- 著者インタビュー
- 教師力・仕事術
自分が1番すすめているのは、「校内の先生から学ぶ」という教師修業です。身近な先輩先生に「教えてください」と声をどんどんかけることだと思うのです。自分は初任の頃、図工に詳しい教頭先生に、毎週土曜日1時間以上「図工実践を学ぶ場」を作っていただいたことがあります。
自分が興味を持ったことは、全てメモをするようにしています。テレビを見ていても、車を運転していても、「あっ。これ面白い!」と思ったらすぐにメモします。そのために、常に書く物をそばに置いています。書かないとすぐに忘れてしまうからです。一度メモしただけでは忘れてしまうので、facebookやサークル通信などに書き直したり、サークルの仲間に話したりして、しっかりと記憶に留めることが出来るように努めています。
共育カードについては、拙著『一人ひとりを見つめる子ども研究法の開発』(明治図書)に詳しく書いているのですが、「保護者とのやりとりカード」と言い変えてもいいです。子ども達の家での様子を、保護者から教えてもらうためのカードです。特に、保護者の目から見て、成長したなあと思うことがあったら教えてくださいと言っています。子ども達を教師だけでなく、保護者と一緒に育てていくための道具の一つにしています。
一番は、生活リズムを変えないということです。朝は4時起き、夜は11時までに寝る。これを32年間、ほとんど変わらず続けています。このリズムが狂った時、大病をしてしまいました。その時のお医者さんの言葉が忘れられません。「無理が過ぎると無茶になる。少しの無理なら大丈夫と思っていても、見えない所でどんどん健康を害しているのですよ」この言葉通り、無理をしない。無理なら諦める。この心で日々教師修業を続けています。
本著は、授業が下手で子ども達から「授業やめよう。遊ぼう!」と言われた自分が、少しずつ少しずつ「授業大好き人間=授業人」に変わっていく様子を書いています。そこには、多くの人や出来事との「出会い」があります。「出会い」のたびに「新しいことへの挑戦」を繰り返してきました。教師修業は、「出会い」を生かし「挑戦」し続けることだと思っています。54歳になった今も「新しい出会いと挑戦」を求めて、教師修業に励んでいます。読者の皆さんとの出会いを楽しみにしています。