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- 支援のあるクラスづくり
- 特別支援教育
今回は行事について、けんた先生から相談を受けました。
けんた先生
B君を学芸会にどう参加させたらよいか悩んでいます。発達障害の疑いがあるB君は、集団活動が苦手なのでしょうか。劇の練習を始めてもすぐに抜け出して、体育館のすみでうずくまっていたり、小道具で遊んだりします。春の運動会でも、体を動かすこと自体は好きですが、みんなとのダンスに参加できませんでした。行事でみんなと同じ活動ができない子には、どんな対応をしたらよいか教えてください。
裕子先生からのアドバイス
学校行事は、子どもたちが力を合わせて取り組むイベントですから、教師側の苦労は多いものの、やり遂げると子どもの達成感は大きく、成長も期待できます。
B君の自信につながるまず一歩の工夫を…
普段の算数や国語の授業とは違い、行事は、毎日活動内容が変わり、見通しが持ちにくく、発達障害のある子など変化に弱い子どもにとっては苦手な取り組みと言えそうです。
でも、苦手だからできない活動と決めつけることはやめましょう。
苦手な行事で、小さい目標でも達成できた体験は、B君にとって自己有用感を育む大切な機会になるでしょう。
見通しを持たせることから…
学年全体で演目等が決まったら、B君にその内容を伝えたり、学芸会という行事がどんな風に行われるのか個別に指導したりすると、全体の流れをつかみ、参加しやすくなるかもしれません。事前に家庭で昨年の学芸会のDVDや「はだかの王様」を演じるのであれば、その絵本の読み聞かせをお願いするのもよいかもしれません。それを通して、本人に「やってみたい!」と思わせたらしめたものです。
全体練習でも、しばらくは本人に様子を見させ、話が流れるようになってから参加させると混乱しないでしょう。
まずは一歩トライしてみる…
学芸会の劇は、しゃべるのが苦手な子にはハードルが高いかもしれません。役決めで配慮をして、たとえばダンスだけ、何人かと一緒に言うセリフだけ、また言いやすいセリフに直すなど、具体的な配慮を行うとよいでしょう。
何よりも本人に無理強いさせることなく、やってみたい、やってみようと思わせ、一歩を踏み出させることが大切です。
行事の参加については、本人の取組状況を見ながら、家庭や本人の希望も聞きながら、じっくりと考えましょう。
どの子の意欲も引き出す事前学習に力を入れてはどう?
特に低学年の場合などがそうですが、行事への参加経験が乏しく、B君のように見通しが持てずに不安に思っている子もいるかもしれません。また、「みんなの前で舞台にあがるのは恥ずかしいなぁ」などと気おくれしている子もいるかもしれません。
行事活動はどの子にも、ぐんと成長させる力がある活動です!一工夫してみましょう。
- 過去のDVDや写真など視覚的な支援を取り入れながら、行事の様子を伝え、活動を理解させると、どの子も見通しが持ちやすくなります。
- 時間割の急な変更も黒板に掲示するなどして、予定をわかりやすくすることも見通しにつながります。
- 苦手感をもつ子も多いので、この行事については特に何をがんばるかの目標を各自もたせ、意欲を引き出し、そのことを達成できるよう努力させることが大切です。
けんた先生
「みんなと同じ」にこだわらず、意欲を高め、その子に合わせてまず一歩!ですね。できることを考えていきます。
ビックリするくらい子どもを伸ばす!行事への取り組み
- 活動の流れが見通せる工夫をしましょう!発達障害のある子など苦手さのある子には、活動の流れに見通しがもてる段階に入ってから、具体的な指導をするのが効果的です。
- 様子を見ながら本人や保護者の方と相談して、参加の方法を考えていきましょう。
- どの子にも、成功体験を味わえるよう意欲を引き出す事前指導を工夫しましょう。
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