本書では、モチベーションを高める(生徒のやる気を引き出す)+マネジメント(授業運営やプランニング、コントロール)=モチベーション・マネジメントという意味で用いています。
つまり、「なんとなく生徒が動いている状態」から、「こうすれば必ず生徒が動く状態」を教師が把握し、生徒のやる気を高めるための仕掛けを意図的に指導プランに盛り込んで行うことです。
自律的学習者を育てることができれば、生徒は自ら学ぶようになります。そこで、教師としてどのような支援ができるかを考えた時に、授業の最初に種をまき、授業を通して水を与え、授業後には芽が出始める段階までもっていくことができれば、授業時間外でも学び続けるautonomous learnerを育てることができると思いました。そのためには、芽が出ることをイメージし、必ず出るような手順を踏んで授業プランを立てることだと気付きました。
限られた時間の中で最大限に生徒の力を伸ばすには、生徒の心をつかみ、授業を適切にコントロールすることが大切です。本書では、指導者の意図や戦略を具体的にまとめ、「Objective=目的」を大切にしています。身に付けさせたい力を明確にし、目的を持った指示を出し、目的を持ったタスクを課し、生徒の自主性を尊重しながら学び方も伝えるようにしました。 4技能5領域別にまとめていますが、すべてリンクしていることを知っていただきたいと思います。
小中高の学びを接続させるため、「聞く、読む、話す(やり取り、発表)、書く」の5つの領域を有機的に関連付けながら指導することが大切だと思います。特に、やり取りの部分では、「即興」をキーワードに、準備させずに相手との対話を通して自分の考えを再構築する活動を充実させることが主体的・対話的で深い学びを実現することにつながると思います。
これまでに私が何度も先生方から尋ねられた英語授業に関する質問に答えるために、「授業づくりのポイントQ&A」のパートも設けました。先生方が同様の質問をされたときに参考にしていただけると幸いです。生徒が英語の楽しさを感じられるような授業を、1時間でも多くしたい、本書がその一翼を担えたら幸いに思います。英語教育の明るい未来に、共に実践・研究してまいりましょう。
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- 名無しさん
- 2019/3/25 0:48:44
日々の授業で使えるアイデアが豊富、かつイラスト付きで分かりやすい!