくむプログラム記録・評価シート
- 友達との遊びを育てるプログラム記録・評価シート(後半)
- 教材
- 宿題プリント
- ビンゴゲーム記録用紙
- 全体量と基準量1
- 全体量と基準量2
- 位取りのきまり
- 計算の自動化1
- 計算の自動化2
- 文章問題の読解
- 自己理解プリント1
- 自己理解プリント2
- プランニングシート1
- プランニングシート2
- 感情認知シート1
- 感情認知シート2
- ストレス理解シート
- コラム
- もうひとつの「りんご」はどーこだ?
- わかることって,おもしろい!
- おわりに
はじめに
お医者さんは,病気を治し,命を救う仕事です。見立てや処置や手術を失敗すれば,結果として,患者さんの症状が悪化し,命を失うことになりかねません。療育や教育はどうでしょうか。支援や指導が失敗したとしても,すぐに命に影響を及ぼすことはないでしょう。しかし,その失敗が子どもの自信や意欲を削ぎ,保護者の不安を駆り立て,親子関係を悪化させることにつながるかもしれません。療育や教育に関わる者としては,子どもや保護者の心や未来を預かっていることを念頭に日々の支援や指導にあたっていきたいですね。
と,いっても,日々の支援や指導を考えることで精一杯で先のことまで考えられない,見立てはできたが,将来的な自立の視点を踏まえた支援や指導が思いつかないと悩む支援者や指導者の方々がおられるのではないかと思います。
そこで,幼児期や児童期のつまずきに応じた指導プログラムを,本書でまとめました。第2章では,幼児期での指導プログラムを,第3章では,児童期での指導プログラムを紹介しています。幼児期,児童期のつまずきチャートでその子どもに合った指導プログラムを見つけて,指導を開始できます。各ステップでの指導の極意を解説していますので,極意をもとに,指導の内容や展開は,子どもに応じてアレンジして下さい。各プログラムは8回で終了を目安として構成していますが,子どもによっては,さらに回数が必要な場合も出てくるとは思います。私達が想定した子どもと本書を手に取られている読者の方が担当されている子どもとは違っていますので,本書の通りに支援や指導が進まないこともあるでしょう。大切なことは,本書通りの内容を行うことではなく,子どもの反応や気づきにアンテナを張り巡らせ,子どもの反応や気づきを活かす支援や指導を行うことです。
支援や指導がうまくいかないときには,子どもの見立てを再度,ふり返る必要があります。その時には,第1章のアセスメントをご活用ください。見立てでの子どもの特性や配慮,「できていること」「得意なこと」の見落としはないでしょうか。子どものよさを支援や指導に活かすことができているでしょうか。
この1冊ですべての子どもの指導プログラムをお伝えすることは不可能ですが,1人でも,多くのお子さんが「自信」や「意欲」がもて,保護者の不安が軽くなり,将来に向けた今を楽しみながら送れるようになることを心から願っております。
ニャンジー先生こと,高畑英樹
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