著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
その先に子供たちの幸せが広がっていく
山形県小学校教諭佐藤 幸司
2013/7/8 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
 今回は佐藤幸司先生に、新刊『佐藤幸司―エピソードで語る教師力の極意』について伺いました。

佐藤 幸司さとう こうじ

1962年山形市生まれ。1986年より教職。山形県小学校教師。教育研究団体「道徳のチカラ」代表。温かみを感じる素材でつくる「ほのぼの道徳授業」を提唱し、独自の視点から100を超えるオリジナル道徳授業を生み出している。主な著書に『とっておきの道徳授業』シリーズ(日本標準)、『実務が必ずうまくいく 教務主任の仕事術 55の心得』(明治図書)などがある。

―本書は、「エピソードで語る教師力の極意」シリーズの1冊で、佐藤先生の教師人生を支えてきた方法や発想を、具体的なエピソードをまじえて語っていただく書籍になっています。まず、先生にとっての「教師力」とはどのようなものでしょうか。

 根底にあるのは、教師としての誇りです。教師という仕事の尊さは、自分の仕事によって子供たちが幸せになっていくことにあります。その先にたくさんの人たちの幸せが広がっていく。こんな素敵な職業は、他にはありません。教壇は、選ばれ者だけが立てる最高のステージです。まず、教師自身が自己肯定感をもつべきだと思います。

―Q1で先生があげられた教師力の根底のある「教師としての誇り」をもつためには、どういったことが大切と思われますでしょうか。

 自分の感性を信じることです。「あれ?ちょっと変だな」と感じたら、自分が正しいと思う指導方法を取り入れてみるべきです。謙虚に学ぶ姿勢はもちろん必要です。でも、子供たちの幸せのためを思い、信念をもって進むこともまた大切なことです。

―佐藤先生がこれまで教師をされていらっしゃる中で、「転機」と言える場面が幾つかおありかと思います。一つあげるとすれば、それはどのようなことでしょうか。

 本書の第3章「原点」に書いた特殊学級(現・特別支援学級)を担任した2年間です。子供の見方が変わりました。たとえば、「なぜできないんだろう?」ではなく、「なぜできるのだろう?」という視点から指導方法を考えるようになりました。教材を自分でつくって授業をする楽しさを実感するようになったのもこの時期です。

―教師生活は、「大切な出逢い」に彩られていらっしゃると思います。子どもとの出逢い、同僚教師との出逢い、恩師との出逢い。その中で、佐藤先生にとって印象深い出逢いを一つご紹介下さい。

 これは、やはり深澤久先生が立ち上げた「全国ネット・道徳授業記録」との出会いですね。マル道と略称で呼ばれていたこの研究会は、現在は「道徳のチカラ」と団体名を改め、私が代表を務めています。
 毎年夏に開催している全国大会は、今年2013年で通算24回目になります。今、北は北海道稚内から南は沖縄県石垣島まで、日本中に仲間がいます。仲間こそが一番の財産です。

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いいたします!

【若手の先生へ】
 今は多少辛いことがあったとしても、「教師になってよかった」と思えるときが必ず来ます。せっかく志した教師の道を楽しみながら前へ進んでください。
【ベテランの先生へ】
「生まれ変わっても、また教師になりたい!」と思える教師人生を歩んで行きましょう。

(構成:及川)

コメントの受付は終了しました。