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チームづくりの仕事の最初はまず、「ズバリ」言って、子どもと信頼関係をつくることです。信頼できない監督の下で、チームプレーをする気になるでしょうか。プロスポーツの監督はその実績や手腕が信頼をつくる手助けをしています。その人の言動に説得力を持たせているのです。だから、まず教師は子どもをチームとしてまとめる前に、一人ひとりと確たる信頼関係をつくることが必要なのです。
縦軸に教師の指導性、横軸に子どもの自由度でチームの発達段階を説明しています。
第1段階 緊張期:教師の指導性も子どもの自由度も低い状態
第2段階 教師の指導性優位期:教師の指導性が高く、子どもの自由度が低い状態
第3段階 子どもの自由度優位期:教師の指導性も子どもの自由度も高い状態
第4段階 自治的集団期:教師の指導性が低く、子どもの自由度が高い状態
子どもの成長を待つのではありません。意図的に教師がリーダーシップを変換することでチームを育てるのです。
ルールをつくることなどがよく言われるところですが、今は、子どもの安心感を優先させることです。子どもと楽しいおしゃべりをしたり、軽くゲームをしたりしてあたたかく楽しい雰囲気をまずつくることが最優先です。それを抜きにいきなりルールづくりをしても、そのルールは承認されにくいだろうし、教室を堅い雰囲気にしてしまいます。
いくつかありますが、最も大事なことは、学習の意味づけと問題解決の道筋をきちんと示すことです。この学習をやることの意義やメリットを示したり、単元を通した大きな課題を示すことです。また、どうやったらその課題を解決することができるのかを示すことです。どんなに意味のある学習課題でも解決方法がわからなくてはやる気になりません。また、どんなに簡単な学習課題でもやる意味が認識できなかったらやはりやる気になはなりません。
ゲーム、エクササイズ、アクティビティなど、様々な子ども同士がふれあったり協力したりする活動が多数開発されていますが、要は子ども同士のコミュニケーションの量を確保し、質を上げるようにします。良質なコミュニケーションを豊富にくぐらせます。道徳や特別活動の時間だけでは足りません。教科指導の時間におしゃべり感覚で問題を解決する時間を設定します。
ある先生は学級状態が大変で毎日毎日通勤するのが辛かったそうです。しかし、心機一転、学級づくりを学び、学級づくりに積極的に取り組んでみると、学級がまとまり学校に行くのが楽しくてたまらなくなったと言います。学級づくりという営みはなかなかその原理や原則が明らかにされずに、成長論もきちんと議論されてきませんでした。しかし、学級づくりにも考え方と方法論があり、学ぶことができます。本書は、学級づくりをチームとして成長させる考え方と方法論を示しました。多くの先生方と子どもの笑顔につながることを願っています。