- はじめに
- 第1章 学びの意味を求めて
- 1 社会科の課題と理念
- 2 C3フレームワークとIDM
- 3 IDMのキー概念と学習指導要領
- 4 IDMを具体化する筋道
- 5 IDMに基づく単元デザインの意義
- 第2章 「中学歴史」の単元をデザインする
- 1 歴史を捉える見方・考え方―歴史教科書の「太字」を活かす
- 1 「歴史を捉える見方・考え方」の実践上の課題
- 2 「歴史を捉える見方・考え方」における子ども・社会との関わり
- 3 「歴史を捉える見方・考え方」の働かせ方
- 4 「歴史を捉える見方・考え方」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 2 身近な地域の歴史―石碑と市町村史から考える水害対策
- 1 「身近な地域の歴史」の実践上の課題
- 2 「身近な地域の歴史」における子ども・社会との関わり
- 3 「身近な地域の歴史」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「身近な地域の歴史」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 3 世界の古代文明と宗教の起こり―古代文明の崩壊と森林伐採
- 1 「世界の古代文明と宗教の起こり」の実践上の課題
- 2 「世界の古代文明と宗教の起こり」における子ども・社会との関わり
- 3 「世界の古代文明と宗教の起こり」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「世界の古代文明と宗教の起こり」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 4 日本列島の誕生と大陸との交流―「国家形成」を中心に考える
- 1 「日本列島の誕生と大陸との交流」の実践上の課題
- 2 「日本列島の誕生と大陸との交流」における子ども・社会との関わり
- 3 「日本列島の誕生と大陸との交流」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「日本列島の誕生と大陸との交流」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 5 古代国家の歩みと東アジア世界―仏教でつかむ古代国家の歩み
- 1 「古代国家の歩みと東アジア世界」の実践上の課題
- 2 「古代国家の歩みと東アジア世界」における子ども・社会との関わり
- 3 「古代国家の歩みと東アジア世界」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「古代国家の歩みと東アジア世界」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 6 武士の政権の成立と,世の中への影響―中世最強の人物はだれだろう
- 1 「武士の政権の成立」の実践上の課題
- 2 「武士の政権の成立」における子ども・社会との関わり
- 3 「武士の政権の成立」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「武士の政権の成立」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 7 ユーラシアの動きと武士の政治の展開―世界史から捉える中世日本
- 1 「ユーラシアの動きと武士の政治の展開」実践上の課題
- 2 「ユーラシアの動きと武士の政治の展開」における子ども・社会との関わり
- 3 「ユーラシアの動きと武士の政治の展開」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「ユーラシアの動きと武士の政治の展開」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 8 ヨーロッパ人との出会いと全国統一―グローバル化の波が社会を変える?
- 1 「ヨーロッパ人との出会いと全国統一」の実践上の課題
- 2 「ヨーロッパ人との出会いと全国統一」における子ども・社会との関わり
- 3 「ヨーロッパ人との出会いと全国統一」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「ヨーロッパ人との出会いと全国統一」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 9 江戸幕府の成立と対外政策―江戸幕府の力の源を説明しよう
- 1 「江戸幕府の成立と対外政策」の実践上の課題
- 2 「江戸幕府の成立と対外政策」における子ども・社会との関わり
- 3 「江戸幕府の成立と対外政策」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「江戸幕府の成立と対外政策」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 10 産業の発達と幕府政治の動き―平和な時代の政府の在り方とは
- 1 「産業の発達と幕府政治の動き」の実践上の課題
- 2 「産業の発達と幕府政治の動き」における子ども・社会との関わり
- 3 「産業の発達と幕府政治の動き」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「産業の発達と幕府政治の動き」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 11 欧米における近代化の進展―欧米の近代化の魅力とは何か
- 1 「欧米における近代化の進展」の実践上の課題
- 2 「欧米における近代化の進展」における子ども・社会との関わり
- 3 「欧米における近代化の進展」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「欧米における近代化の進展」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 12 欧米の進出と日本の開国―幕府滅亡に追い込んだ真の力とは
- 1 「欧米の進出と日本の開国」の実践上の課題
- 2 「欧米の進出と日本の開国」における子ども・社会との関わり
- 3 「欧米の進出と日本の開国」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「欧米の進出と日本の開国」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 13 明治維新―社会を変革する主役は誰だろうか
