- 著者インタビュー
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ここ20年あまりで応用言語学は大変進歩しました。本書では、その成果を取り上げて、フォーカス・オン・フォームを解説しています。それによって、タスクとは本来どうあるべきなのかを知り、本書で掲載されている様々な活動やタスクを授業に取り入れていってもらいたい。また、教科書にある活動を自らデザインする術を身につけ、タスクに基づく授業法を展開していってほしいと思っています。
教師によっては、「このタスクは、自分の生徒にはちょっと難しい」と思うと、それを飛ばしてしまう、または、文法ドリルのように扱ってしまうということもあるのではないかと思います。しかし、それでは、コミュニケーション能力をつけることにはなりません。タスクはそのまま(オーセンティック)にしておいて、事前活動を工夫することでタスクに取り組みやすくする、事後活動でフォーカス・オン・フォームの指導をすることが必要です。タスクを用いて授業をデザインするには、生徒のレベルに応じて、事前と事後の活動を工夫することが必要となります。
最初からタスクを導入していくことは、困難なことも多いと思います。本書では、その解決策として、まずは帯活動から始めて、徐々にタスクを導入していくという方法を提案しています。帯活動は、ルーティーン化した言語活動ですので、その土俵の上で英語学習を積み上げていくことができます。それによって、レディネスが高まった生徒に、タスクを与え、実践的なコミュニケーション能力をつけていくというのが、本書が提唱する方法です。
ロングやエリスと言った応用言語学の大御所が提唱する「タスクを重視する教授法」に、英語教育は大きく舵を切っています。そして、英語教師は、タスクを用いて授業をデザインし、フォーカス・オン・フォームの指導をすることが求められています。そういう変化の中にあって、日々の実践をどうしたらいいのかと悩んでいる先生方も多いと思います。本書は、そんな先生方に是非読んでいただき、明日からの授業に自信をもって臨むための術を与えるものとなっています。