- 特別支援のツボ
- 特別支援教育
桜の淡いピンクと青空、新年度がスタートします。「新」は、切り替えです。どの子も「○年生」から、違う自分に出会うことができます。持ち上がりのクラスであっても(だからこそ?)、このことを大切にしてくださいね。さて、「特別支援のツボ」の最終号に、特別支援のポイントをまとめてみました。
その1 担任自身が、「自分を大切に」しましょう。
クラスのどの子にも目を配っていくには、エネルギーが必要です。心のゆとりと健康が基本です。疲れがたまること、目の前のことに追われることを上手く回避しましょう。
リフレッシュ、ユーモア精神と笑う機会、プラス思考、体力づくりが大事です。自分が笑顔でいられる日常をつくるのが一番です。
その2 抱え込まずに、「共に育む」方向を目指しましょう。
今、支援を充実したいのは、分かりづらい子、理解にひと努力いる子たちです。多様な見方を知ろうとする柔軟な姿勢や、他の人の意見を聞いていく積極性が、特別支援教育時代の担任に求められています。多くの人の力を借りましょう。これまで以上にチーム力が必要なのです。自分の方から、質問する、相談する、学んでみる機会(校外でも)を多くしていきたいものです。
その3 「個性を認める」ことを、クラス風土にしましょう。
違いを認め合って、助け合う。これは、特別支援に限らず、教育の目指す方向です。子どもたちは、担任が一人一人を認めている・褒めている姿で、そのことを学んでいきます。具体的なモデルが担任なのです。みんな大事な存在だという価値観を、どの場面でも揺るがないクラスであって欲しいです。それには、個々のよさ、力を発揮できるところ探しを担任もクラスもいつもしていくことが必要です。クラス風土を培ってください。
その4 過ごしやすい、学びやすい「環境づくり」をしましょう。
刺激の選択や、情報の受け取りから課題がある子たちです。すっきりした教室環境に、気を配る必要があります。視覚・聴覚情報が整理されているかどうか、点検する視点・習慣を身に付けていきます。自己有能感が低くなっている場合がほとんどです。やわらかい口調のぽかぽか言葉など、温かな言語環境も日頃から心がけておくと、トラブルが減り、心のとげも和らぎます。
その5 「わかりやすさ」をキーワードに、授業・指示の工夫に努めましょう。
授業や指示の受け止めは、個々に違いがでます。机間指導や、個別の声かけ、問い直し、ノートやテストの内容の確認、その時の表情など、意識的に個に注目します。行動の基本になるクラスのルールは、特に、みんなにとっても、分かりやすいことが重要です。単純化、視覚化…。工夫を重ねてくださることをお願いします。先行経験を活かしていきましょう。
その6 一歩でも「先読みの支援」を心がけましょう。
どうしても、大きな集団の中では、やってしまってから叱られ、指導されがちです。少しでも、予測を立てて、支援がしたいですね。集中が途切れる前に「あと3分だね」、「お、ここよく書けているな」そんな一言に子どもたちは救われます。あらかじめこうしておく方がといいかもしれない支援を探しましょう。この先読みという視点、これからますます重要になります。多くの方の知恵を集めることが有効です。
その7 「保護者と連携」して、子育てを支援しましょう。
個性や、背負っている環境に違いはありますが、支援を必要としている子どもを育てていて、悩んだり苦しんだりしない保護者はまずいません。子育ての模索を日々続けています。私たちが今見ている保護者の姿はきっと、とても小さな一部に過ぎない気がします。子どもだけでなく、保護者も自己有能感を失いがちです。保護者を支えることは重要です。保護者と繋がっていく道は一つではありません。ただ、子どもの成長を願う仲間であると信頼してもらうだけです。
1年間の「特別支援のツボ」、お付き合いいただきましてありがとうございます。編集担当のKさん、とてもお世話になりました。
読んでくださったみなさん、ネットなのでお顔は見えませんでしたが、こんなつながりがもてて、幸せに思っています。また、どこかで、お会いしたいです。どうぞお元気で!