
- 英語教育UD 教材・教具
- 特別支援教育
今回のねらい
小学校や英語教室では、グループ活動などがたくさん取り入れられていることと思います。しかし、お友だちと一緒に何か活動やゲームをする際に、周りに対して気配りができず、自分の欲求のままに行動してしまい、いざこざを起こしたり、活動がうまく進まないという子どももいます。2回に渡り、私が小学校の外国語活動で行った実例をご紹介したいと思います。まず今回は、以前TV番組で流行った「タケノコニョッキ」(*1)というゲームを外国語活動に応用した「Bamboo Shoot!」をご紹介します。
子どもたちは、ゲームを成功させる過程で、周りの人のことをよく観察し、互いにノンバーバルでの交渉(アイコンタクトや表情を読む等)をすることを徐々に学んでいきます。
*1:「タケノコニョッキ」とは、輪になって、掛け声とともにゲームをスタートしたら、各々のタイミングで他のひととかぶらないように1から順に数字を言っていくというゲーム
Bamboo Shoot!
- 概要
- グループで輪になって、数字を1〜7(〜10、〜12)まで、カウントアップ/ダウンしていく(ただし、友だちとかぶらないように気を配りながら、アトランダムに言っていく。次の人を指示したり、隣同士に順番まわしたりしてはいけない。かぶったら(誰かと同時に言ったら)、初めからやり直す)
- 目的
- 1〜7(学年によって〜10、〜12)の数字の言い方に慣れ親しむ
- 対象
- 小学3年生以上〜
- 準備
- 特になし

学習の流れ
1.黒板に手書きあるいはカードで、1から7(〜10、〜12)までの数字を、最初は順番に示しながら正しい発音で導入する
(数字の単語には、大切な音素がたくさん含まれている。カタカナ発音で言える子どもも多いが、ここでしっかり、日英の音の違いに気づくように導入・練習する)
T:(『2』を指さして)「What is this number?」
S:「ツー!!」
T:「Close!Say,/t/,/t/, two.」
S:「/t/,/t/,two!!」
T:「Excellent!」
2.数字を順番に言うのに慣れてきたら、アトランダムに数字を指して練習をする
(時間に余裕があれば、ここで「What’s Missing? Game」(*2)などを行ってもよい)
*2:「What’s Missing? Game」とは、黒板に数字(カード)をバラバラに書き(貼り)、子どもたちが目をつぶっている間に、1枚消し(隠し)、何がなくなったかを問うゲーム。消す(隠す)数字の枚数を2〜3枚に増やすと難易度があがる
3.数字の言い方に十分に慣れ親しんだら、教室内を『Seven Steps』(アメリカ民謡の数え歌)などを歌いながら(曲をかけながら)、自由に歩く。音楽を止めて、「Make groups of ____!」(____には数字) と指示して、数人のグループにわかれる。数字をかえながら、数回グループ作りをして、最後に5〜6人のグループになるようにする
4.1つのグループに、前に来てもらい、教師とともにモデルをみせる
T:「 Let's make a circle. Counts up from 1 to 7. Please say
one by one. If you say the same number with your friends
at the same time,you have to start over. Are you ready?」
ALL:「“Bamboo, bamboo, bamboo shoot!”」(動きながら)
S1:「One!」
S3:「Two!」
S7:「Three!…」
指導のポイント
- 活動をはじめる前に、「必ず全員が1回数字を言うこと」「毎回言う数字は変えること」をルールとして明示・確認することが大切です。
- はじめはなかなかうまくいかないグループもあると思います。子どもたちには、「心を合わせて」「協力して」「お友だちをしっかりみて」などというように、適宜声掛けをしてください。焦っていざこざが起こるようでしたら、一度活動を止めて、うまくいっているグループに、「コツはありますか?」と聞いて発表させるなど、どうすればうまくいくのか、子どもたちに考えさせる時間をもちましょう。
- 一度やり方を覚えたら、毎回の授業のウォーミングアップとして、あるいはラップアップとして、時間を決めて挑戦するようにしてもよいでしょう。
【参考文献】
加藤拓由著『外国語活動サポートBOOKS クラスがまとまる!男女が仲良くなれる!小学校英語コミュニケーションゲーム100」』(明治図書)
*URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。