- 1 「明治維新」の実践上の課題
- 2 「明治維新」における子ども・社会との関わり
- 3 「明治維新」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「明治維新」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 14 日清・日露戦争と産業革命―歴史を巡る対立を単元に取り上げる
- 1 「日清・日露戦争と産業革命」の実践上の課題
- 2 「日清・日露戦争と産業革命」における子ども・社会との関わり
- 3 「日清・日露戦争と産業革命」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「日清・日露戦争と産業革命」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 15 第一次世界大戦と日本―日本は第一次世界大戦の脇役か
- 1 「第一次世界大戦と日本」の実践上の課題
- 2 「第一次世界大戦と日本」における子ども・社会との関わり
- 3 「第一次世界大戦と日本」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「第一次世界大戦と日本」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 16 大正デモクラシーの時代―「デモクラシー」を視点に探究する
- 1 「大正デモクラシーの時代」の実践上の課題
- 2 「大正デモクラシーの時代」における子ども・社会との関わり
- 3 「大正デモクラシーの時代」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「大正デモクラシーの時代」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 17 世界恐慌と日本の中国侵略―戦争に至る原因の複雑さを探求する
- 1 「世界恐慌と日本の中国侵略」の実践上の課題
- 2 「世界恐慌と日本の中国侵略」における子ども・社会との関わり
- 3 「世界恐慌と日本の中国侵略」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「世界恐慌と日本の中国侵略」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 18 第二次世界大戦と日本―同調圧力と多様な考えの整理
- 1 「第二次世界大戦と日本」の実践上の課題
- 2 「第二次世界大戦と日本」における子ども・社会との関わり
- 3 「第二次世界大戦と日本」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「第二次世界大戦と日本」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 19 戦後日本の出発―占領政策の現代への影響を探究する
- 1 「戦後日本の出発」の実践上の課題
- 2 「戦後日本の出発」における子ども・社会との関わり
- 3 「戦後日本の出発」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「戦後日本の出発」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 20 冷戦と日本の発展―価値観によって異なる社会の見え方
- 1 「冷戦と日本の発展」の実践上の課題
- 2 「冷戦と日本の発展」における子ども・社会との関わり
- 3 「冷戦と日本の発展」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「冷戦と日本の発展」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 21 新たな時代の日本と世界―歴史学習を総括し,学びへの展望を
- 1 「新たな時代の日本と世界」の実践上の課題
- 2 「新たな時代の日本と世界」における子ども・社会との関わり
- 3 「新たな時代の日本と世界」における見方・考え方の働かせ方
- 4 「新たな時代の日本と世界」目標設定と単元デザイン
- 5 総括的パフォーマンスタスクの評価
- 6 多様な状況下における多様な実践の可能性
- 第3章 学校・教室空間に閉ざさない,デジタル社会へ
- ―社会へ開かれた社会科をつくる
- 生徒が主体的に社会を探究する
- 1 はじめに:社会科(歴史)の学びは誰のため,何のため!?
- 2 生徒自身が社会/歴史を探究する力の育成
- 3 まとめ:生徒主体の探究をつくり出す教師
- おわりに
はじめに
本書は,米国のInquiry Design Model(IDM)の理論に学び,中学校社会科地理,歴史,公民の単元デザインを提案したシリーズ書の1冊である。社会科とは実に皮肉な教科である。「社会」の語を冠した教科でありながら,それを学んだからといって,「社会」で生きる上で役に立つという実感が芽生えるわけでない,よりよい「社会」をつくりたいという意欲や自信が湧いてくるわけでもない。しかし,そのような社会科の実践が,長く再生産されてきたのが実態であろう。
本書のねらいはこの課題に挑戦することにある。この挑戦のために,「探究(Inquiry)」と「論証(Argumentation)」の概念を導入し,理論武装を図った。他所や過去の社会と向き合い,社会の課題を知的に考察し,社会を形づくる多様な言説や資料を読みこなし,データを活用して,社会の他者に向けて主張し,提案・発信する。本書が大事にしたい社会科とは,このような市民的活動を行うことのできる「平和で民主的な国家及び社会の形成者」の育成にある。@自己と社会との関わりの中から,問いを見出し解決していく「探究」,A自己と他者との関わりを通して,答えを表現し社会に働きかける「論証」,この2つの活動を車の両輪として単元をデザインすることで,上の目標に接近しようとした。
その意味において本書は平成29年版学習指導要領の改訂に対応した単元プラン集であると同時に,提案の書である。ただ,研究は緒に就いたばかりで,提案の細部までは論理が一貫していない。それは全て編者の責に帰するものである。ご叱正を請いたい。このような挑戦と提案の書に快くご協力いただいた全国の実践者と研究者,編者を引き受けてくださった大坂遊,渡邉巧,川口広美の各先生,そしてこの構想にご理解くださった明治図書出版に深く感謝申し上げる。
2021年8月 編者を代表して 草原 和博
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