本書では、入学したばかりのころの日記から小学校6年間のしめくくりとなる総合的な学習での日記まで、子どもの発達段階に応じて30の指導実例を紹介しています。通して読んでいただければ、子どもの文章表現力がどのように身に付いていくかが手にとるように理解できるとともに、6年間の子どもの成長がいかに大きいものであるかを実感していただけると思います。そして、発達段階に応じた文章表現力を豊かにするための工夫や指導のポイントが浮き彫りになってくるはずです。
私は、「子どもの意欲が伝わる日記」「学級の課題を考える糸口になる日記」「文章表現指導に生かせる日記」をすぐに学級通信に取り上げ、みんなで読み合うようにしてきました。それが励みになって、進んで日記を書く子どもが増えました。また、このように日記で交流を深めることは、意欲的な学級集団づくりにつながり、保護者の子ども理解も深まります。そして最も大きいのは、子どもの実態に即した文章表現力の指導を、年間を通して継続的に進めることができるということです。
日記をなかなか書けない一番の理由は、何を書いてよいのかわからないということだと思います。ですから、「何でもいいですよ」では指導になりません。だれにでも取り組める具体的な題材を与えたり、場合によっては白紙のままでも出してよいことにするなど、一律性急に日記を書くことを求めないで、ゆったり構えることです。そして、たとえ拙い日記でも、子ども自身が「書いてよかった」と感じられるようにすることが何よりも大事です。
多くの子どもは、先生の返事が楽しみで日記を書いてきます。ですから、日記指導成功のカギは、先生の返事にかかっているとさえ言えます。しかし、多忙な毎日ですから、無理なく短時間で返事を添えられるようにしたいところです。そのためには、「子どもと一緒に楽しむ気持ちで短い言葉で書く」「書かれた内容について触れるようにして、表現上の間違いなどは取り上げない」「日記中の共感した子どもの言葉をそのまま繰り返して返事に使う」といったことがコツになります。
多忙を極める毎日の中で、それでも子どもの日記指導を続けられたのはなぜかと考えると、日記を通して子どもの豊かな感性に触れられたことが教師としての私の喜びであり、生きがいであったからだと思います。レイチェル・カーソンは、「感じるということが、知ることよりずっとずっと大切なものだ」と言っています。本書の30の実例を通して、子どもたちの温かな心や豊かな感性に触れ、ぜひ日記指導に挑戦していただければと思います。
指導書としてもとてもわかりやすく、指導者以外の人が読んでも為になると思いました。具体的な指導方法が書かれているので、実践しやすくとても為になると思いました。
私自身、教職にいる訳でもないのですが、指導書というより、子供を持つ親として
とても感動しました。
世の中の先生が、みんな、こんなすばらしい感性で子供をみてくれていたら、
いじめをする子供などできる訳がない…と思ってしまいました。
一人でも多くの教師、そして、教師を目指す人に読んでもらいたいと思います。
、
読んでいて心が暖かくなりました。
世の中にこんな先生がたくさんいたらいじめもなく、