著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
失敗と出会いが教師の力を育てる
上越教育大学教職大学院准教授赤坂 真二
2013/6/25 掲載
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  • 教師力・仕事術
 今回は赤坂真二先生に、新刊『赤坂真二―エピソードで語る教師力の極意』について伺いました。

赤坂 真二あかさか しんじ

1965年、新潟県生まれ。上越教育大学教職大学院准教授。学校心理士。「現場の教師を元気にしたい」と願い教師仲間と全国「学級づくり改革」セミナーを立ち上げ、年間数十回の講演を実施して全国行脚。19年間の小学校勤務では、アドラー心理学的アプローチの学級経営に取り組み、子どものやる気と自信を高める学級づくりについて実証的な研究を進めてきた。そのユニークな取り組みは、NHK新潟「きらっと新潟」(2007年3月)で特集が組まれたほどである。2008年4月から、より多くの子どもたちがやる気と元気を持てるようにと、情熱と意欲あふれる教員を育てるために現職に就任する。主な著書に『スペシャリスト直伝! 学級を最高のチームにする極意』『担任がしなければならない学級づくりの仕事12か月 小学校高学年』『スペシャリスト直伝!学級づくり成功の極意』 (以上、明治図書)などがある。

―本書は、「エピソードで語る教師力の極意」シリーズの1冊で、赤坂先生の教師人生を支えてきた方法や発想を、具体的なエピソードをまじえて語っていただく書籍になっています。まず、先生にとっての「教師力」とはどのようなものでしょうか。

 いくつかありますが、そのなかでも「自己更新力」と「継続力」が大切だと思っています。
 前者は、「我以外皆教師」の精神で、貪欲にかつ謙虚に学び、自分を常に新しく塗り替えていく力です。
 後者は、頑固なまでに自分の志を貫き、自分の育てたい子ども、実現したい教育の姿を追い続ける力です。
 両者は、相反するような能力ですが、どちらも大切にしながら両者のバランスをとりながら実践を積みます。

―Q1で先生があげられた教師力を身につけていくには、どういったことが大切と思われますでしょうか。

 これも複数ありますが、「仲間とつながる力」と「一人でがんばる力」です。
 仲間は、ときには味方になり、ときにはライバルになります。
 仲間とつながることで自分一人ではとても集められないレベルの情報を手に入れることができます。
 一方で、情報をあふれるほど手に入れてもそれを活用できなくては意味がありません。
 ときには一人になり、その情報を整理し、活用した結果をじっくり振り返ることが必要です。
 これも相反する力ですが、やはりバランスが大事だということです。

―赤坂先生がこれまで教師をされていらっしゃる中で、「転機」と言える場面が幾つかおありかと思います。一つあげるとすれば、それはどのようなことでしょうか。

 “学級崩壊”と呼ばれるような機能不全に陥った学級を担任し、その学級を学年チームとの協働力で乗り越えたことです。

―教師生活は、「大切な出逢い」に彩られていらっしゃると思います。子どもとの出逢い、同僚教師との出逢い、恩師との出逢い。その中で、赤坂先生にとって印象深い出逢いを一つご紹介下さい。

 それはなんと言っても、私の教師モデルである恩師との出会いです。
 彼の学級でのエピソードは本書の第1章に書かれてあります。
 彼は永遠の憧れであり、ライバルです。
 そして、自分の行き先を示す灯台でもあります。

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いいたします!

 普通の教師の普通の成長過程の歩みを思うままに書きました。
 これまでの書籍とはずいぶんと違った印象かもしれません。
 これまで書くことのなかった内容をふんだんに盛り込みました。
 そして、書いていて一番楽しかった本でもあります。
 一読いただければ幸いです。

(構成:及川)

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