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動画1 小学校低学年「ハンカチリズム」
時期:2021年12月
場所:福岡県内の小学校体育館
参加者:小学校低学年児童約200名
指導者:山田俊之
内容:リズム遊び「ハンカチリズム」などを実施
「ハンカチリズム」はテッパンアイテム
私は現在、教職課程、幼児教育、特別支援教育を学ぶ学生を教えていますが、以前は小学校、特別支援学校の教師をしていました。そのような経緯から、様々な全国の学校で「飛び込み」(事前情報なしでいきなり)公開授業をしたり、研究授業、ワークショップを依頼されることがあります。コロナ禍以前には、忙しいときは1週間のうちに東京の小学校、名古屋の特別支援学校、大阪と福岡の小学校と公開授業をかけもつこともありました。様々な地域により、各学校ごとの地域差、県民性も違っています。そこで有効な導入教材が、本日冒頭の動画でご紹介した「ハンカチリズム」です。
現在はコロナ禍で遠距離移動は厳しく、直接子どもたちと接する機会は減っていますが、「ハンカチリズム」は、私にとってどんな子どもたちをも引き付けるテッパンアイテム(笑)になっていますので、どうぞみなさんも試してみてください!
児童200人がたった2分で集中できる?!
本日ご覧いただだいた動画の子どもたちは小学2年生です。私は、いきなり校長先生から「どうぞ!」と紹介されて始めますが、子どもたちは「いったいどんな先生?」「このおじさん誰?」「ボディパーカッション??」と頭の中は「?」がいっぱいの状態です。そこで、次の流れで「ハンカチリズム」を始めます。
- いきなり、ポケットからハンカチを取り出して「先生はハンカチを持っています」と言ってハンカチを提示し、子どもたちに確認させます。子どもたちはハンカチに集中します。
- 次に「このハンカチが、クルクルクルと回っているときだけ拍手してください! はい、どうぞ!」と言って、いきなりハンカチを回します。子どもたちは、拍手を始めます。
- 何回か繰り返していくと、子どもたちも慣れてきます。そこで今度は、ハンカチを持たずに回す格好だけします! このイレギュラーのフェイントが重要です。フェイントをかけると、間違えて拍手してしまった子どもたちが大きな声で「あー」と言って笑い声が上がります。ここで一気に、子どもたちのワクワク感が高まるのです。
- これを数回繰り返します。どんどん子どもたちが集中してくれます。ここまで、わずか約50秒です。
- 次に、「このハンカチを上に、ポーンと放り投げて、その間だけ拍手をしてください。そして、キャッチしたら拍手をやめてください」と子どもたちに呼びかけます。
- 何度かハンカチを上に投げて、また先ほどと同様に、ハンカチを投げるふりでフェイントをかけます。ここでも、間違えて拍手してしまった子どもたちから、大きな声で「あー」という声ともにどっと歓声が上がります。
- それを2〜3回繰り返したら終わりです。ここまでで約1分20秒です。
リズム遊びは雰囲気づくりと子ども観察の貴重な5分
初めて子どもたちの前に立って授業を行うとき、私は、ご紹介したようなリズム遊びを行って楽しい雰囲気をつくりながら、実は、その後の授業をどう展開していくか考えています。子どもたちを集中させるだけではなく、リズム遊びをしながら子どもたちの様子を観察しているのです。
私は、公開授業の導入5分では下記の3点に気を付けています。
- 始まって5分以内に楽しい雰囲気をつくる(学校種別、学年で少し違います)。
- 授業を行う子どもたちの集中力、言葉の許容力と動作反応の速さを確認する。
- 特別支援が必要な子どもの様子を確認し、今後の配慮の方法を考える。
1については、先生自らが楽しそうな雰囲気をつくることが大切です。
2は、学校によって地域差があります。低学年で集中できる場合もあれば、中学年でも難しい場合があります。また、同じ学年でも、学級経営の状態でまったく違う場合もあります。それが、実際にリズム遊びをする子どもたちを観察することで、子どもたちの状況が把握できるのです。
3に関して、リズム遊びをしながら、子どもたちの中に配慮が必要な子どもがいるか、どんな配慮が必要かを考えます。なおハンカチリズムを行う際も、特別支援を必要とする子どもたちの中には、上手くハンカチを追えない子どももいるので、ハンカチを上に投げる場合は合図がわかるようにします。また、「こちらを見なさい!」などの高圧的な言葉かけはしないようにしましょう。あくまでも、楽しく参加できているかがポイントになります。
※「ハンカチリズム」の進め方は、『ボディパーカッションdeクラスづくり』や『特別支援教育deボディパーカッション』などにくわしく記載しています。
導入を成功させるポイント
- ハンカチは色がはっきりした見やすいものを使います。
- リズム遊びをしながら、目の前の子どもたちをよく観察してどのような子どもたちがいるかを瞬時に把握します。
- 特別支援の子どもたちも参加しやすいよう、指示の言葉は簡潔でシンプルにします。