著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「国語が大好き!」と感じてもらえる授業をしよう!
文部科学省教科調査官水戸部 修治
2013/1/25 掲載

水戸部 修治みとべ しゅうじ

 文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター総括研究官・教育課程調査官・学力調査官。小学校教諭、県教育庁指導主事、山形大学地域教育文化学部准教授等を経て、平成20年10月より現職。『小学校国語科 言語活動パーフェクトガイド 1・2年』『小学校国語科 言語活動パーフェクトガイド 3・4年』『小学校国語科 言語活動パーフェクトガイド 5・6年』など、著書多数。

―本書には国語授業づくりの原点とも言える理論的な内容が多く掲載されています。このことにはどのような意図がありますか?

 目の前の子どもたちに付けたい国語の力を育むのはとても難しいことです。全国各地の先生方が国語の授業改善に取り組んでいる今、マニュアルに沿った手順ではなく、手作りの授業構想を応援したい。そんな思いを込めて完成したのがこの本です。

―本書でも紹介されている「単元を貫く言語活動」とはいったいどのようなものなのでしょうか?

 端的に言えば、子どもが必要な国語の力を付けるための課題解決過程です。国語科は全ての学習活動が言語活動です。単元の学習過程を一貫した課題解決過程にしていくためには、言語活動を、単元を貫くものとして位置付ける必要があるのです。それは学習指導要領・国語の趣旨を具体化するものといえます。

―言語活動は全国の学校ですでに実施されていますが、その中での課題は何であると先生は考えていますか?

 付けたい力にぴったりな言語活動の選定が難しいことと、いわゆる「第二次」の改革が難しいことです。その背景には、学力観の転換が国語科ではなかなかなされにくかったという状況があります。単なる教え込みや機械的な反復だけでは身に付かない国語の能力が、子どもにとって必要なのだということを見極めることが重要です。

―本書には言語活動を取り入れた授業事例が多数紹介されていますが、先生がイチオシものはどれでしょう? その理由も教えてください!

 掲載した事例は、全国のたくさんの教室で実践された成果を凝縮したものです。一つ一つが「教室に届いてほしい」という思いを込めてつくったものですが、強いて挙げるなら「読むこと」領域の事例です。この領域は単元構想が技術的に難しいのですが、工夫すれば本当に子どもたちの反応が激変します。

―最後に、全国で日々国語を教えている先生方に一言メッセージをお願いいたします。

 約4年の歳月をかけて、全国の本当に数多くの先生方の御協力をいただいて、確かな一冊が完成しました。子どもたちに「国語が大好き!」と感じてもらえる授業がしたい。そんな先生方のチャレンジを応援します。是非手に取ってみて下さい。

(構成:木山)
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