- はじめに
- 第1章 学級崩壊したら…こう、凌げ!
- 学級崩壊しても、生活は守れ!
- 「担任を辞めさせるゲーム」がある!…乗るな
- 責任は自分にない、と断言せよ
- 力のある教師でも、学級崩壊を起こす
- 学級崩壊は運の悪い「宝くじ」だ
- 学級崩壊したら、誰も立て直せやしない
- 「積極的な撤退」あるのみ
- 「学級崩壊の特効薬」があるなら、くれ!
- 「高尚」な実践からは手を引け
- 子どもたちの挑発は無視しろ
- 困った子は、他の教師に押しつけてしまえ
- 「苦手」な子とは「距離」を取れ
- 弱った姿を見せて心配してもらえ
- 学級崩壊はいつか「良い思い出」になる
- 終わらぬ1年はない、カウントダウンせよ
- 愚痴って、「ガス抜き」せよ
- 学校を出たら教師を「辞めろ」
- 子どもや学校のことなんか、忘れてしまえ
- 「心」の医者にかかれ
- お金だけはもらっとけ!
- 第2章 学級崩壊を見たら…こう、援護せよ
- 次は自分が学級崩壊する番、と怖れよ
- あなたの「せい」で地獄を見ている同僚がいる
- 「守ってくれない」校長はいらない
- 学級崩壊した教師は職員室に「命」を握られている
- 声ぐらい、かけてやればいい
- 「もう、戦わなくてよい」と声をかけよ
- 学級崩壊に打つ手なし、とあきらめよ
- 援護は休息させるほか、何もない
- 担任と子どもの「距離」を離してしまえ
- 「合法的」に子どもを取り出してしまえ
- 崩壊学級担任はただただ、助けを乞うている
- SOSの声を聞いたら駆けつけよ
- 少しずつ、みんなで我慢せよ
- その他大勢の雰囲気を力に、学年全体で動いてごまかせ
- 全校の前では、崩壊学級の「真」の姿を隠せ
- クラスの子への苦情が崩壊学級担任を追い込む
- 最終手段「副担任制」
- どんな愚痴だって、聞いてやれ
- 辞められたら自分が苦しいから助けるのだ
- 第3章 ブラック言いっ放し…もう止まらない
- 「周りが全て、敵」そんなヤツこそ味方してやれ
- 「学力保障」より「成長保障」せよ
- 結果オーライの人生が中村流
- ライター・中村健一の遺産
- お笑い教師・中村健一の遺産
- トラブルは、「吉」。トラブルを喜べ
- 3ヶ月先を見て、働け
- カリスマ教師なんか、いらない
- 「地下」に潜るしかない
はじめに
令和2年の4月下旬。私は、1冊の本を出版した。
梶川高彦・中村健一編著
『崩壊学級担任を救う33の方法&つぶす13の方法』(黎明書房)
である。章立ては、次の通り。
第1章 崩壊学級担任を救う8の発想法
第2章 崩壊学級担任を救う14の方法
第3章 崩壊学級担任がしてもらってうれしかった11の方法
第4章 崩壊学級担任をつぶす13の方法
特に、第3章、第4章がすごい。実際に学級崩壊を経験した教師たちが「してもらってうれしかったこと」と「されて嫌だったこと」を書いてくれている。
学級崩壊した経験なんて、誰しも思い出すのは、嫌なはずである。苦しいはずである。実際、精神的に参って、一度は執筆を断ってきた教師もいる。
それでも、彼ら彼女らは、書いてくれた。今現在、学級崩壊で苦しんでいる教師たちを救うために。自分と同じような苦しい経験をしている教師たちを救うために。
彼ら彼女らには、本当に頭の下がる思いである。心から感謝している。
そこで、珍しく私もがんばった。黎明書房の武馬久仁裕社長に頼み込んで、緊急出版してもらったのだ。執筆時期は、かなり遅かった。それでも、なんとか頼み込んで、5月下旬発刊の予定にしてもらった。
しかし、最近の学級崩壊は、早い。昔は、ゴールデンウィーク明けが多かった。しかし、今は下手をすると、4月の内に崩れる。
そこで、さらに頼み込んで、4月下旬に出版してもらった。本当に、無理を言ったと思っている。そして、武馬社長には、感謝している。それなのに、
コロナ禍で、4月は、全国一斉休校の真っ最中。
学校が始まっていないのだから、誰も学級崩壊していない。
誰も学級崩壊で苦しんでいないのだから、こんなに幸せなことはない。
しかし、当然、『崩壊学級担任を救う33の方法&つぶす13の方法』は、売れない。学級崩壊が起こっていないことで、この本の需要はなくなった。
笑うに笑えない。なんとも表現しがたい、不思議な事態になってしまった。
メッセージ性の強い、非常に良い本なのに、売れない。こんな理不尽なことはない。
そこで、リベンジである。腹黒い私は、『ブラック』の力を借りることにした。
『ブラック』をタイトルにつける。そして、明治図書から出版する。
本を売るためには、最高最善の「策略」である。
批判は、覚悟の上だ。それでも、『ブラック』の力を利用して、『崩壊学級担任を救う33の方法&つぶす13の方法』で主張したかったことを、多くの人に広めたいと考えたのだ。そして、学級崩壊で苦しむ教師を、1人でも多く救いたいと考えたのだ。
せっかくのリベンジの機会である。本書では『崩壊学級担任を救う33の方法&つぶす13の方法』以上に、学級崩壊を起こしている教師の同僚に向けてのメッセージを強く書いた。本文にも書いたが、次のことは強く訴えたい。
崩壊学級担任を救うのは、私、中村健一ではない。
そばにいる同僚の、あなたなのだ。
教師は、良心的である。良心的であるから、教師になったと言っていい。学級崩壊で苦しむ同僚を救いたいと考えている教師は、多いはずだ。そこで、第2章は「学級崩壊を見たら…こう、援護せよ」にした。
学級崩壊で苦しむ教師は、第1章を読んで欲しい。
同僚の崩壊学級担任を救いたいと思っている教師は、第2章を読んで欲しい。特に、管理職は、絶対に読むべきだ。
そして、どちらでもない方は、第3章の「言いっ放し」を気楽に読んで欲しい。
この本によって、1人でも多くの教師が、厳しい学級崩壊の1年間を生き抜いてくれれば本望だ。
地獄のような学級崩壊の1年間を生き延びるために、黒くなれ!
2020年12月8日
母の誕生日&ジョン・レノンの命日に /中村 健一
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