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- 特別支援のツボ
- 特別支援教育
暑い、強い陽ざしの日々が続きました。子どもたちの額の汗を見ると、今年の夏の電力事情は誰もが心配になりますね。
前回の記事では、教室の「気になる子」をそのままにせず、できるだけ早くに実態を把握して、校内のコーディネーター等にも相談をしておきましょうと提案をしましたね。今回は6月に向けて、その実態把握を校内支援体制や学級指導へ生かそうとしている実践例を紹介してみます。
A先生は若手の低学年担任。クラスで気になったゆういち君は、授業中におしゃべりが多く、ともすると、担任の話の途中に口を挟みます。A先生は、1〜2週間、机間指導しながら、時間割の枠の中にゆういち君の様子をメモしました。放課後、ノートやテストを見ながら学習の参加状態も振り返りました。計算は間違いが多いし、字も乱暴さはあるものの、思ったよりも学習内容は理解していることが分かりました。「ふーん、行動が目立つと、学習の力を見まちがうこともあるんだな」A先生はメモを見て思いました。
A先生の相談を受けて、校内委員会では、養護教諭のコーディネーターとベテランの学年主任が、授業や休み時間、ゆういち君を気をつけてみるようにしました。
学年主任:なるほどおしゃべりが多いね。だけど、よく見ていると、ユニークな発言も多いなぁ。教師が発問した後に、すぐにやること、例えば、ノートに書いてみようとか、隣の人と相談してみようとか、間を置かずに全体に指示することも大事かもしれないよ。やることがある、スピード感がある方が集中できるし、彼も主張ができる。作業の間に、なかなかいい考えだねと、いくつか紹介できるから、満足できると思うがどうだろう。
コーディネーター:ゆういち君は、ほぼ学年相当の学力はあるようですが、気が散りやすく、集中が続かないようですね。特に週初め、4時間目の終わりや午後がきつそうでした。支援員をクラス全体への支援ということで、月曜日の1・2時間目と給食時間からつけて、サポートしてみましょうか。気持ちよく家に帰れるようにしましょうよ。
その後のA先生の感想です。
まだまだスタートです。よい結果を得るには時間がかかるかもしれません。でも、よかったです、相談して。そのほか、偏食の多いみどりさんについては、お皿に食べられるだけのほんの少しだけを盛って、食べられた実感、終わりを大切にすることも勉強できました。ぼくだけでは気づかないことがたくさんあります。クラスの子をみんな(学校)の子にするってこういうことなんですね。
忙しい教育の現場では、「見過ごし」「対処遅れ」はままあるものです。だからこそ、特別支援では、組織力を助けに、『流されない』で子どもたちの笑顔を保障しましょう。
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