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今回のねらい
今の大人がまだ中学生の頃は、筆記体とブロック体の両方を学校で学びましたが、今ではブロック体のみが指導されています。ですが、近年、イギリスやアメリカでも筆記体のよさが見直されつつあります。筆記体は、そもそも文字の形がブロック体よりも区別しやすく、単語になれば文字がつながっているため、1語として見分けやすいという利点があります。さらに、書くスピードが速くなりますし、スペリングも運動感覚と結びつけやすくなります。
そのため、これまでも英語圏では学習障害のある子どもたちに筆記体やそれに似た書体(Sassoonなど)を用いた指導が行われています。
今回、筆記体の「いいところ」を書字練習に取り入れつつ、「ゆび筆」を使った筆記練習をご紹介します。「何度も書いて覚えなさい」という指導法では嫌になってしまいますよね。また、目と手の協応がうまくいかず「鉛筆で書くのは嫌だな」という子どもでも、ゆび筆ならコントロールしやすく、「やってみようかな」と思えます。今回はたくさん書きたくなる、練習したくなる、「ゆび筆」と、それを使った活動をご紹介します。
支援グッズ ゆび筆&水半紙
- 概要
- 「ゆび筆」は、写真のように、指にはめて使う筆で、サイズは子ども用の小さい物から大人用の物までいくつか選ぶことができる。これを人差し指にはめて、水で文字を書く。書く際には、「水書き用紙」や「水半紙(みずはんし)」という、水で書ける用紙に書くと、何度でも乾かして使うことができる
- 目的
- 腕の動きを意識しながら文字の形に慣れ親しむ
- 対象
- アルファベット小文字を習い始めの小学生
- 準備
- 指ふで(人数分)、水半紙(新聞紙でもよい)、アルファベットのカード
学習の流れ
@ターゲットの文字を先生がお手本として黒板に書く。その際、腕の動きをしっかり、はっきり見せ、文字のスタートポイント(始点)や終わりの点を確認し、一緒に「空書き」をする。
A子どもたちは、4〜6人のグループになり、アルファベットカードを1枚ずつ取る。カードは裏返しにしておき、どの文字が当たるかはわからないようにする。
Bカードを1枚取る。
Cたっぷりと指筆に水を含ませ、自分のカードに書かれたアルファベットを書く。何度書いても、どのような大きさでもいい。
D机の上の残りのカードをまた1枚引き、そのカードの文字を書く。
指導のポイント
「なるべく『一筆(ひとふで)』で書いてごらん」と声をかけ、書字の際の動きを意識させます。また、この活動では文字を書くことを「楽しい」と感じることが大切です。文字の大きさや、多少違うことを子どもが書いていても、口を出さないようにしましょう。また、飽きないようにどんどん書かせてもいいでしょう。
【参考情報】
墨運堂「Pop Cornゆび筆」https://boku-undo.co.jp/yubifude/
*URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。