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- 支援のあるクラスづくり
- 特別支援教育
今回は、「授業中に立ち歩く子どもへの対応」です。まみ先生ちょっと深刻そうですね。
まみ先生
クラスのA君のことで、どうしたらよいか困っています。
入学してしばらくはA君もおとなしかったのですが、5月の連休明けくらいから立ち歩くことが多くなりました。また、授業中でも、すぐにトイレや水飲みに行くと言って教室を飛び出すことも多くなりました。勉強もわからないことが少しずつ出てきています。
どう指導をしていったらよいでしょうか。
裕子先生からのアドバイス
まみ先生、1年生の4月でしたら、初めての学校生活でどの子も落ち着かないものです。けれど、学級のルールが1つひとつ定着してくると、ほとんどの子は、ルールに従って学校生活を送ることができるようになるものです。逆に、そんな5月から、立ち歩いたり、飛び出したりが目立つようになったA君の場合、その原因を考えてみる必要がありますね。
A君の場合どんなところに原因があるでしょうか。
いつ、どんな時に立ち歩いたり、飛び出したりすることが多いのでしょうか。
- 苦手な学習になると、立ち歩く
- 作業的な活動の時はよいが、聞くことが中心の学習になると立ち歩く
- 暑い日は飛び出しが多くなる
- 他の子がざわざわしている時にトイレや水飲みに立つことが多い
その他にもA君に課題はないか考えましょう。
- 友達関係はうまくいっているか
- 生活面には課題はないか
授業が始まってしばらくは座っているが、途中から立ち歩くという場合は、学習内容が理解できず、興味関心がもてないことが多いでしょう。
暑い日や騒がしいなどの環境要因がある時は、感覚過敏であることも考えられます。
生活面では、着替えが遅い、次の取り組みへの切り替えが難しいなどのやりにくさはありませんか。
A君にはこんな対応はいかが?
学習の内容が理解できるような手立てを考えましょう。
- 言葉での指示は短く、わかりやすくする。
- 場面によっては、絵や写真など活用し、視覚支援をする。
- 各自の取り組みの時間を使って、A君に向けて具体的に課題を示したり、問題の量を減らしたり、個別の支援をする。たとえば、板書を全部写させず、赤の囲みのところだけを書かせる。
- 書くことが苦手な場合はコピーを貼る、板書をデジカメで撮り、それを貼るなど、書くことの抵抗を減らす。
暑さなどの環境調整にも配慮しましょう。
- 水飲み等で本人なりに調整している場合もありますが、その場合は自由に行かせず、「水飲みに行きます」と担任に報告してから行かせるなどのルールをつくる。
生活面のやりにくさにを改善する作戦を立てましょう。
- 着替えなどのやりにくさは家庭にも協力をお願いし、練習をしてもらう。
- 場面の切り替えの難しさは、前もって「次はこれをするよ」と予定を繰り返し告げ、見通しをもたせる。
ほめて意欲を高めましょう。
- 席に着くことができた時には、ほめるなどプラスの評価をすることで、学習に向かうきっかけをつくる。
どの子も授業に集中して参加できるように!
わかりやすい、楽しい授業にすることが、すべての子への支援となります!まずは、授業改善への挑戦してみてください。
- 授業のはじめに1時間の流れを示し、学習の見通しをもたせる。
- 指示は簡潔に、わかりやすくする。
- 授業の構成を考え、作業などの活動も取り入れ、集中できるように1時間に変化をもたせる。
- 予定の変更は、なるべく減らし、変更する場合は早めに知らせる。
まみ先生
飛び出したり、立ち歩いたりの行動にもいろいろと原因があることがわかりました。A君なりに困っていたのですね。わかる、楽しい授業を目指して工夫してみます。
授業中の子どもの立ち歩きへの対応ポイント
- 立ち歩いたり、飛び出したりする原因を見極め、それに対応した手立てを工夫しましょう。
- クラスのどの子も分かる、楽しい授業を目指しましょう。
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