- はじめに
- 序章 教材キットで理科授業が変わる!
- 堂々と教材キットを使おう
- 教材キットのメリット
- 第1章 基本編 ―ひと目でわかる!授業運営ビジュアルガイド―
- 教材準備 中身を調べ,キット以外の準備物をチェックする
- 事前演習 単元に入る前に,子どもと同じ活動を体験しておく
- 学習規律 指示があるまで触らないなどのルールを話し合う
- 教材配布 すべての部品がそろっているか確認し,名前を書く
- 発問 どんな実験か,実験で何を調べるのか明らかにする
- 板書 毎時間,同じレイアウトで書く
- 指示 実験が終わった後のことまで見通しがもてるようにする
- 個別実験 一人ひとりの子どもに合わせて実験をカスタマイズする
- 支援 個々のつまずきを把握して適切な支援をする
- ノート 毎時間,同じレイアウトで書くように指導する
- 片付け 小さなパーツはチャック付きポリ袋に入れる
- 評価 事前にテストや通知表の内容や項目を確認しておく
- テスト 語句に関する問題は,事前にきちんと指導しておく
- 通知表 「実験・観察の技能・表現」はパフォーマンステストで評価する
- 第2章 実践編 ―キットでバッチリ!成功の理科授業プラン―
- 3年
- かげのでき方と太陽の光
- あたたかさと太陽の光
- 風やゴムのはたらき
- 電気で明かりをつけよう
- じしゃくのふしぎをさぐろう
- ものと重さ
- 4年
- 電気のはたらき
- 月や星
- 空気や水をとじこめると
- 5年
- たねの発芽
- ふりこのきまり
- もののとけ方
- 電流と電磁石
- 6年
- 月と太陽
- 発電と電気の利用
- 第3章 発展編 ―参観日もおまかせ!キットでつくるハイレベルな授業―
- 個別の学びを創る教師の仕事
- 学級を研究者集団にする
- 教室からとびだす
- 参観日は教材キットで
- 研究授業も教材キットで
- おわりに
はじめに
本書は「文系教師のための理科授業」シリーズの第4弾です。
前作までと同様,理科の苦手な先生のために作りました。
今回のテーマは,多くの教室で使われている理科の教材キットの活用法です。
じつはこの企画を立てた段階では,著者たちの間には教材キットに対する抵抗感がありました。完成度の高い教材キットを使うことで,教師が授業を工夫する楽しさを感じる機会を奪ってしまうのではないか。教材キットに頼って授業をおろそかにしてしまうのではないか。その結果,子どもたちが理科嫌いになりはしないだろうか…。そんな心配から,幾度となく企画そのものに対する話し合いを行いました。
一方で,学校現場には日々の理科の授業で悩んでいる先生がたくさんいます。そういった先生の多くが後ろめたい気持ちを抱きながら教材キットを利用しており,しかし,それでも授業がうまくいっていないという現状があります。本シリーズで一貫して取り上げてきた文系教師に共通する悩みです。
そこで発想を180°転換し,教材キットを堂々と胸を張って使えるようにしたい。そのためには教材キットの特性を明らかにし,その良さと留意すべき点を顕在化する。そして教材キットのメリットを活かしながら,より高いレベルの理科の授業ができるように提案したい。著者たちは,そんな気持ちで本書を執筆しました。
どうぞ本書の趣旨をご理解いただき,積極的に教材キットを使いながら理科好きな子どもを育ててください。
2013年4月 著者/福井 広和・國眼 厚志・高田 昌慶
【本書のねらい】
・一人ひとりが触ることのできる教材キットを使って,子どもの学びを保障し,理科好きな子どもを育てる。
・理科に対して苦手意識のある教師でも,教材キットを利用することで,少ない準備できちんとした授業ができるようにする。
・参観日や研究授業にも耐えうるレベルの授業をめざす。
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- 明治図書