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- 特別支援のツボ
- 特別支援教育
秋も深まってきました! テレビに紅葉の場面が映ると、「ここにも、あそこにも行きたいな」と、眺めてしまいます。そんな中、今回は、授業参観(授業公開)について取り上げてみました。
この頃、授業参観は、時間単位や日単位ではなく、2〜3日や週間単位のところも増えてきました。いつでもどうぞ、いつも通りにとはいっても、やはり、授業参観は、保護者の学級・学校への安心・信頼を深める大事な機会です。保護者は、「先生方は、どんな指導をしてくれているだろうか?」「クラスの雰囲気は?」「うちの子の様子は?」という思いで、授業参観に訪れます。どの子も活躍している姿をお見せしたいものです。
教室で気になる子たちは、環境が変わることで、力を発揮できなかったり落ち着きをなくしてしまったりすることがあります。その日の夕飯時に、保護者から叱られるのではなく、笑顔で授業の話が語られるようであってほしいと切に願います。そのために必要な、いくつかの配慮を挙げてみます。
掲示
参観されるのは、普段通りの様子だけとは限りません。その時間の授業だけでない学習の積み重ねを見ていただくことも大事です。掲示物等は、より丁寧に点検をしておきます。努力していたことを浮き上がらせる評価の言葉を添えることもポイントです。参観時の状態がよくない場合でも、保護者に、事実で成長が伝えられ、わが子を褒める言葉が生まれます。
意欲づけ
人前で緊張するのも、張り切るのも裏表一体です。授業の内容とともに、「見てもらえる」ことをプラスに印象付けていくことも必要です。全体指導でも、保護者とも、そのことを心がけます。
自信がない場合に、意欲がもてなかったり集中できなかったりするのが特性です。「今日は大丈夫!」という気持ちで授業に参加させたいものです。発表場面があるならば、予めまとめておいたり、練習しておいたりすることが重要になります。
準備
教科書、ワークシートなど、忘れ物はないかに配慮しましょう。前回までが、どうだったか声かけをしておく、ノートを見てあげておくことも必要です。
クラスのルール
間違っても笑わない、どんな意見も大切にするというクラスの雰囲気づくりの努力は、どの保護者等にも安心感をもたらします。授業の中で、教師自身が「そうだね、こういうことかな」など、上手く受け止め、生かしている姿勢を目にすると、一層、信頼感が増します。
授業の構成・メリハリ
集中が長く続かないことは分かっています。10〜15分単位で、授業の構成を考えます。発問や説明の言葉を短くし、テンポよく進めます。どの活動も終わりの目安がもてることが集中できる鍵なので、授業の流れを黒板横や、ミニホワイトボードで示しておきます。隣の子や班で確かめ合うなど活動を多様にし、個別の机間指導を丁寧にしましょう。
保護者への問いかけ
私自身もそうですが、わが子を中心に見ているのが保護者です。こんなときにこういう言葉かけがあればなど、願いや希望は必ずあります。全てが妥当でも、かなえられることでもないのですが、指導者側が気付かないことも多いものです。参観後の問いかけを大事にしてください。
さて、授業参観の時、子どもたちは日頃の様子と違い、静かだったり、張り切って発言したりすることもありますね。とても嬉しい姿のはずです。でも、日々指導に悩んでいる先生は、「いつもこんなじゃないのに」「保護者が普段の姿と思うのでは…」「できるんじゃない??」と複雑な思いをもつこともあります。参観が終わったとたんに緊張が解けて、はじけたような状態の崩れが出ることも多いので、困惑を深めるのです。
そのお気持ち、分かります。でも、まず、よく頑張ったことを喜びましょうよ。自分にとって、ねらいがはっきりしている、身近な人に褒めてもらいたいという意欲があると、子どもはこんなに違うわけです。これは、指導のヒントです。緊張や集中の持続が続かない点が課題としてあるということです。
保護者とは喜びを分かち合うことから始めてこそ、課題も伝えられるのです。安心・信頼が基本、ここは大切な点です。
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