- はじめに
- 第1章 フレーズで想いを伝える3つのポイント
- ちょこっとフレーズの伝え方
- 大人も変わるちょこっとフレーズ
- ちょこっとフレーズの効果を発揮する方法
- 第2章 想いが伝わる「ちょこっとフレーズ」60
- 「子どもとつながる」フレーズ
- 01 素直に喜び合える「うれしい!」
- 02 子どもと一緒に授業をつくるための「助かる!」
- 03 教室の全てに感謝の気持ちがもてる「ありがとう!」
- 04 子どもとの学級づくりに感謝する「よくついてきてくれたね」
- 05 子どもと一緒に考え,寄り添う「なるほど」
- 06 子どもの考えに理解を示す「確かに」
- 07 子どもたちの理解者になるための「わかる」
- 08 子どもの気持ちに共感する「あるある!」
- 09 子どもの意を汲み取る「つまり,こういうことでしょ?」
- 10 子どもの共感を呼ぶ「実は,先生も昔は子どもだったんだ」
- 11 子どもと尊重し合うための「みなさんを尊敬します」
- 12 教師の反省を伝える「本当にその通り」
- 13 素直に謝る「間違えました。ごめんなさい」
- 14 子どもの指摘を明るく受け止める「ですよねー」
- 15 気持ちを込めて伝えられる「メッチャ」
- 16 心の底からの喜びを伝える「泣いちゃう」
- 17 感謝を伝える「みんなの担任になれてうれしいよ」
- 「クラスをつなぐ」フレーズ
- 18 子どもたち同士をつなぐ「これよ,これ」
- 19 子どもたち全員を信じる「考えてるね〜!」
- 20 教室の一体感を生み出す「まず,拍手」
- 21 子ども同士の学びの連鎖を生み出す「見て!」
- 22 子どもたちと共通語にしたい「素敵!」
- 「安心,ポジティブ」フレーズ
- 23 安心して考えを表出させる「そういうの好き!」
- 24 教室の全てが楽しく見える「楽しいねえ!」
- 25 ミスを取り返す「今から巻き返そう」
- 26 少数派も大切にする「先生は,好きだなぁ」
- 27 ネガティブな気持ちを軽くする「あらっ」
- 28 行事の本番前に効く「少なくとも先生は感動したよ」
- 29 子どもを安心させる「大丈夫,あとは大人に任せて」
- 30 真実を引き出す「大丈夫,嫌いにならないから」
- 31 子どものミスを明るく流す「ウケる」
- 32 子どもを後押しする「これならいける」
- 33 ネガティブな報告を大切にする「正直に言ってくれてありがとう」
- 「ほめる・認める」フレーズ
- 34 子どもの考えを輝かせる「そうですよね」
- 35 その子に笑顔が生まれる「やるねー!」
- 36 教師の価値付けが広がる「そこまでやっちゃう?」
- 37 子どものこだわりを称える「そこまで考えていたの?」
- 38 子どもたちの意見の細部を引き出す「濃いなあ」
- 39 当たり前の行動を広げていく「えらい!」
- 40 見えない価値を共有する「かっこいい!」
- 41 教室全体に目を行き届かせる「そこです!」
- 42 発言を喜びに変える「もしかして,天才?」
- 43 教師の喜びを伝える「先生,すごーくうれしい!」
- 44 子どもをさらに光らせる「輝いているよ」
- 45 努力の価値を伝える「そんなあなたはかっこいい」
- 46 行動の価値を伝える「素敵すぎる!だって…」
- 47 よいところを素早く伝える「さすがですね」
- 48 無条件で子どもを受け入れる「イイねー」
- 49 子どもたちをリスペクトする「大人だよね」
- 50 教師が子どもたちを肯定的に見る「成長したよね」
- 51 クラスのいい姿に気づける「素晴らしい!」
- 「頑張り,伸びる」フレーズ
- 52 子どもたちの素早い行動を促す「速い!」
- 53 子どもたち全員が素早く見える「1番,2番,3番!」
- 54 もう一歩レベルアップさせる「90点!」
- 55 子どもの意欲を取り戻す「10点!」
- 56 子どもの言葉が具体的になっていく「どう思ってる?」
- 57 教室に緊張感を生み出す「そう!それ!」
- 58 指導の確かな芯をつくる「正解!」
- 59 いい雰囲気でやり直しを促す「今すぐ直すと思うんだけど」
- 60 努力への見方を変える「努力って,本当は楽しいのよ」
- おわりに
はじめに
「子どもをほめましょう。」
若手の頃,色々な場面で言われたことです。
(せっかくほめるのだから,子どもに喜んでもらいたい!)
そう思って,本を買ったり,インターネットで検索したりして色々なかっこいいほめ言葉を集めました。
しかし,その言葉を使ってみてもなかなか子どもたちは喜んでくれません。
そんなある日,私の尊敬する先輩の授業をふらっと見る機会がありました。その先輩は子どもに,
「天才じゃん!」
と言いました。すると,子どもはとてもうれしそうな顔をしていました。
(私が天才だなんて言っても子どもは喜ばないのに,先輩だとなんで喜ぶんだろう?)
そう思い,その先輩になぜ天才と言ったのか聞いてみると,
「単純にすごいじゃん!だから感動して,天才!って言ったんだ。」
と,教えてくれました。私はそれを聞いて衝撃を受けました。
(大切なのは,かっこいい言葉を言うことではない。心の底から言うことなんだ)
その日から,かっこいい言葉を集めて使うのではなく,簡単でもいいから心の底から思ったことをポジティブに伝えるように心がけました。
それから数か月が経ち,あることに気づきました。
(あれ?なんだか,心の底からほめられる機会が増えてきているぞ?)
ポジティブに言葉をたくさん使ううちに,子どもの小さな行動でも感動できるようになってきたのです。
(心からそう思って出る言葉には力がある。それと同じくらい,言葉を使うことで育った教師の心もとても大切だ)
そんなことを思うようになりました。
本書では,すぐに使えるちょこっとしたフレーズをまとめさせていただきました。そのちょこっとしたフレーズには「子どもたちを輝かせたい!」「教師の想いを伝えたい!」という願いが込められています。
そんなフレーズを効果的に活用していただけるよう,次のようなページ構成になっております。
■こんなことありませんか?(学校生活の課題)
■フレーズの使用例(具体的場面)
■画像(具体的場面のイメージとフレーズの使用例)
■なんのためのフレーズ?(ねらい)
この「ちょこっとフレーズ」が,読者のみなさんのお役に立つことができれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
著者 /橋 朋彦
その言葉を発することで、教師自身が子どもの見方を変える助けになるのではないか。というお二人のお考えがとても伝わってくる本でした。
ちょこっとフレーズに魂をこめて、使い続けていきたいです。